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くろつき さんの投稿された作品が93件見つかりました。
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特務戦艦ホーリー・ピーコック23
「だけど結果は違った。トップは貴方に真っ先に撃墜された[キク星系中央艦隊提督]の息子。そして貴方は補欠合格…。」「…。」「正直愕然としたわ…。まさか、戦後50年でそこまで軍が腐ってるなんて…。」そうだ…後からわかった事だが、あの試験は結果の決まった出来レースだったのだ。どうやら提督側から、試験官に多額の賄賂があったらしい。俺は一時、軍に絶望し、補欠合格も辞退しようとしたのだが…。その時声をかけて
宵待夜霧 さん作 [347] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック22
…驚く俺を満足そうに眺めてから、アリアは語りはじめた。「実を言うと私、あの時…あの場所に居たの。あの軍の[入隊試験]の会場にね。」「…。」彼女はコーヒーを一口飲んで、「最初はただの興味本意だったの。あの[空神]の孫が、そしてあの[片翼の天使]の息子が参加してるって聞いてね…。私以外にもかなりの人が集まっていたわ。それだけ貴方は注目されていたの。」黙りこむ俺を優しい目で見つめながら、話を続ける。「
宵待夜霧 さん作 [300] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック21
…敵は巡洋艦一隻と改造船一隻、そして宇宙戦闘機《NGG‐01ポーン》が15機。対してこちらは《スリーB‐012アッパー・ピジョン》1機。最も遠いコースだったため、援軍が来るまで15分以上。しかし、ツバサはその15分の間に改造船を撃沈。戦闘機隊を全機撃墜した。結局、巡洋艦は投降し、事件は無事解決。その後、ツバサは表彰を受け、[軍曹]に昇進したのだが…。「あれは…探せば他にも出来る人は居るでしょう?
宵待夜霧 さん作 [318] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック20
…そろそろ説明しよう。[先月の事件]とは、宙賊による第42ステーション襲撃未遂事件だ。[宙賊]とは、大古の地球の海にいた[海賊]といわれる犯罪集団の宇宙版だ。彼等は中古の戦闘艦船や民間宇宙船の改造船などを使い、商船や貨物船などを襲って金品や食糧などを奪い、時には殺人や密輸なども行う。軍や政府の悩みの種だ。このキク星系にも少規模ながら宙賊が存在していたのだが、キク星系中央艦隊がそのアジトを発見。攻
宵待夜霧 さん作 [300] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック19
…(ダット…大当たりだぜ…。)それから暫くアリアはこちらの様子を伺っていたが、段々不満そうな表情になり、「あらら? あんまり驚かないのね?」と、唇をとがらせる。(その顔がまた可愛いのだが)「いえ、十分驚いてますけど…。」アリアはそれでも不満気だったが、「う〜。まぁいいわ。とりあえず貴方には新型機の実戦テストパイロットとして来てもらいたいの。どう?」「どうって…命令なら行きますけど…。」「違うわ
宵待夜霧 さん作 [308] -
特務戦艦ホーリーピーコック18
…隊長が煎れたコーヒーを一口飲むと、アリアは目を輝かせ、「あら、おいしい!これは…[エルネイ]ですね?」「わかりますか。」コーヒーにうるさい隊長は自慢気だ。「私、このメーカーのが一番好きなんです。」そう言ってもう一口飲んでからカップを置き、こちらに視線を向けた。「さて、本題に入りましょうか?」「はい。」あらためて姿勢を正し、座りなおす。「まずは…そうね、いろいろ言うより単刀直入に言うわね?」アリ
宵待夜霧 さん作 [297] -
特務戦艦ホーリーピーコック17
「実は私は何度かお会いしたことがあるの。」「そうなんですか?」「ええ、その度にとても御世話になったの。だから亡くなったと聞いた時は、本当にショックだったわ…。いつかお礼を言いたかったのに。」初めてニコニコが消え、沈痛な面持ちになる。「葬儀にも行きたかったのだけど…。任務の最中だったから行けなかったの。ごめんなさい…。」頭を下げてくる彼女に、こっちが罪悪感を覚えてしまう。「いえっ、そんな、えーと…
宵待夜霧 さん作 [303] -
特務戦艦ホーリーピーコック16
…「お茶を入れてくる」と言って、隊長は部屋を出て行き、俺はアリア=ブリュンヒルデと名乗った女性と向かい合って座っていた。彼女は俺の顔を見て何故かニコニコと微笑んでいる。ついに耐えきれなくなり、こちらから声をかけた。「あっ あのっ!」「はい。なんでしょう?」彼女はニコニコのままで返事をした。もしかしたらこの顔がデフォルトなのか?と疑いつつ質問する。「え〜と…俺の顔になんか付いてます?」一瞬、キョト
宵待夜霧 さん作 [322] -
特務戦艦ホーリーピーコック15
…暫く見惚れていたが、彼女の胸元と肩に光る階級章を見てようやく我にかえった。「しっ 失礼しました!ツバサ=オオトリ軍曹であります!」彼女の階級章は「白」、「黒」、「赤」の3本線。白は[部隊司令]。黒は[艦長]。赤は[佐]級を表す。さらにその上には、輝く星が3っつ。つまり[大佐]であることを示す。しかも、その星の色が特殊だった。普通は金色の星が付いているのだが、彼女の星は[銀色]なのだ。([銀星
宵待夜霧 さん作 [338] -
特務戦艦ホーリーピーコック14
…隊長は、眼鏡に薄い髪の中年男性だ。昔は海兵隊に居たらしいが…すでにその面影すらない肥満体型だ。その丸い顔に、今は緊張の表情を浮かべている。記憶が確かなら、あそこは応接室のはずだ。通常の客ならば応接室ではなく、隊長室にソファーを持ち込んで対応するはずなのだが…。隊長の様子からしても、相当なVIPらしい。「失礼しま…。」隊長に招かれて、部屋に入りかけて思わず足と口が固まってしまった。部屋にはひとり
宵待夜霧 さん作 [323]