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寿甘 さんの投稿された作品が3件見つかりました。
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如月にさようなら 其ノ二
寒い……そう、寒い冬でした。 味を踏入れる度にはきなれたローファーに雪が絡み付いて、体感する冷たさと感覚できる冷たさだけを残して消えていく、あるのは不快感だけ――だから僕は雪が嫌いで。 電車なんて三十分毎にしか来ないから、一本でも乗り遅れたら遅刻確実だし。 しかも終電が二十二時なのは、夜の楽しみを覚え始めた健全(?)な男子高校生には痛手なのです。 他にも、雑誌に出るようなお洒落な洋服は
寿甘 さん作 [179] -
如月にさようなら
「人ってさ、生きてから死ぬまで何回恋して、何人愛せるんだろうね」 長い雪路は足を前に出す度に、ギュッギュッと音色を奏でる。 それは独りの少女の足から奏でられる音色だった。 不均等で不均一に、耳にタコが出来る程に聞き慣れた音の出所をマジマジと見つめる僕は、端から見ても不謹慎な行動をしてるとは自覚してるのだけど。 キサラの足跡も――。 足音も――。 足も――。 それはまるで日向を探す猫のように、火
寿甘 さん作 [180] -
如月にさようなら
「人ってさ、生きてから死ぬまで何回恋して、何人愛せるんだろうね」 長い雪路は足を前に出す度に、ギュッギュッと音色を奏でる。 それは独りの少女の足から奏でられる音色だった。 不均等で不均一に、耳にタコが出来る程に聞き慣れた音の出所をマジマジと見つめる僕は、端から見ても不謹慎な行動をしてるとは自覚してるのだけど。 だけど……見つめるしかなかった。 キサラの足跡も――。 足音も――。 足そのものも
寿甘 さん作 [260]
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