トップページ >> くろつき さんの一覧
くろつき さんの投稿された作品が93件見つかりました。
-
特務戦艦ホーリー・ピーコック53
…トラムを降り、通路を進む俺の足取りは重かった。この部隊を選んだ事を早くも後悔している。しかし先程の話を聞いた以上、回れ右、というわけにもいかない。もしかしたらアリアの計算だったのだろうか…?もしかしたらこの先、もっとトンデモナイ事実が隠されているんじゃなかろうか…。その時逃げないようにあの話をしたんじゃないだろうか?そんな思いを胸に、先を歩くアリアの背中を睨む。するとその視線に気付いたのか、ア
宵待夜霧 さん作 [317] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック52
「もちろん♪SSクラスの最重要機密事項よ。♪もしも外の誰かにバラしたら…その誰かと一緒に軍法会議すっ飛ばして、即、銃殺刑ね☆」アリアは[当然]という顔をしている。頭から血の気が引いた。「んなっ…なんでそんな話をしたんですか!?しっかりバッチリ聞いちゃったじゃないですか!俺はただの軍曹なんですよ!!」「え〜っと…。…ついペロッと♪」アリアはアハハと笑いながら小首を傾げた。その仕草は非常に可愛いのだ
宵待夜霧 さん作 [302] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック51
…俺は驚きに言葉を失った。それが事実なら、とんでもない事件になる。この時代のほとんどの人間が、彼女の働きと功績に[心酔]に近い敬意を持っている。老人から彼女の失踪後に産まれた子供までだ。科学者として、政治家として、彼女は偉大な功績を残した。そして謎の多い人物ながら宇宙連合政府第一代議長として、支持率98%を叩き出した。今でも彼女を敬愛する人々は多い。もし彼女が生きていて、再び表に出てくるような事
宵待夜霧 さん作 [285] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック50
つまりだ、彼女の手によるものならば、少なくとも40年以上前に一番機が製造されていなければならない。そうでなければ[BBB]は名乗れない。しかし先程の艦は、それほど古い艦には見えなかった。俺が首を傾げていると、こちらの心を読んだようにアリアは語りはじめた。「彼女が失踪した後、軍も政府も必死に捜索したわ。けど、結局、足取りも痕跡も、有力な情報さえ見付ける事は出来なかった。…ところが四年前、オリンポス
宵待夜霧 さん作 [307] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック49
「ぴ〜んぽ〜ん♪だいせ〜か〜い♪ちゃんと気付いてたのね☆エライエライ♪」そう言ってアリアが俺の頭をぐりぐりと撫で回してきた。俺は慌てて身を引いて、その手から逃げる。「ち、ちょっとやめてくださいよ!つーか、俺の質問に答えてください!」「ぶーっ、いいじゃない。せっかく褒めてるんだから〜。…ま、いいわ。あの艦の型式番号は本物よ。間違いなく、《BBBα‐00》。」この型式番号には、大きな意味がある。末尾
宵待夜霧 さん作 [307] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック48
しらずしらずのうちに、窓に張り付いて《ホーリー・ピーコック》を眺めていたが、再び景色が高速で流れる壁に戻った。窓から顔を離すと、額と手の跡がくっきり残っていた。慌てて手で消して、ひとつ咳払いをしてから、後ろでその様子をニコニコと見ていたアリアに疑問をぶつけた。「今の、戦艦なんですか?それにしては小さいような…武装もみえなかったし。」さっきも言ったように、この時代、戦艦は1000mオーバーが普通だ
宵待夜霧 さん作 [321] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック47
「ドック(艦戦格納庫)よ。もうすぐ見えてくるわ。」彼女は、そう言って窓の外を指差した。と、突然、今まで壁しか見えなかった風景が一変した。広い空間。大型艦艇用の格納庫だ。この時代、[戦艦]や[航空母艦]などは1000mオーバーが普通だ。つまりそれ以上の広さをもつドックが必要となる。ここもおそらく2000m近い広さがあるだろう。今はドック内を上から見下ろす様に移動しているのだが、豆粒のような作業艇や
宵待夜霧 さん作 [323] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック46
「はふぅ〜 。」その後、部屋を退出し、再びトラムに乗った所で俺はようやく一息ついた。そんな俺を見て、アリアがクスクスと笑う。「緊張した?」「はい…。なんて言うか、…すごく雰囲気のある人でしたね。」俺の答えにアリアは「当然よ」と言った。「そうね…[カリスマ]って言うのかしら?軍と政府を黙らせてこんな部隊を作っちゃったんだもの。ただ者じゃないわよ。」…確かに…。これほどの特権を持った部隊だ。普通なら
宵待夜霧 さん作 [297] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック45
「ご苦労だったな。」遠雷のように低く響く声で男性は言った。「いえ、十分以上の成果がありましたし。」アリアが言うと、男性はこちらに目を向けた。その値踏みするような視線に気押されそうになったが、気合で敬礼の姿勢をとった。「ツバサ=オオトリ軍曹であります!」すると男性は薄く笑うと、「報告は聞いている。中々優秀らしいな。私はこの部隊の総司令を勤めている デウス=オリンポスだ。彼女が選んだ人物なら間違い
宵待夜霧 さん作 [317] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック44
しばしの沈黙のあと、『了解。設定完了しました。これより24時間、ツバサ=オオトリ軍曹に、3級権限の使用を認めます。』声と共に全てのレーザー銃が引っ込んだ。「ふぅっ。」と息をつき、アリアに抗議しようと口を開きかけるが「ゴメンゴメン♪さっ、入りましょっ!♪」と、さっさと扉を開けてしまった。アリアに続いて部屋に入る。かなり広い部屋だった。おそらく、テニスコート2面分はあるだろう。奥の壁一面は、モニター
宵待夜霧 さん作 [325]