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金太郎 さんの投稿された作品が133件見つかりました。

 
  • 星の蒼さは 63

    ハル、西沢、狩野の三人は海中で圧倒的不利を強いられていた。水陸両用WW。地球の七割を占める海。これの攻略は急務であった為、最も初期に開発されたWWだが、今でも海中に於いては無双の性能を誇り、難攻不落と名高い、欧州最重要拠点ジブラルタルを陥落させたのは、水陸両用WWを使用した補給線の分断と後方攪乱による物が大きいという。ハル達を囲む水陸両用WWレインは当初7機。決死の攻撃で5機まで減らしたものの狩
    金太郎 さん作 [472]
  • 星の蒼さは 62

    「アキ!どこ!?いるんでしょ!?」整備員たちがドックで待機している為、誰もいない格納庫で美樹の声は響いた。「アキ……どこ……?」次第に心細くなってきた。誰もいない格納庫は一人でいるには広すぎる。物陰も多く、薄暗い。もう引き上げようか。避難区画にいるに違いない。勝手に判断して回れ右をする。と、かすかな物音に身体が強ばる。この静かな世界に何がいる。唸り声のような、あえぎ声のような。ただミサイルの影に
    金太郎 さん作 [477]
  • 星の蒼さは 61

    「どうにもならないわ。成田基地に援軍を要請しましょう」覆しがたい圧倒的物量差に加え、この濃霧。既に戦いの趨勢は決していた。時代遅れのソナーでは魚雷を撃ち込める程の正確な位置を把握できない。成田基地からの援軍を頼む他なかった。爆撃機の存在だけで大局は変わる。「成田基地に入電!」「やってますが、繋がりません!」オペレーターの一人が悲鳴を上げる。「通信妨害や故障の類ではなく、通信システム自体が変更さ
    金太郎 さん作 [453]
  • 星の蒼さは 60

    数度目の衝撃に突き上げられ、オペレーターの美樹は宙を舞って床に落ちた。「あ痛ッたた……んもうっ!アキはどこに行ったのよぉ」艦長にアキを連れてくるよう命令され、急いで行った自室はカラだった。「美樹ちゃんかい!?」「おばちゃん!」廊下を食堂のおばちゃんが駆けてくる。「アキは!?」「あたしも捜してるんだ。アキちゃんったら、いきなり『何か来る』とか言ってどっか行っちゃったんだよ。洗い物の手伝いしてくれ
    金太郎 さん作 [507]
  • 星の蒼さは 59

    「クク…合衆国海軍に嗅ぎつけられては厄介。素早く沈黙せしめ、奪取する。…クク…行け」三隻のハイドン級巡洋艦がそれぞれ一本ずつ魚雷を放つ。沈めてしまうのは簡単だが、それでは頼まれていた兵器の奪還が不可能になり、何より敵が全員死んでしまう。おまけにその兵器というのは……「殺すのは可愛がってからだ…クク」傍らの士官が獣を見るような目で見ている。何を考えているのかわかったのだろう。それでいい。私の趣味な
    金太郎 さん作 [448]
  • 星の蒼さは 58

    「急げ!発進も出来ず海の底に沈みたいか!?」WW隊隊長狩野京一が怒鳴る。「京一!どこの馬鹿共だい!こんな大騒ぎしてんのは!?」駆け付けた西沢が声を張り上げた。「幽霊艦隊だ。悪魔め、遂に姿を現したな」「あのスカポンタン共かい、横浜では世話になったよ」「交戦経験があるのか?」「砲兵の頃の話さね」横浜基地攻防戦に参加していた西沢は艦砲射撃で所属部隊を失ったらしい。「助かる!どうやら我々を生け捕りにする
    金太郎 さん作 [462]
  • 星の蒼さは 57 第三話 暗き海に炎立ち、逆巻く水面(みなも)に骸は落ちる

    「すげー霧だな」「お前の顔見えないぞ」水上航行するあおかぜに数ヶ所ある見張り台ではこんなやり取りが行われていた。ハルと野口もその一つ。WW乗りである彼らも人員不足と年功序列が相まって見張りもやらされている。「どうなん?」「何が?」「またまた……アキちゃんだよアキちゃん。部屋にいったんだろ?」「知ってるのか!」「俺だけな」隠し事の出来ない男No.1だ。この野郎は。「あんまり信用すんじゃないよ?敵国
    金太郎 さん作 [523]
  • 星の蒼さは 56

    (つまり、本国が欲する兵器がその艦に搭載されているという訳ですね)「その通りですわ」(それを我々に回収せよと……)モニターの向こうで色白な男がニヤリと笑う「勇猛名高い“幽霊艦隊”と、それを率いる有能な指揮官エンリコ・ラグン中佐の手腕を以てすれば赤子の手を捻るようなものでしょう?……成功の暁には大佐への昇進も有り得ますから」(大佐…クク…ナリタ基地の陥落により、本国からの補給が絶えている…苦しみに
    金太郎 さん作 [486]
  • 星の蒼さは 55

    「それで?」お茶を出しながらアキに言われ、特に用がない自分に気付く。「あ、いや、元気にやってるかなって」「うん、元気。美樹ちゃんも艦の皆も優しいし」「ん、よかった」「………」「………」「…………?」話題が無い。来た理由も、考え付かない。ハルはその場しのぎに適当に振った。「そう言えば、アキはあの晩何やってたの?」“UnhappyNewYear”の晩、あのバス停で始めて逢った日の事だ。「……わからな
    金太郎 さん作 [562]
  • 星の蒼さは 54

    「あの…アレ……いや、余り照れるとカッコ悪いか、…今暇?…いつの時代だよ……」ブツブツと呟きながら、ハルは美樹とアキの部屋の前をうろうろしていた。「もっと自然に…」「ハル……?」「!!!」「どうしたの?」いきなりの横からの声にハルは飛び上がってしまった。白いシャツにミニスカートという、男所帯には刺激的な格好で蒼いプラスチックの籠を抱えたアキがこちらを見る。「あ、れ、部屋からでちゃいけないん
    金太郎 さん作 [607]
 
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