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紀夜 さんの投稿された作品が122件見つかりました。
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片想い
君と仲良くできたらって何度思い描いた二人の笑い声幻から覚めれば弱気な僕が立ちすくむだけど明日からの僕はちょっと違うんだきっと君を笑わせる最初で最後のチャンスだから突然その日はやってきた偶然君が隣に座る鼓動と共に車両は揺れる話し掛けようかと息を吸ったあと愛しい寝顔に声がつまるだけど今日の僕はどこか違った高鳴る鼓動の裏に隠れたピエロが冷ややかな目で僕を見つめてた君のこと好きなのかなって初めて考えたた
紀夜 さん作 [376] -
待ってた
夢で見た君と見た夕日あの時からたまらなく君に会いたくなった小さな冷蔵庫からのぞくビール缶取出し昼間から飲んでは胸に刺さるなにかを消そうとしてる魚のあれみたいだまだ待つよ、君の電話会えないなら、せめて声だけでもいいから今まで苦手だった君と合わせる目線きっと今ならできるよ瞳が鮮明に描かれて 夕日が窓を通り抜けたその瞬間に君からの電話が手招きビールがこぼれてもお構いなしに優しく受話器をとった
紀夜 さん作 [362] -
どうして君を愛してんだろ
いつも頭で描く君の笑顔だけどあんなに遠くにいるから僕は近づくためになにかしないといけない情けないよ言葉すらでてこない君は変な顔をして僕がおかしいかい?大好きなのに少し苛立ってるどうして、どうしてこんなに君を愛してんだろたいして話したこともないのにどうして、どうしてこんなに君に悩まされてんだろ君は僕のことなんか考えてもないくせにきっかけは小さな夢で君が言った一言が胸にひっかかってて少し君を見ていた
紀夜 さん作 [445] -
ノイズ‐NOISE‐第六章?
どこぞと知れぬ大きな屋敷。一見古びたホテルか何かの廃墟のようだが、大きな玄関に人影があるところをみると、そうではないらしい。 そこにあったのは、ドクタージニーと、故郷を捨てたジュードの姿だ。「なんなんすか、このボロい建物は…。薄気味悪いな…」ジュードは身震いした。それも無理はない。壁の塗装ははげ、蔓がそこら中にその茎をのばし、窓ガラスは割れその破片は地面に散らばっている。ホラー映画にでも出
紀夜 さん作 [356] -
ノイズ‐NOISE‐?その二
ウィルは街を壊したのがフィオナでないとわかってはいたが、彼女の身になって考えると、つらくなってたまらなかった。人格が違うとはいえ、それはもう一人の自分のようなものだ。「なんで俺、フィオナさんを信じたんだろ。疑って、間違ってても拘束しておけば今みたいな事態にはならなかった。フィオナさんだって、こんな多くの命を奪わなくてすんだはずだ…」信じる心は裏切られた時、苦痛と憎しみと孤独を生む。その痛みが大き
紀夜 さん作 [349] -
ノイズ‐NOISE‐第五章?
ウィルは目線をジャズに移した。警察に入ってまで真犯人をさぐろうとしていたがほとんど手がかりを見つけることができなかったのだ。それが皮肉にも警官を辞めた日に見つかるとは。「《マンティス》っていう組織だ。こいつらも僕たちみたいにノイザーの集団らしいんだけど、噂じゃ普通の人間と偽って行動しているとか…。まだはっきりしてないけど、さっき捕まえた女になんとかして聞き出そうと思う。」「マンティス…そいつらが
紀夜 さん作 [344] -
あの空の雲へ
上を見上げたら視界に入る白い雲どこからやってきてはどこかへ消えてく手を大きく広げて眩しいけど覗いてみたい太陽の光の中を見たいのに見えないもの見たくもないのに見えるもの神様が巡り合わせた?笑わせないでよ全部自分で作り上げたんだから何気なく吐き出した“失言”きりりと吐き出される“本音”原因はなに?悪いのは誰?さあね、わかってるくせに!解きたいのに解けなくて考えたくもないのに考えてしまう自分さえも曖昧
紀夜 さん作 [386] -
ノイズ‐NOISE‐第五章?
「眠れないの?」背後に現れたのはジャズだ。「ジャズ…。」「ウィル君が一番疲れてるはずでしょ。護衛もちゃんと付けてるから、安心して寝なよ。」「いや、…最近悪夢をよく見るんだ。あのロザントン事件の夢…。情けないけど怖くてさ。夢って、逃げられないから。」ジャズは椅子がそばにあるにもかかわらず、むき出しの地面に座り込んだ。「僕も見るよ。怖いよね。まだあの時は子供だったし…。でも目を覚ますとね、ちょっとホ
紀夜 さん作 [392] -
ノイズ‐NOISE‐第五章?
興奮でもうろうとする意識の中で、まわりを見渡すと荒れ果てた瓦礫の景色が広がっていた。まるで戦場のようだ。自分が生活していたとは思えない光景だ。そしてたくさんの人間が死んだ。ハリソン警部や仕事仲間も無事でいるだろうか? だがウィルはもういない。メレディスの知るウィルはどこにもいない。「最悪だ…こんなの。最悪だ…。みんな、いなくなった…みんな…。」涙は出なかった。胸に風穴が開くとはこういうことなの
紀夜 さん作 [341] -
ノイズ‐NOISE‐第五章?
「忘れたの?病院が焼けたのも、街がこんなのになったのも、全部ノイザーのせいなのよ!?アンタが一番わかってるでしょ?そいつらは危険なのよ!!ただの人間が暴れるのとは訳が違う!!命がたくさん消えてくのよ!!!」 もつれそうになる口調でひたすら訴える。 誰のせいというわけでもないのに、お互い自分達の大事なものを傷つけられるのを恐れているせいなのか。それぞれ皆、自分の信じる正義を貫くことで皮肉にも哀し
紀夜 さん作 [363]