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サウス さんの投稿された作品が17件見つかりました。

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  • 新築分譲マンションを建てるということ 7

    青い空が眼に眩しい土曜日、私は爽やかな天気とは裏腹にどんよりとした気分で約束の息子とあっていた。歳の頃は25,6というところか?なかなか精悍な顔付きだった。「資料みました。随分と強引な計画ですね。」冷たい口調で言った。「この部分を削って計画してください。」豪快なことを何気無く言う人だった。「いやあ、私共も営利企業なんで、そういう採算がとれない計画はできないんですよ。」私は精一杯愛想よく答えた。「
    サウス さん作 [187]
  • 新築分譲マンションを建てるということ 6

    確に、この家にとっては降って湧いたような災難に等しいマンション計画だった。婦人が顔色を変えたのは、新しいマンションができた場合のこの家の日照時間のことだった。「こんな建物認めないわよ。これじゃあ、家は真っ暗じゃない!」「認めないと言われても、法律に反した計画ではありませんから・・・」私はやむをえないという口調で答えた。「あたし一人だとわからないから、土日なら息子がいるからまたきてちょうだい。」あ
    サウス さん作 [196]
  • 新築分譲マンションを建てるということ 5

    「絶対反対するわよ!」品の良さそうな老婦人が玄関から顔を出すなりいきなりまくしたてた。まだ何も説明していないのに。「反対する、しないは住民の方々の自由なので、とりあえず、この資料に基づいて話だけでもさせてください。」「話を聞くだけよ。」婦人は疑わしげに言った。「ありがとうございます。」私は何とか玄関で資料説明を始めた。この辺で怒り出すなと思って、老婦人の顔色を窺ったら、みるみる赤くなっていった。
    サウス さん作 [205]
  • 新築分譲マンションを建てるということ 4

    金持ちそうな家の呼び出しチャイムを私は思いきって押した。まだ今のようにテレビモニター付きインターフォンが普及していなかったので、顔の見えない相手と機械越しに私は挨拶した。「はーい。」年輩の感じの女性の声が聞こえた。「はじめまして。わたくし丸和マンションの南と申します。」「うちはマンションは要らないわよ。」相手は途端に冷徹な声色に変わった。「いえ、マンションの販売の話ではなく、お宅の南側の空き地に
    サウス さん作 [198]
  • 新築分譲マンションを建てるということ 3

    ここに前に建っていた建物を解体する時は当初の見通しが甘く、かなり激しい振動と騒音で解体屋のもとには、近隣住民からかなりの数のクレームが来ていた。私は意を決して一番クレームか多かった計画地隣地の金持ちそうな家のチャイムを鳴らした。
    サウス さん作 [182]
  • 新築分譲マンションを建てるということ 2

    私はとても気が重かった。まだ残暑とは名ばかりのギラギラと照りつける太陽の日射しのせいもあってめまいすらしてきた。堅固な5階建ての建物が解体された跡のマンション予定地は気持よくさっぱりとしていた。このままのまっさらな土地のままなら、さぞや地元の人達に喜ばれるだろうな、と私は絶対にあり得ない想像にほくそえんだ。
    サウス さん作 [190]
  • 新築分譲マンションを建てるということ

    早いもので、不動産業界に身を置いて、もう20年以上になる。この間、面白いことがたくさんあったが、記憶が風化する前に、書きとめておこうと思う。ここは首都東京のベッドタウンとして名高い県の圏央都市の住宅街。人気私鉄の最寄り駅から徒歩5分くらいの場所だ。私の名は南 英彦。(みなみひでひこ)分譲マンション業界準大手の企画営業マンと言えば聞えは良いかもしれないが、実態は悲惨な仕事だった。
    サウス さん作 [1,013]
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