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友愛数 さんの投稿された作品が88件見つかりました。
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いつかまた〜8〜
「何してるの?」ある日の昼休み、中庭の芝生に座り込むちさを見つけた。振り返ったちさの膝には、仔猫よりは大きい、でも大人にもなりきっていない『中猫?』が、ゴロゴロ喉を鳴らしながら、気持ち良さそうに目を閉じていた。「あのね」「うん」「花のデッサンをしようと思ったら、猫がやってきて」「うん」「猫のデッサンしようと思ったら、どうしても膝に乗ってきて」「うん」「でもその方がじっとしててくれるから」そうして
友愛数 さん作 [215] -
いつかまた〜7〜
なんか… ごまかしはきかなさそうだ… 口を拭いながら 「…だったらなんで合コン誘うんだよ」「だって、アンタ見てたらはがゆいんだもん〜!」「オマエなぁ…」はぁ、ため息をついて「なんか…ちさってこう『誰かのもの』って感じじゃないっていうか…自然にそこに居る方がいいっていうか…うまく言えねぇけど」「マスコット的みたいな?」「う〜ん…みんなのもの…っていうか…。作品も結構評価されてるし、その上もし誰かの
友愛数 さん作 [209] -
いつかまた〜6〜
1限目が終わり、それぞれ次の教室へ移動を始めた。「じゃあね」ちさが手を振った。「あ〜あ。ちさは相変わらず誘いに乗らず、かぁ」「……。いんじゃない?ちさにもそのうち現れるんだろうし。その?運命の相手ってやつ」「トーマは?告んないの?」ぶぶーっっっ!!!飲みかけの水を危うく吹き出すところだった。アワアワして言葉が出てこない。「な、な…!?」「何驚いてんの?みんな気付いてるって。気付いてないのは当の本
友愛数 さん作 [198] -
いつかまた〜5〜
結局、小心者の僕は、誰ともつるんでなさそうな人に声をかけ、そうしてこの6人が集まった。この2年間、メンバーを変える事なくやってきた。知れば知るほど、刺激を受けた。彼らのクオリティ精神の強さを感じ、個々の世界観に引き込まれていった。何より、そこは居心地が良かった。「今回は最後になるだろうから、スケールの大きいものにしたいよね」恋歌が言った。「スケールの大きい……例えば?」「誰をメインにするかにもよ
友愛数 さん作 [218] -
いつかまた〜4〜
「君、何科?」話かけた彼女がちさだった。「え?…あ、造形科の矢内千沙です」とっさに立ち上がってこっちを見たちさの、ミルクティー色の髪がふわっと舞った。「もし良かったら、僕らと一緒に……」そう言いながら、僕はちさから目が離せないでいた。柔らかそうな髪、美人ではないが、子供のようなあどけない無垢な表情、それでいて意思のある目。もしかしたら、一目惚れだったのかもしれない。「ありがとう。私で良かったら」
友愛数 さん作 [293] -
いつかまた〜3〜
カタン 通路を隔てたちさの隣の席に響が座る。「あ、響、おはよう」ちさが笑顔を向ける。僕らの出会いは、この学校に入学してほどない頃… 最初の合同授業で、出された課題がキッカケだ。「何人かでひとつの作品を作ってくれ。他科同士で集まれば、それだけ幅のあるものが出来上がる。誰と組むかは自由だ。出来上がった作品は、文化祭やその他不定期的にも発表していく。目的に応じて、メンバーを変えても構わないからな」恋歌
友愛数 さん作 [281] -
いつかまた〜2〜
僕らが通う専門学校は、多種多様な『芸術』に携わるたくさんの学科に分かれている。俺と恋歌はアニメーション科。ちさは造形科。就学期間は3年間。そして僕らは今、最後の1年を過ごしている。それぞれ専門授業がある中、時々、合同授業がある。今日は1限目がその合同授業。大講堂へと向かう。「ね!次の合コン、ちさも来ない?」てめーっ!誘ってんじゃねぇ!!「う〜ん…そういうのはちょっと苦手で…ゴメンね」ほっ… 「え
友愛数 さん作 [304] -
いつかまた
おはよう おはよう 「千沙!」振り返り、彼女はいつもの笑顔を見せて言う。「恋歌ちゃん、おはよう!燈真、おはよ!」「おう」僕は彼女に恋してる。もうずっと。長い間… 「ちさ〜〜、聞いてよ、昨日の合コンさぁ〜…」「恋歌ちゃん、また合コン行ったの?いい人いた?」そんなやりとりを、いつもながらキャンパスへ向かう道中の後ろを歩きながら眺める。恋歌の恋バナを聞くのには慣れてる。『絶対運命の人っているんだよ!そ
友愛数 さん作 [491]