トップページ >> 大堂寺 倭 さんの一覧
大堂寺 倭 さんの投稿された作品が5件見つかりました。
- 1
-
二人の絆 4
−最悪の日がやってくる− この日は練習場の入口に一台の輸送トレーラーが停まっていた。松風を乗馬クラブへ連れて行く為である。 先輩に引かれ、松風はトレーラーへと歩いて行く。俺はその間、松風に声をかけてはいけないといわれていた。松風は絶対に反応してしまうから、と。 そしてあと一歩というところで松風はいきなり踏ん張ってそれ以上進もうとはしなかった。他の部員に押されようと叩かれようと、その一歩を頑なに
大堂寺 倭 さん作 [286] -
二人の絆 3
あと一ヶ月で女子部長とお別れ出来るまできた。あと一ヶ月だけ辛抱したらいいだけなんだ。そうしたら、尊敬出来ない人間を相手にすることもなくなるんだから。 松風もわかっているのだろうか、女子部長にはニンジンがないと反応を示す事はなかった。それも、俺にとっては救いだった。 俺と松風の間に入れる人間なんざいない、これだけが俺を部活に留めている杭である。 とは言っても、この二ヶ月は精神を病むに十分な期間だ
大堂寺 倭 さん作 [300] -
二人の絆 2
入部から三ヶ月、嬉しいような、嬉しくないような、複雑な気分で夏休みを迎えた。実家に帰ることが出来るのは正直嬉しいが、松風を置いて帰るのは不安でもあった。 第一に、他の馬に比べて一回り近く大きい松風は馬房もそれなりに大きい上、汚れ方も半端ではない。他の部員に頼むとしても、毎日掃除されないという確信があった。 しかし、俺の帰省予定日の三日後、松風も八月いっぱいまで他の乗馬クラブでトレーニングを受け
大堂寺 倭 さん作 [299] -
二人の絆
−神様の存在ってやつを信じてるか?− この問いに、昔の自分なら迷わず「イエス」と答えていただろう。 今までにない、最高の相棒と出会わせてくれたからだ。 大学には、馬術部に入るつもりで選んでいた。念願叶って、志望校に入れたし、馬術部にだって入部した。 最初は雑用ばかりでも、充実していて俺は満足だった。未経験で入部した鉄砲玉みたいな奴は俺だけで、あとの四人はみんな経験者ばかりだ。 しかも環境がいか
大堂寺 倭 さん作 [308] -
紙一重 1
※ジャンルは恋愛となっておりますが、男同士の恋愛に理解が無い方、嫌悪感のある方は、今すぐお帰り下さい −変化なんて、ほんの些細な出来事でカンタンに起こるんだなぁ…− バイト先のキッチン内で壁に押し付けられた状態で相手を見上げ、そう思いちあたら何だか悲しくなってきた、気がする。 しかも、出会い方は最悪だった。 4月に大学へ入学してもう2ヶ月以上経ち、仕送りばかり貰ってばかりいられないと節 雪実(フ
大堂寺 倭 さん作 [267]
- 1