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金太郎 さんの投稿された作品が133件見つかりました。

 
  • 星の蒼さは 33

    (もはや巡洋艦一隻で行う規模の戦闘ではありません!これ以上の戦闘は危険と判断します。迅速に帰投して下さい!)(艦長…!おい、ハル!何だかわからねぇが退却らしい!退くぞ!)「あ、ああ」野口に促されハルも戦闘機体形に変形する。完全に形勢は不利に傾いた。あおかぜ隊には無様に逃げ出す他に手はなかった。当然、それを許す月軍ではない。我先にと逃げ出すあおかぜ隊に対し追い討ちをかけようと一斉に銃を構えた。ハル
    金太郎 さん作 [464]
  • 星の蒼さは 32

    もし、天使がこの世に存在するならば、それはきっとこのような姿なのだろう。ハルは動けなかった。ただ、その美しさに見惚れていた。強敵との戦いも、最早蚊帳の外。狂的に白い翼は、広く大きく、そして妖艶。初めて連れていってもらった銭湯で、母の影から見た知らない若い女性の身体。その時もこのように心が乱れた。鉄の塊を食い破って羽化したそれは赤く燃ゆる炎の中でも、なお白かった。「本当にWWなのか……?」(絶望…
    金太郎 さん作 [513]
  • 星の蒼さは 31

    イカレた視力と聴力を戻そうとクロイツは必死に頭を振った。こんなことをしている間に撃たれてしまう。クロイツは光の正体よりも感覚の回復に力を尽くした。甲斐あって白く塗り潰されていた視界は色を取り戻し、金属音の止まらなかった耳は正気を取り戻した。クロイツは即座に反撃体制に入る。だが、どこからも攻撃は無かった。「何を…」肩に10と書かれたゼロもまた、キョトンとしていた。奴の視線(といってもよいのか)は数
    金太郎 さん作 [466]
  • 星の蒼さは 29

    お詫び29話と30話が逆になりました。深くお詫びいたします。クロイツ中佐のダークキャットの飛行ユニットがいきなり、壊れててビックリした方もいるかもしれませんね。「ぬぅ‥‥チョロチョロすんなよ!!」ハルの攻撃は擦りもしなかった。隙の大きい実刀は以前から実用性が疑問視されてきたが、一部エースパイロットからはその破壊力には根強い人気があり、改良には至っていない。対してダークキャットは『猫の爪』の
    金太郎 さん作 [478]
  • 星の蒼さは 30

    「…恐れ知らずめ!」強行突破を挑んできた飛鷹は全門を開き、乱射しながら進んでくる。ミサイルに背部飛行ユニットを破壊されたクロイツのダークキャットは飛行能力を11%にまで低下させていた。「そのまま主戦場に突っ込むつもりか!?」数十ものWWがしのぎを削る数百m程離れた空域にこの巡洋艦は突撃を敢行するというのだ。予想外の火力だ。東京襲撃の際の奴とは桁違いの火力を誇っている。こんなのに懐に飛び込まれて
    金太郎 さん作 [473]
  • 星の蒼さは 28

    (3号機マーク12を撃破!)(隊長機交戦中!)ブリッジ内で怒号が響く。全くもって予想外の援軍の迅速さと量、そして質。彼らは月軍日本侵攻部隊総司令部が置かれた横浜基地からの援軍のようだ。「これは相当美味しいごちそうが入ってるわね」「言ってる場合ですか!!」敵の数は現在19。奇跡的に味方の損害は奇襲を受けた時に撃墜された8号機のみ。「前線へ出るわ。主砲開け、正面突破で敵制空権内に逃げられる前に終わら
    金太郎 さん作 [500]
  • 星の蒼さは 27

    ハルはじっと目の前のWWを睨み付けていた。横を沢山の敵が素通りしても、奴がピタリと動かなくなっても。俺を無視しやがるのか?それが気にくわない。こっち見ろよこっちを!ヘタレ野郎ォ!!……そう罵った瞬間、突然狂ったように襲い掛かってきたのだ。しこたま肝を潰したハルは慌てて銃を構えた。が、稲妻のような速さで迫ってきたダークキャットに一瞬で間合いを詰められ、銃を蹴り飛ばされた。「なんつう速さだ!?畜生
    金太郎 さん作 [519]
  • 星の蒼さは 26

    (なッ!?わ、我々は…)カリプソの艦長は余りにも当然な反応を示した。「幸いこの空域の制空権は完全に我が方の物。サイタマ基地まで辿り着ければ……」(そんな!もう沈みそうなのに!)「艦長殿……余り私を困らせないで頂きたい。私は自分の任務を果たそうと必死なのです」(ですが!)「…我々は任務遂行の為にあらゆる障害の排除を許されています。…できればこの権利。敵軍に対してのみのものであって欲しいものですね。
    金太郎 さん作 [548]
  • 星の蒼さは 25

    (馬鹿め。正面から突っ込んでくるとは)部下の少尉が嘲るように言った。そう。馬鹿。だが、「嫌いではないぞ」クロイツは月軍の主力WW「D-Cα」通称「黒猫(ダークキャット)指揮官専用機」を唸らせ、躊躇いもなく放たれた矢のように飛んでくる零目がけてライフルを2発撃ちこんだ。だが、零はくるりと旋回し、硬質鉄鋼弾を回避する。「!」面白い奴だ。避けるか。「少尉。残りの手勢を率いて後ろの連中を殺れ。私はこい
    金太郎 さん作 [491]
  • 星の蒼さは 24

    「月軍……」上空高く、そこでは数十機ものWWがハル達に敵意を向けていた。(お、応戦する!)狩野が檄を飛ばしたが、ハルの耳には入らなかった。黒いのボディが反射する太陽はハルがそっとしておいた心のカサブタをジリジリと焦がし、剥がした。同時に、凝固させて直視しなかった記憶がどくどくと音を立てて流れだす。薄れる意識の中で聞いた沢山の人の呻き声と唸り声。暗闇に点々と垂れ込む夜空に浮かんだ紅い月。暗黒の中で
    金太郎 さん作 [498]
 
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