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きゃしーさんの投稿された作品が635件見つかりました。
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スカバンburn!!最終章 -64- 二人で演奏会
――数日後 スタジオ翼「みっきーと太鼓野郎はー!!?」美「だからー用事!!何回も言わせんな!」翼「何で2人揃ってー?」秋「知らん!!!」――一方 in○○ホールホール内に響き渡る拍手。その拍手に包まれながらステージを去るピアニスト。彼に周りの客と同じように拍手を送りながら、光希は隣の慶太郎の様子を窺った。慶太郎は姿勢よく座ったまま、まっすぐステージを向いていた。光「今日はごめん、一緒に来てもらっ
きゃしー さん作 [347] -
スカバンburn!!最終章 -63- 何で弾きたくならないの?
――2年前『光希…もう日本に帰ってきたのか?』隆一が扉を開けると真っ暗な部屋。その中心で膝を抱えて震える妹に声をかけた。『………おに…ちゃん……』『…ん?』『私、やりたいって言って…ピアノ、始めたの…自分で…やりたい…って…ゆったの』『…あぁ、そうやったな』『なの…に……何で…なん…?……何で…い…ま……ぴあ…の………やりたい…って…思われへんの……?』――隆「……」カウンターで一人、暇そうに雑
きゃしー さん作 [350] -
言えないバイバイ 9話 (全10話)
「そんなにあいつのことで悩むのは好きやからでしょ?」友達がまっすぐ私の目を見て言う。「好きじゃなかったら、そんなにあいつのこと考えないってば。」人が弱いと急に強くなるんやな。昨日は人生を嘆いてたくせに。「ゆきが、あいつが遠くに行って、“バイバイ”して、それで簡単に諦められるならいいけど、諦められないから、何かしなきゃって思うから、胸が痛いんでしょ?」そうだよ。このまま“バイバイ”なんて、やっぱり
きゃしー さん作 [398] -
スカバンburn!!最終章 -63- 投げ出したチャンス
光「…ずっと順調に、完璧にやってた。コンクールでは賞をもらって、演奏会にでれば周りの評価はいつも素晴らしいもので…周りの期待はどんどん増えていった。友達なんか作ってる暇、なかったけど…ファンまでおってんで?演奏会のたびに知らない人から貰うねん。花束にぬいぐるみにお菓子…いろんな人が私に言うねん。“とても素敵な演奏だった”“素晴らしかった”。…でも気付いたらそんなプレゼントや言葉じゃ救われなくなっ
きゃしー さん作 [386] -
スカバンburn!!最終章 -61- 辞めた理由は
慶「誰?」女性が去った後、慶太郎が率直に聞いた。光「…先生、ピアノの。前に教わってたの」慶「なんで今はちゃうん?」光「…」慶「光希…なんでピアノ弾かないん?」二人はそのままそばの公園に立ち寄り、ベンチに座った。空はすでに月が浮かび、人影は全くない。光「…聞いてくれる?」慶「うん」光「特に…たいした理由はないねん。ただ…うちは逃げた。」慶「逃げた?」光「そう。…1年間の留学はピアノのため。留学…と
きゃしー さん作 [365] -
スカバンburn!!最終章 -60- 謎の女性
光「今日は楽しかったな」慶「ああ、そうやな」薄暗い空の下、二人は並んで帰っていた。慶「そのぬいぐるみ…どうしたん?」光「え?ああ…これは…」「光希ちゃん?」突然名を呼ばれ光希も慶太郎も振り返った。慶「…?」光「え?…あ…!」「やっぱり光希ちゃんね?」きっちりまとめた黒髪のすらっとした高身長の女性が光希の両手を握り嬉しそうに笑った。光「…先生…」「久しぶりね。最後に会ったのはいつだったかしら…どう
きゃしー さん作 [359] -
言えないバイバイ 8話 (全10話)
『ほんまに北海道にいくん?』携帯に打ち込んだものの、“送信”が押せない。たったこれだけの言葉やんか。ただのメールやんか。そのボタン、押すだけやんか。なんでできひんの?あれからうまく話せないのは、あれだけが原因じゃない。あいつが好きなんやって思ったら、突然今まで簡単やったことが難しくなった。“バイバイ”って一言さえ言えない。次の日、久々にあいつが居たうっかり目があって、うっかりそらすのも忘れてぼん
きゃしー さん作 [409] -
番外編 スカバンburn!! 文句あるか!(4/4)
誰かのために面倒なことなんてしない。いつだってみんな自分が一番かわいい。ずっとそうやって、楽に生きてきた。でも、バンドのみんなに出会えて変わった気がする。バンドの誰かが傷ついた時、私も心が痛くなる。誰かが傷つけられたら、本当に傷つけた奴がむかつくよ。誰かのために心が痛んだり、誰かのために怒ったり、友達は面倒くさい。でも、いつも騒がしい翼がいてお姉ちゃんみたいな美弥や口は悪いけど優しい拓朗やしっか
きゃしー さん作 [342] -
番外編 スカバンburn!! 文句あるか!(3/4)
――『秋奈ってかわいいやんな』『うん。いい子やし。でも、なんかねー』『わかる。なんか、かわいいから見下されてる感じ。』『でも、秋奈がいるとうちらのグループの格があがるっていうか』『そうそう!飾りやんな』――聞いてしまった友達の会話。誰も私がどんな人間かなんて気にしてない。かわいくて、文句もいわない“いい子”の私は一緒にいるには便利な人間。こんな友達関係、続くわけもなく、深い付き合いもできない。で
きゃしー さん作 [334] -
番外編 スカバンburn!! 文句あるか!(2/4)
誰もが羨むほどのかわいさ。私を“かわいい”って思わない人なんていない。でも“みんな”は違った。――高2 春聖「秋奈、お前今、帰宅部やんな?」中学で同じ吹奏楽部だった元部長の聖二。秋「そうやで、部長」聖「もう部長って言うなってば!とにかく!!じゃあさ、お前バンドに入ってくれへんか?」秋「バンドー?」聖二に連れていかれたのは音楽室。そこにいたのは6人の生徒。聖「連れてきたで。同じ中学の秋奈。サックス
きゃしー さん作 [350]