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小鉄 さんの投稿された作品が10件見つかりました。
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時空携帯 6−3話
裕二は、真面目になって、聞いてみた。 「その通話の、記録は確認したのか? 電話会社の」 「もちろん、すぐにね。でも無かったらしいわ。時空携帯に、記録は残らないの」裕二は、戸惑っていた。自分に起こった出来事に、あまりにも、一致している。あれは、夢でも見たんだろう、と思う事にしていたが、同じ体験をした人が、居るのか。思わず裕二は、言っていた。 「その人に、会わせてくれないか。会って話がしたいんだ」真
小鉄 さん作 [627] -
時空携帯 6−2話
「旅がしたいな。世界中旅して、美味しいもの食べたいし、お買い物もしたいの」 「そのぐらいなら、叶うんじゃないか。玉の輿にのっちゃえば」 「そうなんだけど、もっと贅沢したいの。時間を越えて旅がしたいの。過去や未来に行ってみたいな」話が、可笑しくなってきた。裕二は、悪乗りしたくなり、聞いてみた。 「それには、タイムマシーンが必要だな。それを買うには、そうとうの金持ちじゃないと無理だろ?」 「そうね
小鉄 さん作 [540] -
時空携帯 6話
伝説の始まり二人は、銀座の日本料理店に居た。座敷の部屋で、ゆったりとしたスペースが、ここち良い。お造りや創作料理をつまみながら、日本酒を嗜んでいた。「裕くんて、不思議だよね。いつも遊んでる感じだけど、お金持ちだし、いろんな事知ってるし。お坊ちゃまか、悪い人でしょ? もし、そうなら、マキをお嫁さんにしてよ」「おい、おい。悪い人って何だよ。やくざかよ。真紀は、やくざの、お嫁さんでも、いいのかよ」 「
小鉄 さん作 [600] -
時空携帯 5話
ギャンブルの教え14258倍、100円が、142万円になる馬券だ。その日、裕二は、東京競馬場に居た。7レースから買って、11レースまでに、25万円程負けていた。最終の12レースに、挽回を狙って、勝負を賭けていたのだ。3連単の30点に1000円づつ買うのを止め、8点ボックスの330点を100円づつ買う事にした。ところが、これが大当り。ブービー人気が、1着にきたのだ。これが、大万馬券の立役者になった
小鉄 さん作 [598] -
時空携帯 4話
疑問どうも腑に落ちない。裕二は考えていた。小林は、森下ゆき、の携帯を調べている。当然、通話記録も確認しているはずだ。犯行の時間帯に通話しているなら、決定的な手掛かりになる。しかし、小林は、その事について触れなかった。何故だろう。裕二は、自分の携帯を手に取り、着信履歴を開いた。 「あれっ、?」裕二は、呟いた。おかしい。1時48分、ニューヨークの友人と話したのが、最後の通話になっている。肝心の、森下
小鉄 さん作 [714] -
時空携帯 3−2話
小林は、鞄から手帳を取り出しながら続けた。 「これは害者の物ですが、今日、貴方と会う予定になってますね。何の用件なのか、聞かせて貰えませんか。」裕二は、驚いた。午後からくる予定の依頼人だったのだ。 「14時からの約束でした。でも、用件までは知りません。来てから話すとの事でしたので。ですから、名前も知らないのです。」 「森下ゆき、遺留品からの推測では、間違い無いでしょう。」裕二の背中に、電流が走っ
小鉄 さん作 [638] -
時空携帯 3話
事件発覚10時過ぎ頃、裕二は事務所に入った。 「おはようございます」水野早紀が、挨拶をした。彼女は、半年前、突然雇って欲しいとやって来た。東京の大学を出た後、就職したが、25歳で退職した。眼鏡をかけて、見た目地味な感じだが、真面目で気が利く、品のある女性だった。 「午後2時に、依頼人の方が来ます。その後・・」早紀が、予定を報告している。その時、来客を知らせるチャイムが鳴った。 「久しぶりぶりです
小鉄 さん作 [655] -
時空携帯 2話
7月12日 東京男は、シャワーから出て、煎れたてのコーヒーを手にした。朝一のコーヒーは、格別に美味い。飲みながら、テレビのニュースを、チェックするのが日課だ。名前は、小田桐裕二。35歳、独身。正確には、3年前に離婚し、7歳になる娘がいる。ロンドンの一流大学を卒業後、帰国して、一流商社に入社。28歳で結婚、同時期、娘が生まれる。この頃までは、まずまずの人生だった。しかし、4年後の離婚と同時に、会
小鉄 さん作 [727] -
時空携帯 1ー2話
「ゆうじ、たすけて」囁くような声だが、確かに聞こえた。聞き覚えはないが、女性の声だ。しかし、いきなり電話してきて、助けてと言われても、状況が分からない。しかも、相手は呼び捨てにしている。返事に困っていると、 「あたしの、 マンションよ」と、さらに低い声で言ってきた。ますます分からない。少し疑った調子で、聞いてみた。 「誰なの? マンションて何?」すると、この返事が来る
小鉄 さん作 [771] -
時空携帯 1話
プロローグ 男は、枕もとで鳴り響く、携帯の音で目覚めた。手に取り時間をみると、5時27分、アラームの時間より2時間も早い。よく見れば、電話の着信音だと気付く。誰だろうと、画面を見ると、《ゆき》、と表示されている。心当たりの無い名前だ、間違い電話だろうか。それにしても、名前が出るということは、知り合いということになる。どちらにしても、こんな時間にくる電話は、良い話ではないだろう。サ
小鉄 さん作 [773]
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