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受験生 さんの投稿された作品が7件見つかりました。
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拝啓 あなたへ 【No.7】
「夢があるんだ。」といつか、彼は言っていた。「学校をつくる夢。お金のない子どもも、親がいない子どもも、皆、学ぶチャンスは与えられるべきだから。誰も拒まない、そういう学校をつくりたい。」私は黙って聞いていた。彼と出会う前の私なら、きっと、"夢なんか語っちゃって"と冷ややかな目で見ていただろう。けれど今は、ちょっと"かっこいい"と思う。「でも、募金だけで学校を経営するには限界があると思うんだ。将
受験生 さん作 [209] -
拝啓 あなたへ 【No.6】
母は一瞬怯んだようだった。しかし母も負けてはいない。「あなたの言いたいことは分かるわ。でもね、どうしようもない時もあるの。現に法律でも認められてるでしょう。」「法律が問題じゃないんです。その命の尊さは、法律によって疎外されるべきものではないんです。だって、育てられないから堕ろします、なんて親のエゴでしょう。命とは可能性なんです。せめて目の前にある可能性くらい、僕は守ってあげたい。」「その子の親は
受験生 さん作 [190] -
拝啓 あなたへ 【No.5】
「そんな事言ったって…。」「こんなに素晴らしい世界を…青い空や広い宇宙、暖かい日差し、小鳥の囀り(さえずり)や皆の笑い声…そういうの知ることもできずに死んでいくなんて、自分の生が認められることなく終わってしまうなんて、そんなの…悲し過ぎる。」彼の言葉には重みがあった。何か、言葉の表面ではなく、奥深くに含まれた哀しみの響きを感じた。 私の心に、我が子に対する憐れみが生まれた。それはいつしか、愛情
受験生 さん作 [169] -
拝啓 あなたへ 【No.4】
信じられなかった。そういえば最近、生理が止まっていた。けれど、それは体調が悪いからだと思っていた。する時は、ちゃんとゴムをつけさせていたし、そうしなかったのは安全日だけだった。正直、誰の子か分からない。親は何も言わなかった。呆れて何も言えなかったんだと思う。ただ、溜め息をついていた。その時点では、『堕ろす』という選択肢しかなかった。両親にも、私にも。 産婦人科のある病院は、あの店の近くだっ
受験生 さん作 [186] -
拝啓 あなたへ
彼はいなかった。"どうしてメアド交換しなかったんだろ。"そう後悔しながら、トボトボと帰った。それでも諦められず、出かけては落胆して帰る日々が一週間に及んだ。どれもジメジメした薄暗い天気だった。ニュースではこれを梅雨入りとよんでいた。 久しぶりに晴れた明くる日、今日はなんだか会えるような気がして晴れやかな気分で家を出た。ばったり出会った、通学中の友達には「なんか今日、嬉しそうな顔してるね。」
受験生 さん作 [192] -
拝啓 あなたへ 【No.2】
彼は窓の外を見ていた。どこを見るとでもなく、ただ窓の外を見ていた。賢そうな顔だった。机の上には紙と鉛筆が置いてある。紙の上には、何やら解読不能な文字や記号の羅列。ほんの少し興味が湧いて、彼の後ろから覗き込んでみた。見ても解るわけないのに。彼は気付いていないのか、まだ外を見ている。「この席、座っていい?」彼の前の席を指差して訊いた。反応はない。「この席、座ってもいいですか?」少し声を大きくして
受験生 さん作 [189] -
拝啓 あなたへ 【No.1】
《拝啓 あなたへ》 ―彼はいつもどこかを見ていた。どこか…そう、誰にも分からないようなどこかを。その瞳は私に向いたことがあったのだろうか?―\r 彼との初めての出会いはごく普通のものだった。ロマンチックでもなんでもない、ごくごく普通のものだった。 高校を中退した私は、夢も憧れもなく、ただ、なんとなく毎日を過ごしていた。 ある日、無性に外に出たくなった私は、わざわざ遠くにある方の映画館に出かけた。
受験生 さん作 [223]
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