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Tina さんの投稿された作品が8件見つかりました。
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*たんぽぽの咲く場所8*
何度でも言う。アイツには彼女がいる。でもアイツとアタシは1週間のうち6日は一つの布団で寝るし24時間のうち20時間くらいは一緒にいる。アイツはアタシを抱き締めながら彼女の話をしたりもする。仕方がない。アタシは寂しがり屋の仲のいいトモダチ。夜はアイツに抱き締めて『もらってる』。アタシは密かにでも、強くアイツの中から彼女の影が薄れるのを期待している。でもそれはアタシの勝手な願いでしかなくてそれをア
Tina さん作 [106] -
*たんぽぽの咲く場所7*
アタシはアイツにどんどん魅かれているのに気付かない訳がなかった。でもアイツには彼女がいる。アイツはアタシにトモダチとして接している。アイツがトモダチとしてアタシに接する以上アタシがそれを壊す訳にはいかなかった。アタシがアイツを男として意識するのはアイツの優しさを裏切ることになる。そんな気がしてならなかった。
Tina さん作 [112] -
*たんぽぽの咲く場所*
アタシとアイツは一緒にいる時間がどんどん増えた。平日、休日問わず。二人でも、仲間とでも。あたしたちは気晴らしによく酒を飲んだ。朝まで騒ぐ者。途中で潰れる者。顔色一つ変えずに飲む者。一口で顔を赤くする者…。あたしたちは本当にバラバラだった。その仲間たちの中ではいつからかアタシとアイツは対になっていた。アイツの彼女のいない場所では。人はこれを浮気と言うのだろうか。アタシにはわからなかった。アタシ
Tina さん作 [124] -
*たんぽぽの咲く場所5*
課題を終わらせ周りに人影がなくなるとアイツは口を開く。本当はずっと話しているのだけど。周りに知り合いがいないのを確認してアイツはこう言う。『今日行っていい?』その言葉を待っていたかのようにアタシは静かに微笑み答える。『いいよ。』二人で駐車場に向かい途中コンビニで軽く食事とつまみを買い酒屋に寄って酒を買う。家に着けばアイツは手慣れた様子で炬燵に火を入れいつもの場所に陣取り煙草に火をつけ、テレビ
Tina さん作 [147] -
*たんぽぽの咲く場所4*
昼間は二人で恋人ごっこ。それはあくまでも『ごっこ』の域を越えることはなくふと思い付いた拍子に始まる。悪乗りの延長。アイツはもう何年も付き合ってる彼女がいる。薬指にはペアリングを填め専用の携帯を持ちお揃いのストラップを下げている。だからアイツはアタシを本当に仲間の一人としてしか見ていない。アイツもアタシも適当だから大勢の前で恥かしげもなくアイツはアタシを『俺の女』と言い、アタシはアイツに『大
Tina さん作 [129] -
*たんぽぽの咲く場所3*
アイツと一度話してしまえばそこからは早かった。アイツの周りの連中もアイツもアタシも基本的には適当なのだ。その時したいことをしたいと思ったやつらが同じことをする。気分が乗れば合わせるし乗らなければ合わせない。小腹が空けばそれを満たしに飲みに行く。眠たければ帰って寝る。アタシは車だからお酒は飲めないけど素面でも飲み屋ではしゃぐ連中の中にもいるのは嫌じゃなかった。寝る時間を削って稼いだバイト代は飲み
Tina さん作 [124] -
*たんぽぽの咲く場所2*
アイツと出会って一ヵ月が経った。だからと言って特に変わったことはなくアイツの周りには笑いが絶えずアタシの周りには作り笑いが絶えなかった。そんな時懇親会という名の飲み会が開かれた。チャンス。そう思った。酒の勢いも手伝えばアイツに話しかけることくらいできるかもしれない。チャンスだ。でもそんな思いは所詮アタシの都合のいい妄想でしかなかった。小綺麗な居酒屋を借り切ったその会はあまりにも大規模でアタシはア
千夏 さん作 [106] -
*たんぽぽの咲く場所*
アイツとアタシは秋口に出会った。同じ夢を目指す者が集まる一室。100名程が入っていただろうか。アイツは明らかに異彩を放ち、アタシは少し自分を消していた。アイツは誰とでもすぐ打ち解けた。アイツの周りにはすぐ人の輪ができた。アタシは人と話すのが苦手だった。夢を叶えるのに無理して馴れ合う必要はないとさえ思った。でもアイツだけは気になった。でも…そばに行こうと思った時にはアイツの周りには人の輪ができてい
千夏 さん作 [137]
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