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きゃしーさんの投稿された作品が635件見つかりました。
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番外編 スカバンburn!! (3/4)
「あれ?残りは?」入ってきた二人にお兄ちゃんが声をかける。「遅いからおいてきた。あ、いつもの部屋で」眼鏡をかけた方が答えた。「3のDな。あいつらもうすぐ来る?」「多分。」ちらっと目をやると、もう片方の男子と目があってしまった。「慶太郎、最近はどうや?」お兄ちゃんが黙ったままのその彼に声をかけた。「絶好調。」笑いもせずに彼は答え、二人は行ってしまった。そしてそう、この十数分後、この小説の始まりの時
きゃしー さん作 [321] -
番外編 スカバンburn!! (2/4)
“国際ピアノコンクール1位”“○○音楽コンクール優勝”たくさんの賞。気づけば私はどんどん上へのぼりつめていた。でも、上へ行けば行くほどいつかおちていくかもしれないという不安が襲う。上へ行けば、待っているのは下。先へ進むのが恐くなるでも、楽器は素直だ私の不安は音に伝わってしまったらしい。“正直期待外れ”“背伸びしすぎたか”多くの批評。私はもう、疲れていた「光希、ちょっと俺のバイトについてこい」下を
きゃしー さん作 [307] -
番外編 スカバンburn!! (1/4)
〜♪毎朝聞こえてきたのは、クラシック。モーツアルト、ベートーベン、リスト、ラヴェル、シューマン、エルガー、バッハ、シューベルト…小さい時から私はたくさんの作曲家を知っていたし、たくさんの名曲を知っていた。そんな中、私が何より好きだったのがピアノ。だからピアノを弾くお兄ちゃんが羨ましかった「あーもうピアノやーめたっ」そう言ってお兄ちゃんは椅子から飛びおりた。「お兄ちゃん、ピアノ弾かないの?」「もう
きゃしー さん作 [312] -
スカバンburn!!最終章 115 最後の歌へ
静まりかえった広いステージ。薄暗い中で自分達に向けられたたくさんの瞳。キーボードの前に立つと他のメンバーも緊張しているのが感じられた。呼吸を調え顔をあげる。振り返った翼が顔いっぱいに笑みを浮かべて笑いかけてくれた。美弥はあの大人びた表情で頷いて、その隣の秋奈は馬鹿にしたように舌を出したけど、すぐに笑った。聖二はやっぱり緊張しているのかどこかぎこちない笑顔で、反対に波音は今にも声を出して笑いだしそ
きゃしー さん作 [364] -
番外編 スカバンburn!! 俺の好きなこと(6/6)
ところで、俺には気になることがあった。あの、翼がやりたがった学級委員長。あんな面倒なもん、すぐ文句言い出すやろと思ってた。でも結局、あいつは一言も愚痴らずやりきった「自分でやるって言うてんもん。もし、俺以外にもやりかった奴がおって俺が愚痴ってんの聞いたら、そいつ、どんな気持ちになる?だから俺は投げ出さへん」やっぱり俺は羨ましかったのかもしれんいつでも好きなもんは好きって言って、やりたいことは必ず
きゃしー さん作 [330] -
番外編 スカバンburn!! 俺の好きなこと(5/6)
「慶ちゃん、起きてくれ!」「タケ、波音、走り回るな!!!」「お前らなんでケンカするんや!」「いい加減にしろー!!!」毎回毎回、同じことの繰り返し。慶ちゃんは寝るし、タケと波音は小学生並やし、秋奈は無視。翼と拓朗はケンカするし、たまーに唯一まともな美弥がこのケンカに加わると、もう俺には止められへん!!!!俺は保護者か。なんで引き受けてしまったんやろ。俺一人、一体何なんや。俺が言わな、皆行動せんし、
きゃしー さん作 [336] -
番外編 スカバンburn!! 俺の好きなこと(4/6)
新井猛と武田波音になんかやる気ないのか、寝ちゃってる清水慶太郎。直井はなんかいかついし、高橋は気ぃきつそうやし、玉置は直井と言い合い始めてるし、唯一の味方やった秋奈はすでに打ち解けてるし…初めてメンバーが揃った音楽室で、俺は一人、彼らよりずっと遠くにいるような気分やった。空気に入りこまれへん。こういう時でも距離を置いちゃう俺って、客観視しちゃう俺って、おもんない奴やんなぁ…かといって、無理にはし
きゃしー さん作 [322] -
番外編 スカバンburn!! 俺の好きなこと(3/6)
隣であいつが呟いた言葉。はあー?俺は興味本位でやりたがるお前と違って、ただ単に先生が困ってたから、助けようとしただけやんか。何言い出すねん、こいつ。やっぱ無理!!***「えーあの玉置君と同じクラスなん?」帰り道、偶然あった秋奈に愚痴った。「ほんま無理」「聖二と玉置君って、あわなさそうやもんな。」二人で話しながら“いつもの公園”までたどり着いた。「今日もボーン、練習すんの?」「うん」「好きやなぁ、
きゃしー さん作 [313] -
番外編 スカバンburn!! 俺の好きなこと(2/6)
“玉置 翼”校内であいつを知らん奴なんかおらんやろ。あいつとは関わりたくないな。やかましそうやし。「うわ、なんで美弥が前の席やねん」「うち“高橋”やもん」前の席の女子に声をかけながら、あいつは俺の隣に座った。ますます最悪。「あ…えと、皆さん、よ、よろしくお願いします」いつの間に入ってきたのか黒板の前に、消えそうな声で挨拶する先生がいた。去年やってきたばかりで、まだ慣れないのかびくびくしている。「
きゃしー さん作 [300] -
番外編 スカバンburn!! 俺の好きなこと(1/6)
去年の新学期「くぉらあぁあ!!玉置ぃ!!」「うわっ何やねん、先生」「お前何や、その髪は!」 「お、似合ってるやろ?」「何が似合ってるや!今すぐ家帰って、染め直してこい!」(またあいつか)怒鳴られている男子生徒を横目に通り過ぎ、俺は新しいクラスに入った。教室内はなんとも言えない居心地の悪い空気が流れていて、2、3人の喋り声が微かに聞こえるだけだ。「えー嫌やって。俺、新しいクラスで友達作らなあかんね
きゃしー さん作 [315]