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ホオズキ さんの投稿された作品が22件見つかりました。
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海賊と鬼使い 22
少女は光にそっと触れた。そしてゆっくりと語りだした。昔々、あるところにリディとリリィという姉妹がいました。この姉妹は両親を病で亡くしていました。ある日、貧しい生活のせいで姉のリディが病に倒れ、リリィの看病もむなしく死んでしまいました。リリィは両親や姉のような人を助けるために医術の勉強を始めました。才能はすぐに開花し、9才の若さで島一番の名医と呼ばれるようになりました。妹が心配で成仏できずにいたリ
ホオズキ さん作 [302] -
海賊と鬼使い 21
「ウオリャァァ!!」ガウンッガウンッ!!キィンッ!!キィィンッ!!様々な音が鳴り響く中、フウリは懐かしい感覚と共に、違和感を感じていた。幼い頃、たった一人で放り込まれた戦場。ただ生きるのに必死で、相手を一撃で仕留める事しか考えなかった。自分では人を殺しまくる人生なんて絶対嫌だと思っていたが、心の奥底は正直だ。やっぱり自分は戦う事が好きなんだ。こうして剣をふるうだけで渇いた心が満たされる。「ウィル
ホオズキ さん作 [301] -
海賊と鬼使い 20
「いててて…おい、皆大丈夫か?」カイルの声に、フウリ達は顔を上げた。「…カイル!?」ロアが叫んだ。大きなガラス玉に変化した暮雪が辺りを煌々と照らす下で、カイルが剣を構えて立っている。足元には打ち落としたらしい黒い針のようなものが散らばっていたが、何本かはカイルの体に突き刺さっていた。「ちょっと、大丈夫なの!!刺さってるわよ!?」「あっ、ロア、それ抜いちゃダメだ!!」フウリが慌ててロアを止める。「
ホオズキ さん作 [326] -
海賊と鬼使い 19
「この辺りから『闇の者』の気配を感じる!!」フウリはキョロキョロと辺りを見回しながら言った。ここは北の森。暮雪の言ったとおり、ここは闇の空間に近いらしい。ラウトが闇の者の近くにいるのなら、確実に闇の空間に引きずり込まれている。「ウィル様!!この場所です。」暮雪が立ち止まって言った。「ここ?特に変わりない様に見えるわ?」ロアが首を傾げる。フウリは暮雪の指示する場所に手をかざしてみた。「…あった!!
ホオズキ さん作 [317] -
海賊と鬼使い 18
「ん…。ここは…?」何も見えない暗闇の中でラウトは目を覚ました。「俺、何でこんなとこにいるんだ?てか、ここはどこだ?」とりあえず体を調べる。が、特に変わりはなかった。それに何にも覚えていない。と、その時。「!!?」後ろに人の気配を感じて、ラウトは腰の小刀に手をかけて飛び退いた。「!?君は…」「そっちも覚えてなかったのか!!?」「ええ…何を聞いても、『わからない』の一点張りよ」ロアが落胆した様に言
ホオズキ さん作 [327] -
海賊と鬼使い 17
タッタッタッタッ…バターン!!!「ごめん!!フウリ、起きて!!」「ふぇ!?ロア!?」突然の出来事にフウリは飛び起きた。「フウリ、ラウト知らない!?どこにもいないの!」「ラウト?ん〜……あっ!そういえば昨日の夜中見たよ。」「何!!ラウトがいたのか!?」ダダダダッとカイルとギアンが飛び込んで来た。「うん…夜中に甲板を歩いてた。町の方行ったと思うんだけど…私も探すの手伝うね」フウリは立ち上がると手を前
ホオズキ さん作 [305] -
海賊と鬼使い 16
(あぁ…眠れん…)フウリはベッドの上でゴロンゴロンと数回寝返りをしたあと、ガバッと起き上がった。そのままそっと船室を出ると、見張り台に登った。(『フウリ、早く寝よと言っておろう。』)遠い昔の声がよみがえる。(『ははうえ…でも、ねむくないのです。』)困ったように言って母の隣に座り込む。(『全く鬼使いの才なんてものも困り物じゃの』)母は溜め息をつくと、静かに言った。(『のう、フウリ。そなたには以前話
ホオズキ さん作 [289] -
海賊と鬼使い 15
「なんだよ!賞金っつったってこれっぽっちじゃねぇかよ」賞金袋を開けながらラウトが叫んだ。「何言ってんだ。それカイルがとった賞金だろ」フウリがすかさず言う。フウリを打ち負かした後結局カイルが十人抜きしたのだ。「ハハッ。ラウト、それ小遣い代わりにやるよ」カイルが手をヒラヒラとふって言った。「マジで!?サンキュー、船長!!」「おいラウト!!前、前!!」「へ?」ドンッ「キャッ!!」「うわっ!!」「ラウト
ホオズキ さん作 [283] -
海賊と鬼使い 14
ドゴォォォン!!!!「ウギャァァァァ!!」すさまじい音と悲鳴が上がった。見ると、フウリが倒した男の手が台を破壊していた。(あれぇ…?まだ強かったのかな?)フウリは首をひねったが辺りの空気にハッと気づいた。ワッと歓声が上がり、ヒゲもじゃ男に肩をバンバンと叩かれた。「お、俺もういいですか。賞金いらねぇから」立ち上がろうとしたフウリをラウトがおさえた。「えー!!なんでだよ!!せっかくだから賞金もらって
ホオズキ さん作 [286] -
海賊と鬼使い 13
(ふぅん…小さな島だからどんなとこかと思ったら、結構にぎやかなんだな〜)ぶらぶらと店の並ぶ道を歩きながらフウリはそんな事を思った。それにしてもロアの変装術はすごい。フウリの写真は世界中に広まっているのだが、誰も気づかない。後はフウリ自身がボロを出さなければいいだけだ。「なぁウィル!!見ろよこれ!」しばらくフウリは自分が呼ばれている事に気がつかなかった。「おい、ウィル!!」ラウトに袖を引っ張られて
ホオズキ さん作 [295]