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友愛数 さんの投稿された作品が88件見つかりました。
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いつかまた〜58〜
次の日。学校へ向かう道。ちさの後ろ姿。僕の、…彼女。「おはよ」後ろから声をかけた。「!。お、おはよう…」振り返ったちさは、明らかに……キョドってる。というか、顔が真っ赤なんですけど…。こっちまで恥ずかしくなってくる。でも。そういう所も可愛い。初めて見る、ちさの表情。「…なに笑ってるの?」はっ!俺、笑ってた?「なんでもない、ごめん」その時、「おーはーよ!トーマ!ちさ!」この声は…当然、というか、恋
友愛数 さん作 [128] -
いつかまた〜57〜
その場所へ行ってみる。あまり大規模じゃないけど、これだけあれば、セットに充分足りるだろう、くらいのクローバー畑があった。「こんな近くに…」「ははっ、灯台元暗しってやつだな」僕とちさは、顔を見合わせて笑った。「明るい時に、また取りに来よう?セット、それまでに完成させとくから」「うん!」そして、ちさを家まで送った。アパートの前で向かい合う。なんか照れくさい。「また…明日」「うん…明日」ちさが階段を登
友愛数 さん作 [133] -
いつかまた〜56〜
夢じゃない。僕の腕の中に、ちさがいる。頬に、ちさの髪が触れる。僕の背中には、ちさの腕の感触がある。夢じゃない。もう、胸張って、ちさに好きだって、伝えていいのか?どれくらい経っただろう。そっと体を離した。ちさは、うつむいてた。恥ずかしくて、僕を見れないかの様だった。その姿が可愛くて、また抱きしめたくなった。その時、ちさの後ろに何やら……「…あっ!」僕は声をあげた。「?」僕を見たちさに「あれ見て?」
友愛数 さん作 [135] -
いつかまた〜55〜
おそるおそる、ちさの小さな肩に手を置いた。「…ホントに?」「…………うん」「俺、ちさの事、抱き締めてもいいの?」「………うん」ゆっくりと、ちさの肩から背中へ腕を伸ばす。「本気にするよ?」「……うん」ちさを抱き締める。「嘘だって言っても、俺、もう止まらないけど…」「うん」ちさが僕の背中に腕を回す。僕は、強く、ちさを抱き締めた。
友愛数 さん作 [164] -
いつかまた〜54〜
今、なんて…?好きって言った…?それはつまりちさが………僕を…?ウソだろ…こんな展開、ある訳ない。頭の中が、軽く、いや、かなりのパニック状態になった。宙に浮いた両手をどうする事もできなくて、固まったままになっていた僕は、ちさを見下ろした。ちさは、小さく震えていた。これは…夢?
友愛数 さん作 [140] -
いつかまた〜53〜
立ち上がって、少ししてちさが振り返った。「……?」どした?少し微笑んで、首をかしげた僕に、ちさも少し微笑んだ。そして、「トーマ」手を広げた。え……?え?え!?なんだこれ?分からないけど、僕も滑り下りた。ちさと向かい合い、ちさが広げた手の意味を、頭フル回転で考えた。これって…?分からないまま、どうもできないでいた僕の胸に、ちさが、コツン、とおでこをあててきて、服の裾を両手でキュッと握った。何が起こ
友愛数 さん作 [127] -
いつかまた〜52〜
「え?あぁ、うん。行こっか」そうして、今度は手を繋がずに、公園へと向かった。そこは、砂場とすべり台だけがある、シンプルな町の公園。「もうちょっと、話しよっか」ちさが言った。なんだか嬉しかった。ちさも、僕ともう少し一緒に居たいって、思ってくれた…?…はは。んな事ないか。単なる自惚れだ。「こんな近くにあるのに、来た事なかったな」辺りを見渡してから、ちさはすべり台に上がって行った。僕も、キャリーカーを
友愛数 さん作 [123] -
いつかまた〜51〜
ガラガラガラガラガラ…キャリーカーの音が、今は心地良かった。心臓の音をかき消してくれる。ちさの表情が気になるけど、恥ずかしくて、ちさの顔が見れない。手から伝わる温もりだけを感じながら、ちさの家に1歩1歩近付いていく。着かないでくれそんな願い虚しく、ちさの家に着いてしまった。「…………」「…………」放さなきゃ…でも、もう少しこのままでいたい。はっ!俺、めっちゃ欲張ってねぇ?ちさ、困ってるんじゃ…僕
友愛数 さん作 [137] -
いつかまた〜50〜
並んで歩いていたら、ふと頭の中のもう一人の僕が、問いかけてきた。『せっかくちさと二人で居る時間なんだぞ?このまま送ってバイバイ、でいいのか?』いや、流れ的にそうでしょう。『もっと欲張ってもいいんじゃないか?』欲張るって、何を。「どしたの?」ぶつぶつ言ってる僕を、不思議がって(不審がって?)ちさが聞いてきた。「あぁ!ごめん、なんでもない」何ができるって言うんだよ。その時、一瞬ちさの手と僕の手が触れ
友愛数 さん作 [158] -
いつかまた〜49〜
「土ごと持ってくんでしょ?」「うん…枯れちゃいけないから…」しばらく土手沿いを歩いてみたけど、どこも同じようなものだった。「う〜ん…ここじゃちょっと難しいかもね。場所、変えてみる?道路脇とか、公園とか…」「そうだね…なかなかないもんだね…」それから、遠回りしながら色んな場所を見て歩いたけど、めぼしい場所はなかった。大分歩いたな…。「疲れた?ちょっと休もうか。…待ってて」前方に自販機を発見したので
友愛数 さん作 [148]