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tomioちゃん さんの投稿された作品が57件見つかりました。
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NOSMOKING 3
いつもより早く帰ってきた私を見て「あれ?早いね!いつも遅いくらいなのに…なんちて」なんて言いたげな店長の顔も、なんだか昨日より嫌いに思える。ごめんよ、店長。八つ当たり。それでもなんとか笑顔で接客をこなし、バイトを終えて、お疲れ様の一服…はいかん!何とか踏みとどまる。コートのポケットに見つけた数本の煙草も思い切って捨ててみる。一瞬ちょっと気分が良い。にしてもとにかく口さみしい。手持ち無沙汰。落ち
tomio さん作 [579] -
NOSMOKING 2
そして朝になり、私のノンスモーキンデイズは取り敢えずよーいスタートした。“ザラハイ(灰皿)処分!アンチニコチン!脱ケムリ!我は無害なナイスガイ。それは勘違い…”そんな意味不明なラッパーの夢までみたみたいだ。 朝起きる私。兎みたく口をもごもご。暫くぼーっとする。目が覚めない。『ああそうか‥』と思う。昨日までは、煙草が眠気覚ましのキッスをしてくれていたことに気づく。そして傷つく。麻痺してる自分に。
tomio さん作 [549] -
NO SMOKING
「いいよ。五千円ね。」男はパクリと煙草を咥え、ニヤリと笑った。 三分前のことだ。バイト仲間のKとの家飲みの場、何かにつけて感化されやすい私が勢いで、自らした禁煙の誓い“もう吸いま宣言”。それをKが面白がって折角だから何か賭けようと言い、貧しい私が、自身のある無し以前に食費の心配をしつつも提案した金額を私よりリッチマンなKが2つ返事でOKした というようなここまではまぁ、そういう話。 さて…私の
tomio さん作 [546] -
憂鬱
ブランコを思いきりこいでいっそのこと一回転滑り降りたとおりに滑り台を一気にかけあがる誰よりも早くジャングルジムのてっぺんから見下ろしてみたかった子供の頃と同じことを今もアタシは繰り返す揺れては滑り落ちて競っては息を切らしているおいしいお菓子は戸棚の奥や高いいところと決まっていたイスにつま先立ちをして夢中で手を伸ばしたもうちょっと…あと少し!子供の頃と同じことを大人のアタシは繰り返す欲しいものはい
アラベスク さん作 [425] -
堕落する日
辛うじて自分という人間を組み立てているパーツがみるみると縮み腐ってゆくのがわかる。いつか描いていた理想像がまたぐんぐん遠ざかる。右目の視力が奪われていく。左方の近眼だけで私はこの世界を羨望している。
アラベスク さん作 [492] -
氷上の声
氷上を裸足で歩く。始めキモチイイ。やがて痛い。むしろ熱い。発狂しそう。それも越えたらもはや無感情。氷と私の誤差はたぶん限りなくゼロに等しい。私は進む。滑りながら、転びながら。私は泣いている。震えながら、立ち上がりながら。もういいかい?って誰かに聞く。まぁだだよ。って何処かで答える。その声だけを頼りにしていたまぁだだよ。もうちょっと。あのひとによく似たあたたかい声。
tomio さん作 [480] -
アタシのバアイ
たぶんアタシらは、あまりにも未熟者で未完成で決定的なパーツが欠落していたから、ただただ目から鼻から塩の水を流れ落としながらわぁわぁ喚いて、いつまでも抱き締め合うことしかできなかったんじゃないかな。 初めてアタシの眼に入ってきたアンタは、なんだか哀しいくらい笑っていた。たぶん自宅の鏡前にて何度も訓練したのであろう唇のカタチ。首の角度。見ひらく瞳の大きさまで。半径3m以内には特に不自然な愛嬌を振り撒
tomio さん作 [485]