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友愛数 さんの投稿された作品が88件見つかりました。
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いつかまた〜28〜
放課後、ちさと門で待ち合わせた。いたいた。「おーい」ちさが僕を見付けて笑う。「あ、おーい」ヒラヒラと胸の前で手を振った。そして僕とちさは、並んで歩き始めた。 「針金、いるかと思って少し持ってきた」「ほんと?ありがとう!今日、ひとつくらいは完成させられるかな?」「どうかなぁ…粘土なら出来るかもしんないけど、布は…」言いながら、なんとなくちさを見ると、ちさもこっちを見ていて、少しドキッとした。「楽し
友愛数 さん作 [160] -
いつかまた〜27〜
食堂に集まっていた所に、遅れてちさがやって来た。響の姿はない。ちさも、弁当の事を口にする事はなかった。イメージが出来上がったちさと智が、まずはデッサンを見せてくれた。「響と恋歌、梨玖を粘土で作って、あとは布で作ろうと思ってる」表情にしても、いい具合にみんなの雰囲気が出てる。「今日、アトリエに行って、生地や装飾品を選んで、大まかな所を作っちゃうね」今日は叔父さんの手伝いはない。「…俺も行っていい?
友愛数 さん作 [214] -
いつかまた〜26〜
今日は、合同授業がない日。通りかかった中庭、ちさと響の姿が目に入った。ちさが渡しているのは布に包まれた四角いもの、それが弁当だって事には、すぐに気付いた。病院代を受け取らない響に、病院代の代わりに、きっとちさが作って持って来たんだろう。直視できなくて、見なかったかのように、僕はその場を通り過ぎた。ヤバイ…。これは疑心か?それとも…嫉妬…?抑えてきた気持ちが爆発しそうな感覚を覚えつつ、打ち消すよう
友愛数 さん作 [185] -
いつかまた〜25〜
翌日の昼休み、恋歌と共に、一緒にお昼を食べていたちさからこんな話を聞いた。「仕事先の人に相談したら、アトリエ使っていいって言ってもらえたの。備品も好きなように使っていいって」ちさは、知り合いのオリジナル雑貨店で、販売員をしながら、置物中心の自分の作品も時々出していた。「ちさちゃんの作品、若い子に『かわいい』って人気でね。なかなか数はできないけど、うちの看板商品だったりするのよ」オーナーから聞いた
友愛数 さん作 [222] -
いつかまた〜24〜
「来たよー」 ちさの家に着いた。ちさと智は、大体のイメージが出来上がってきたみたいだ。「猫、にする事にしたよ」「猫?」 「うん、この間から、あの猫ちゃんが近くにいたから、みんなのイメージを猫にして。素材と表情は私と智が。梨玖ちゃんには衣装と背景をお願いしようと思って」「オッケー」「それを俺と恋歌と響で動かす、て訳か」「うん!」「じゃあ、ストーリーを相談しながら作っていきますか!」そうこうしてたら
友愛数 さん作 [161] -
いつかまた〜23〜
ちさの家に向かう道中、恋歌が、「戦利品、欲しいな〜。あたし色々買っていくから、先行ってて?」「分かった。あ、酒はやめろよ?」「そのくらい分かってるよ!話し合いできないじゃん」いつものスーパーへ向かう恋歌と離れ、梨玖と歩く。なんとなく、疑問に思っていた事を聞いてみた。「あのさ、梨玖と智って、なんで付き合わねぇの?お互い、好きなんでしょ?」やっぱりそうきたか、みたいな表情で梨玖が答えた。「あ〜…そう
友愛数 さん作 [151] -
いつかまた〜22〜
「それなら…」ちさが再び口を開いた。「私達の事をやらない?」???「どういう事?」「私達が出会ってから、今までの事…。残しておきたいなって思って」みんなが、ちさの次の言葉を待つ。「私、それぞれのイメージに合ったものを作るよ。素材も表情も。智、智もできるよね」「あ、うん」 「そこに、梨玖ちゃんが手を加えて、そして恋歌と響とトーマが命を吹き込んで…」「ちょい長編?ドラマができるね」「素朴だけど、想い
友愛数 さん作 [144] -
いつかまた〜21〜
上映が終わり、辺りが明るくなった時、ため息にも聞こえるざわめきが教室に漏れた。「時間はまだあるからな。他のみんなも、随時策を練って作りあげていってくれ。卒業課題の時期には完成させるように」「こりゃ、早いうちに構想練った方がいいね。今の時間に何やるか決めちゃって、準備に入った方が良さそう」「今日、集まる?みんな都合は?」響以外はOKという事で、今日はちさの家に集まる事にした。さて、どんなものにしよ
友愛数 さん作 [154] -
いつかまた〜20〜
月曜日。今日は1現目から合同授業の日。いつも道中で会うはずのちさと会わなかった。「おはよ〜」既に席についていた僕と恋歌、響の所に、梨玖と智がやってきた。「おはよ!ね、ちさ、見掛けなかった?」恋歌の問いに、智が「いたよ。なんか猫と話してたけど」あの猫?「多分、そのうち来るよ」そうこうしてたら、息をきらしたちさが入ってきた。「お…おはよう…!」たった2日ぶりなのに、すげぇ長い間会わなかったような感覚
友愛数 さん作 [155] -
いつかまた〜19〜
その夜、ちさからメールが届いた。【今日はありがとう。トーマに風邪がうつっていないか心配です。バイトも、遅らせてしまってごめんなさい】もう人気も少なくなってきた叔父さんのバーで、そのメールを受け取った僕は、【心配しなくていいよ。おかゆ、食べられた?ゆっくり休んで。おやすみ】と送り返した。しばらくして、【ありがとう。おかゆ、食べたよ。プリンも。早く元気になって、みんなに会いたい。おやすみ、トーマ。本
友愛数 さん作 [158]