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真希 さんの投稿された作品が44件見つかりました。
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ドアーズ・4
7月23日―\r「もう嫌!!私、このマンションから出る!実家に帰る!!」この間の出来事以来、神経が過敏になってしまっている。チャイムの音。廊下を通り過ぎる足音…全てが恐ろしかった。実家に帰りたい。「お前の気にし過ぎだよ。鍵だって開いてなかったし…いい加減にしてくれよ!」彼は、信じてくれなかった。でも、あの出来事は私の想像でもないし夢でもない。「もう、嫌なの。怖くて寝れないし、1人でアンタを待てな
真希 さん作 [528] -
ドアーズ・3
7月20日―\r彼は、疲れた顔で帰ってきた。仕事が忙しいのだろう。早めに夕飯を終え、早い時間に床についた。私は、今日ぐらいは早く寝ようと彼とベッドに入り目を閉じた。ドンドンドン…ドンドンドン!!!!はっと目を覚ました。玄関から、ノックの音が響く。時計を見ると深夜2時…。(もう、やめて…お願いだから。)頭の中で悲鳴を上げながら、布団の中で耳をふさいだ。数分たち、耳から手を離すと、辺りは静まり返って
真希 さん作 [536] -
ドアーズ・2
7月4日―\r昨日の夜中の男性は、何だったのだろう?私の気のせい…?そんな事を考えながら、夕飯の材料を買う為に商店街の道を歩いていた。何かの視線を感じた。道を行きかう人たちを、ゆっくりと目で追う。買い物客の先に昨日の夜中、廊下で倒れた作業着姿の男性がいた。私の気のせいでは、なかったのだ。廊下で血を吐いて男性は倒れた…やっぱり現実だった。男性は、歩き去ってしまう。男性が気になり、後を付けることにし
真希 さん作 [536] -
ドアーズ・1
私は、彼と暮らし始めて約5年。築30年と古いマンション、玄関のドアを開け閉めする度に金属音がする。そんな古いマンションでの話。7月3日―\r真夏のムシムシとする夜中。外で何匹かの猫たちが、鳴いている。彼は、ベッドで寝息を立てていた。ドンドンドン…ドンドンドン!!!!玄関を、かなり強い力で叩く音が部屋中に響く。誰だろう…こんな時間に…?時計を見ると、夜中の2時。玄関のチェーンを外し、鍵を開けてゆっ
真希 さん作 [621] -
過ぎゆく時の中で〜vol.10
刑事は後生大事にくるんだ布を広げた。そこには透明のビニールに真空パックの状態で黒い物が入っていたのだ。「分かりますか?これはライターですよ。」それは焼け焦げ、原型を留めておらず炭の塊に変わっていた。「ご存知の通り着火するのに仕様されたと思われる重要参考の品です。」鑑識で立証されたのだろうか?それは紛れもなく私がポケットに忍ばせ、最後に仕様したイヴ・サンローランのライターに間違いはなかった。「この
真希 さん作 [383] -
過ぎゆく時の中で〜vol.9
静寂が広がる病室の中で、心拍数を刻む機械音だけが鳴り響く…。どれくらいの時が経過したのだろうか?麻酔によって全身の自由は奪われ喋る事さえも覚束ない状態だ。許される情報と言えば、片目の視界に頼る以外になかった。「ごきぶん如何ですか?」マスクを着用した看護婦が覗きこみ、さっさと窓際の花を変えている。事実を知るのは、怖かった…。目を閉じるたびに取り残された夫が炎に包まれ、最後まで潤んだ瞳で私を見つめな
真希 さん作 [366] -
本当の実話【6】最終話
外へ出て、友達に電話したが繋がらず、仕方なく両親に電話をした。電話に出た母に全てを細かく話すと、親戚の同級生の家が、お寺だという事で、とにかく帰ってくるように言われ、彼に了解を得て実家に向かった。実家に着き、すぐに親戚の家に向かい御寺の住職に会う事ができた。住職は私を見た時に優しく微笑み、手招きをして大きな大仏様が置かれた、和式風の部屋へ私を通した。「話をしなくても分かるよ。困っているんですね?
真希 さん作 [742] -
過ぎゆく時の中で〜vol・8
末期ガンは、着実に夫の細胞や脳を貪っていった。痩せ細る体、連日投与されるモルヒネに意識も朦朧として、パラノイアに陥ってゆく。夫人は決意を固めた。夫の意識の中に自分がいるうちに旅立とうと…。まんべんなく辺り一面に灯油をまき、夫の瞳を覗きこんだ。手足は痺れ喋る事さえ困難になっていたが、視線は夫人から外れる事はなかった。「大丈夫…大丈夫よ。1人にはしない…これからも、ずっと…。」震え、しがみつく夫を抱
真希 さん作 [406] -
本当の実話【5】
友達は無言で私の話を聞いていたが、私が話終えた時。「その子が、どう言う自殺をしたのかは分からないの?」と聞かれたが、さすがにそこまでは知らなかった。友達が言うには、女の子が水に関係する自殺をしている場合、水場に現れるそうだ。調べようとしたが、さすがに気が引けた…。調べるにしても、どうやって調べればいいのか。全く分からなかった。「アンタには見えないのだから、余り刺激しないで少し様子をみた方がいい」
真希 さん作 [776] -
本当の実話【4】
友達は、何が言いたいのか…すぐには分からなかった。「アンタと話してて、後ろで女の子の声が聞こえるんだよね。本当に誰もいないの??」嘘をつく必要などない。本当の事なのだ…その瞬間、悪寒が走った。「ど、どんな声が聞こえたの?」恥ずかしいが、あまり思考が纏まらなかった。初めて、身の毛がよだつ恐怖を感じ、冷や汗と共に目の前がグルグルと回った…。「聞こえたんじゃないよ…今も聞こえるよ。でも、何を言ってるの
真希 さん作 [648]