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夢見大 さんの投稿された作品が32件見つかりました。

 
  • へぶん?

    短い文章は、春香が読むと消えてしまった。そして、紙も消えてしまい、春香の手には何も無くなってしまった。「何やねんな、これ。気持ち悪っ」そう吐き捨てて、春香は手を洗った。そして、洗濯かごを持って、拓也のいるリビングに戻った。拓也は、険しい顔で戻ってきた春香を見て、心配そうにこう言った。「お母ちゃん、大丈夫?お腹痛いん?」そういう拓也に、春香は頷き、拓也の方を向いて微笑みながら言った。「大丈夫やで。
    夢見大 さん作 [336]
  • へぶん?

    春香は、溜め息混じりにこう言った。「また逃げられてしもた。神谷君は、拓也に何の用があるんやろ。気になるわ」拓也は、そんな母を心配そうに見ている。「僕は、神谷のお兄ちゃんに二回も助けられてんやんな。そやから、僕はきっと大事な人なんかもしれへんな?」春香は、微笑んで息子を抱きしめた。「そうやで、あんたはうちの大事な人やねんで。神谷君が、何を言うて来たかて、拓也は変わらずうちの大事な人やで」拓也は、う
    夢見大 さん作 [360]
  • 大草原

    彼女は、前を向いて目を閉じている。うっすらと、微笑んでいる。僕は、そんな彼女を見ている。やがて、彼女が口を開いた。「きれいな草原が見える。アタシは、たぶん草原に行きたがってるんだ。煉、連れていって」僕は、目を閉じたままこちらを向いた彼女を、そっと抱きしめた。「蘭、僕は君を草原に連れていくことはできない。ごめん」彼女は、目を閉じたまま僕の方に顔を向け続けている。僕は、彼女を体から離し、額を彼女の頭
    夢見大 さん作 [362]
  • へぶん?

    拓也は、おとなしく神谷の言う通りにした。春香は、神谷にこう言った。「とりあえず、お礼言わんとな。神谷君、ありがとう。ほんで、ちょっと聞きたいんやけど、なんで、私は神谷君と話しても倒れへんの?」「それは、あなたの心は子どもでも、体が大人だからです。いわば、体力の問題です。お分かりいただけましたか?」春香は、頷いた。今の話は分かりやすかった。そして、もう一つ疑問に思ったことを、春香は口にした。「神谷
    夢見大 さん作 [514]
  • 神龍湖ぱーと?-?

    あんなに輝いていた太陽は、姿を雲で隠してしまっている。なんとなく、イヤな予感がした。夏だから、夕立くらい降るかもしれない。普通の現象なのに、なんで、胸が高鳴るんだろう。「バアちゃん、気をつけてね?なんか、イヤな予感がするんだ」バアちゃんは、笑って頷いた。そして、「ありがとう」と、言った。バアちゃんは立ち上がり、台所のほうに行った。ボクは、窓から見える暗雲を眺めていた。雲は、どんどん膨らんでいき、
    夢見大 さん作 [386]
  • 神龍湖ぱーと?-?

    バアちゃんは、真剣な顔になって、ボクにこう言った。「今から、神龍湖にまつわる古い言い伝えを話してあげる。この前話した神龍湖の伝説とは違うんだよ。この話を克に言うには、まだ早いんだけどね」そこで、言葉を切り深呼吸をした。「神龍湖はたまに光るんだよ」いきなり、何を言い出すんだろうと思いながら、聞いていた。「その光は綺麗に輝くんじゃなくて、怪しげな光なんだ。神龍湖がそんな色で光ったら、昔から悪いことが
    夢見大 さん作 [329]
  • へぶん?

    手を払いのけたあと春香は、こう言った。「どういうことなん?全然意味わからへんのやけど。あんたやったら分かるんやろ?」頷く気配があって振り向いた。青年は答えた。「最初に、拓也君はもちろん人間です。その角っぽいものはそのうち消滅します。角っぽいものがあるわけは、僕と会話したから出てきたんです。あの文字が読めたのも僕と話したからです。子どもというのは、よく幽霊とかの類を見れるといわれますよね?僕がそう
    夢見大 さん作 [314]
  • 神龍湖ぱーと?-?

    春夏ちゃんは、えっ、というふうな顔でボクを見ている。そして、一筋の涙がこぼれ落ちた。「ありがとう…。ありがとう、克君」そういって、春夏ちゃんは立ち上がって神龍湖から遠ざかっていった。ボクは、もう一度太陽を見た。相変わらず、きらきらと輝いている。この輝きがずっと続いてくれるのを信じて、ボクも神龍湖をあとにした。神龍湖からの帰り道、ボクは木にかかっているスカーフを見つけた。誰のだろうと思って、木から
    夢見大 さん作 [278]
  • 赤雪〜第二片〜

    「こいつらに、今噂されてる怖い話聞かしとってんけど全然怖がれへんから、『お前ら、怖ないんか』言うたらいきなり笑いおんねん。ほんで、『何笑っとんねん』言うたら、こいつらが、『ただの噂に何怖がっとんねんな。あほくさ』って言いおんねん。ほんで、喧嘩しとってん」重時は、呆れ気味に溜息をもらした。椅子を引いて、腰を降ろした。どうやら、少し熱が上がってきたみたいだ。「お前ら、子どもっぽいのう。そんなちょっと
    夢見大 さん作 [326]
  • 鬼神

    「昔々も大昔、日本には鬼がたくさんいた。山奥、河原に、洞窟に。そんな鬼達にもお頭がいたんだ。それが、鬼神よ!そんなお頭は、腕っ節も頭も強いが、情には弱い!悪さをしたら人間なんざいちころよ。おいらも会ったら、秒殺さ。なんてったっておいらうるさいからね〜。そんな、お頭が人間の小娘に恋をする!さ〜、さ〜、おいらの新作『鬼神』を楽しんでくれぃ!」こんなふうに大騒ぎしている男の名前は、作家の大神相太。自分
    夢見大 さん作 [360]
 
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