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グレイブ さんの投稿された作品が12件見つかりました。
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夕暮れの日に〜争いの国・その4〜
「ラト君っていうんだね?いい名前だねぇ。お風呂沸いてるから、入って来たらどうだい?おつかれでしょう?」確かに疲れていたし、おばあさんの好意を無下にする訳にはいかないので、素直に風呂に入る事にしよう。 風呂場に案内されると「タオルは一番うえの引き出しに入ってるからね。」といっておばあさんは、風呂場を後にした。どこにでもあるような、普通の風呂。 暖かい。 温かい風呂に入るのは、何日ぶりだろう。そんな
グレイブ さん作 [260] -
夕暮れの日に〜争いの国・その3〜
「微妙じゃ無いよ。ここが俺の家だからね」ラトはそういいながら隣の塀を飛び越えた。「早く〜」・・・無茶を言う奴だ。 いくら相棒と旅をしているといっても僕は人間なんだ。 それなりに訓練は受けていたから、並の人間よりは動けるつもりだけど。「ほっ」音も立てずに着地する。仮にも争いの国なのだから、用心しておいて損はないだろう。 「ここが・・・?」どこにでもあるような、西洋風の家。隣の家も、同じ様に見える。
グレイブ さん作 [261] -
夕暮れの日に〜争いの国・その2〜
「お久しぶりです、おじさん!」おお、ラトが敬語を使うのを始めて見たかもしれないぞ・・・「久しぶりだね、ささっ、こっちだ。着いてきなさい。」ラトの知り合いなら大丈夫だろう。 そう、考えていた。 この後に起こる哀しい真実など、考えもせずに。「ここまでくれば、もう大丈夫だろう」受付のおじさんはそういうと、ラトに「じゃ仕事があるから」と言い残し、行ってしまった。 「ラト、大丈夫なの?こんな微妙な場所で」
グレイブ さん作 [317] -
夕暮れの日に〜争いの国〜
この道を行けば 争いの絶えない賑やかな国にたどり着くらしい。 正直行くか迷ったけど僕の相棒ラトの多大なる我が儘により 次の目的地はそこに決まったのだった。「ねぇ、トト。」「トトのお父さんとお母さんって、どんな人だったの?」道を歩きながら、何気なしに聞かれた質問に、僕はどう答えていいか、戸惑った。 でも、やっぱり真実を話そう。 「もう、いないんだ。」「じゃあ俺と一緒だね!」そうだったんだ。「いらっ
グレイブ さん作 [354] -
夕暮れの日に〜機械の町 完結〜
「その旅人が、僕等なんですか?」男が小さく頷いた瞬間「ギャァァァアア」向かいの建物から響く、女の悲鳴。 「残りは、貴方一人ですよ」道場なんて、できるはずがない。自分がこうならない保証なんて、どこにもないのだから。 男の言葉を待たずに、僕は刀を振るった。ッキィン落ちる銃身「どこへでも行ってください。」踵を返し、部屋を後にした。 タァーー…ン先程の部屋から、鮮血が飛び出した。 こうなる事が、解って
グレイブ さん作 [319] -
夕暮れの日に〜機械の町 その5〜
「その旅人が、僕らなんですか?」 男が頷いた直後「ギャァァァアア」向かいの建物から聞こえる、女の悲鳴。 「残りは、貴方ひとりですよ。」ただ淡々と、言葉を発する。同情なんて できるはずがない。 もしかすると自分が、こうならない保証なんてどこにも無いのだから。男の言葉を待つことなく。僕は刀を振るった。 キィンッ落ちる銃芯。 「どこにでも行ってください。」踵をかえし、部屋を後にする。カチンッ あたり
グレイブ さん作 [287] -
夕暮れの日に〜機械の町 その4〜
腰に挿してある長剣を引き抜き、二発、三発と跳んでくる弾丸を弾きながら、回りの戦況を探る。狙撃主は、二人。通路に対して前後。弾を避けながら走ってきた来たラトを踏み台に、向かいの建物の一室に跳躍する。暗い部屋に、一人の男が銃を構えて座っていた。狙撃用に作られた長身の銃では、近距離の刀の攻撃に対応できるほど小回りは利かない。「なぜ僕らを狙うんです?」返事は無い。首に突きつけた刀に力を込めながら、もう一
グレイブ さん作 [312] -
夕暮れの日に〜機械の町 その3〜
驚くほど安い料金を払い、店をあとにした。ラトはさっきから口をきいてくれない。 「ごめんね、ラト。」返事はない。ここで俺の本心が暴発する。「あのね、ラトが可愛くてさ・・つい。・・・ごめん」横を見ると「あきれた」と言いたそうなラトの横顔があった。それでもさっきよりは表情が柔らかい。まずい。またここで何かやったりしたら、二度と口をきいてくれないかもしれない。そっと、その頭を撫でる。少し驚いた様子だった
グレイブ さん作 [328] -
死に際
いきなり、だったから自分が死ぬなんて想わなかった。力を入れても腕は動かない。 聞こえるものは、サイレンの音。 でもこれで、よかったのかもしれない。 生きていくなんて、簡単なようで難しい事柄をしなくて 済むのだからやっと 君の所へ行ける。 気付いた所は病院の一室。 安堵とも、落胆ともいえない感覚コンコン「入るよ?」聞き覚えのある声に、僕は胸を弾ませた。
グレイブ さん作 [339] -
夕暮れの日に〜機械の町 その2〜
「それにしても、お腹へったね?」ラトの機嫌を直そうと、白々しいが話題を変えてみる。 「ぅう、人肉が喰いたい。」・・・まだ怒っているようだ。 普段なら食べ物の話題になるだけで尻尾を振って喜ぶのに・・よりによって「人肉」とは。 「ほ、ほらッ、あそこに食堂があるよ!」「ぃぃい行かないッ」嘘ばっかり。よだれが滝のように出てるよ。「ほぉら、意地張ってないでいくよ」やっぱり腹がへってたんだね。ぁあだこうだ言
グレイブ さん作 [337]
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