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ふっき さんの投稿された作品が26件見つかりました。
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氷の旋律-3
『ホルン、お前ならやれるな。』『はい、父上。』『今年のアカデミー入学試験には"北"のヴァーネットの息子が受験するらしい。』『"北"がですか?』『そうだ。しかもヴァーネット家史上最強と言われている化け物だ。』自然系の中でも一目置かれる四大名家は東西南北に領地を持ちそれぞれ"砂"・"風"・"炎"・"氷"を司っている。これらの能力は珍しくないがこの四大名家は代々圧倒的な力を持っている。 『"北"の中で
ふっき さん作 [308] -
氷の旋律-2
『…行って来ます。』私は父と母の仏壇に手を合わせた。『本当に行ってしまうのかい?』後ろから老人の声がした。『当然よ。アカデミーで特待生になれれば補助金が出てー』『その説明は何回も聞いたよ。わしが言いたいのは軍人になることに抵抗は無いのかということだ。』『何よ今更。お金さえあれば、おじいちゃんだってこんな貧しい暮らししなくていいじゃない!』『そうか。お前は優しい子だな…しかしだからこそ軍人なんかに
ふっき さん作 [280] -
氷の旋律-1
『親父!!出てけってどういうことだよ!?』俺は辺りかまわず怒鳴り散らした。『…そのまんまの意味だ。』親父はうつむいて涙を流す訳でもなく、ただ震えていた。『だから理由は何だっていうんだよ!!』『…お前の力は強すぎる。』『…そういうことかよ。』『アカデミーに受験届を出しておいた。お前なら…』静かに低い声で…でもどこか寂しさが入り混じっていた。アカデミー…正確には国立能力育成アカデミー。国家レベルでの
ふっき さん作 [319] -
氷の旋律 prologue
儚げに散っていく彼女はとても…とても美しかった。この世界では1人ずつ例外なく不思議な力を持っていた。最も多いのは自然系。火や水など自然界に存在するあらゆることを操る力。その次に多いのは人体系。人の体にのみ作用する力。そして上記に当てはまらない力は特殊系と呼ばれた。人々はこの力を使い、古より争い続けてきた。そして30年前、全ての国を巻き込む大きな戦争があった。女・子供から老人まで戦える者はみんな戦
ふっき さん作 [350] -
雨の人?
いつ止むともわからない雨…けたたましい蝉の声もかき消されてゆく…小さな公園のペンギンすべり台の下…行き場を無くした女の子……(これで良いんだ…美樹さえ居なければ…お兄ちゃんは行きたい所に行けるし、パパだって今みたいに仕事ばっかりしなくて済むもん。…美樹が居ない方がみんな幸せになれるんだ。…雨…止まないなぁ…)『そこの可愛いお嬢さん。こんな所で何しているの?』『えっ!?誰?』そこには白いワ
桐生徳人 さん作 [328] -
悲しみの空?
この10年クロウを見た事がない。国内にいるが、常に能力者を探して各地を飛び回っているらしい。だから、ただ黙々と訓練だけをした。必要以上に、誰よりも強くなる為に、そして…いつか来るべき復讐の時の為に…組織の訓練のお陰で、常人を遥かに上回る身体能力を手に入れた。能力者としてもSランクまで上り詰めた。Sランクと言っても日々能力は進化していくし、あくまでも価値だ。戦闘では他の能力者には全然かなわない。そ
桐生徳人 さん作 [378] -
悲しみの空?
『…おかえり。また会えたね。』闇はまた悲しい記憶を僕に見せた。『―して。どうしてっ!!何でいつもこんなものみせるのっ!?』『ふふ。だったらなぜ能力を使ったの?』『うっ…』『キミだって能力を使えば、此処に来てしまう事くらい簡単に想像できたはずだよ?』『だって…』『しょうがないよ…キミは能力を使わないと生きていけないのだから。でもこれだけは忘れないで…[ボクはキミでキミはボクだ]…』………目を覚ます
桐生徳人 さん作 [322] -
雨の人?
商店街を抜け、あてをなくして絶望の雨に打たれていた。それでも捜さなきゃ。その一心で前に進んだ。気付くと目の前には踏み切りがあった。商店街の近くで普段なら田舎のわりに人通りの多い場所なのだが、段々と強くなる雨で誰もいない。電車の本数が少ないこの辺では遮断機が閉じることも、少ない。でも、今日はちょうど踏み切りを渡ろうとしたとき、遮断機は行く手を塞ぐようにして警鐘を鳴らし、閉じていった。目の前を4両編
桐生徳人 さん作 [309] -
雨の人?
6月上旬退院当日の土曜日天気…曇り-高梁家-AM9:00(今日は美樹を迎えに行ったら…まずは進路の事話さなきゃ。ハッキリと美樹のせいじゃないことを言わないと…)病院まではバスで30分弱。まだ余裕がある。部屋の掃除、昼食の買いだし…は終わった。あとは迎えに行くだけか…一息ついてダラダラと時間を待っていると、一本の電話がなった。『はい、もしもし高梁ですけど。』『あっ、コウちゃん!?』『あっ、咲
桐生徳人 さん作 [295] -
雨の人?
『美樹っ!!此処は病院だ。静かにしなさい。』苦し紛れの言葉に今度は美樹がうつむいてしまった。『ふぃ〜お待たせ〜いやぁ意外にトイレが混んで…て…アレ!?何この空気!?…』ユキが困惑しているのを横目に俺と美樹はずっと黙ったままだった。いつ終わるのかと思われた沈黙は容易く打ち破られた。『ハーイ検温の時間で〜す!!』沈黙を打ち破ったのは看護士さんの一言だった。『げっ!!咲ねぇっ!!』ユキがうろたえた。『
桐生徳人 さん作 [308]