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兎里 風羽 さんの投稿された作品が4件見つかりました。
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弐
風が気持ちいい。金網に腰掛け、さっき買った缶ジュースで首筋を冷やす。図書館は暖房が効いていて体が火照ってしまう。久々に来てみたものの、テストが近いせいか空気が痛い。それに対して、ここは空気がいい。それに景色も。「早速リタイアですか?」この声は優だ。「違います。ちょっと休憩してるだけです。」今日は彼女が昨日図書館に行かないかと誘ってきたので、承諾した。中学時代はたまにここで会っていたのだが、高校に
兎里 風羽 さん作 [290] -
素朴
坂道があるその脇には小さな小屋が所狭しと並んでいるその一つを覗くと髪の長い女性がいた直感的にそれが幽霊らしきものと気づくしかし思う何故死者から生者へ力のベクトルは働くのに生者から死者への力のベクトルは働かないのか疑問訊ねてみるさて、どうなるのやら
借物器 さん作 [498] -
定義
人が死ぬときとはいつだろう心臓が止まるとき人として生きれなくなるとき誰かに忘れ去られたときそうよく言われるたぶん他にもいろいろあるのだろう倫理的に訴えてみればそれこそ星の数ほどあるそしてたぶん全て正しいのだろう誰かが誰かを死んだと思えば誰かは誰かにとって死んだのだ死ほど親しいものもなく死ほど恐ろしいものもないその恐怖とはどこからくるのか
借物器 さん作 [435] -
泣く泣く
仕方なく生きている生きていても仕方がないと知っている人は皆死ぬ変えようのない真実長く生きようが短く生きようが楽しく生きようが悲しく生きようが人は皆死ぬ死んだ後に残るものはないあったとしても残してどうするなんにもならないどうにもならないでは何故生きている仕方なく生きているそれはきっと怖いから死の先に何があるのか分からないからそれともまだ見ぬ未来に希望を抱くからでは何故死ぬ
借物器 さん作 [496]
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