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なつ さんの投稿された作品が16件見つかりました。

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  • 梟は二度鳴く(16)

    ミケーロは飲んでいた酒がなくなると、適当に本棚から一度読んだことのある本を取り出した。本を開いてページをめくろうとしたところで、シャワーの音が聞こえてきた。ミケーロは本を閉じると、テレビをつけてその音をかき消した。しばらく見ていたがふと立ち上がり、クローゼットからシャツとジーンズを出しノックをしてからバスルームに入った。「タオルと着替えここに置いておく」そういいのこしバスルームをでるとミケーロは
    なつ さん作 [202]
  • 梟は二度鳴く(15)

    「別に否定はしないさ」ミケーロは少女と正面から向かい合った。視線が交差し、奇妙な時間が流れた。「・・・はは、お兄さんよく見ると格好いいね。特別にサービスするからさ。私を買ってよ」少女はそういうと濡れた 瞳で、ミケーロを誘うように詰め寄り裾を引っ張った。「触るな」ミケーロは表情を変えないままそういうと、乱暴にその手を振り払った。少女はビクッとおびえた表情を見せ、手を引っ込めた。「あはは。そっか。さ
    なつ さん作 [225]
  • 梟は二度鳴く(14)

    「最悪よ。あなたが殺した男からまだお金貰ってないし、服とか財布あっちに置いてきたままでしょ?どうしてくれるのよ?」「年は?」「はぁ?そんなこと関係ないでしょあなたには」少女はうるさそうに顔をしかめたが、ミケーロが沈黙を保つと渋々口を開いた。「十九よ」「嘘だな」「本当よ!」それでもミケーロがじっと黙って冷たいまなざしをむけると、少女はたえきれなくなって、ため息をつくと答えた。「・・・本当は十六」「
    なつ さん作 [206]
  • 梟は二度鳴く(13)

    「ここはどこ?」目を覚ました少女は起きあがるとともに野良猫の様な警戒心を示した。ミケーロが視線を向けると、少女は毅然と真正面から向き直った。「おまえはなぜあの場にいた?」質問を質問で返され、多少の苛立ちを覚えながらも少女はあざ笑うかのような笑みを浮かべていった。「女が男の部屋のベッド上で裸になってトランプでもやるとおもってるの?」「娼婦なのか?」「だったらなによ?」少女のはねっかえりの強い口調に
    なつ さん作 [205]
  • 梟は二度鳴く(12)

    ミケーロは自宅に戻ると気を失っている少女をそっとベッドに横たえた。静かに小さな吐息を洩らす少女は明るみの中で見るとまだほんの子供でしかなかった。闇の中で見せたあの妖しい扇情な影はどこにも見あたらない。ミケーロは少女を視界に留めながら椅子に腰を下ろし、アルコール度の強い酒を喉に流した。焼けるような痛みにも似た熱が腹に広がった。どうして連れてきてしまったのだろう。あの場で殺してしまえばすんだ話なのに
    なつ さん作 [202]
  • 梟は二度鳴く(11)

    暗闇に浮かぶ二つの翡翠のような碧が人の瞳であることに気がつくまでにミケーロは時間がかかった。それはまだ幼い面影を残した少女だった。陶器のような白い肌が月明かりに洗われて淡く発光していた。長くのびたブロンドの髪には軽いウェーブがかかっていて、それが幼い顔立ちに似合わず物憂げで蠱惑的な雰囲気を漂わせていた。ベッドの上で白いシーツにくるまった少女は一糸もまとわぬ姿でいた。 目の前で繰り広げられた惨状に
    ナツ さん作 [220]
  • 梟は二度鳴く(10)

    わずかな明かりをつけターゲットはこちらに背を向けて椅子に座り酒を飲んでいた。しかし一人だった。予想外の出来事は常に起こり得る。ミケーロは腹を括った。するりと風のように部屋の内側へ入った。ターゲットはわずかにぴくりと反応したものの振り返りもせず特に気にした様子もない。ミケーロは静かにゆったりとナイフを鞘から抜き出した。運の悪いことに持っていたグラスにナイフが反射した光が映り込んだのかターゲットは振
    なつ さん作 [259]
  • 梟は二度鳴く(9)

    ターゲットの家までは車で30分ほどかかった。家というより館といった方がふさわしいほど大きいのだが、ミケーロはその五百メートルほど手前で車を降りるとそこからは足で歩いた。家は白く高い塀でぐるりと囲まれていており、塀の上には鋭い鍵爪のような歯が並んでいた。そしてところどころに監視カメラが取り付けてある。それらはそこに暮らす人物の用心深さを物語っていた。しかしミケーロは動じなかった。すでに資料で確認し
    なつ さん作 [234]
  • 梟は二度鳴く(8)

    ミケーロは自分のワンルームの安アパートに戻った。部屋は見渡す限り生活感を感じられないほど小綺麗で殺伐としていていた。唯一本棚に入りきらず乱雑に山積みにされたなん冊かの本がその場を乱していた。ミケーロは去り際にチェーザレから手渡された資料を机の上に並べた。それにはターゲットの個人情報からその家の見取り図まで綿密に記述されていた。彼はターゲットの容姿を頭にたたき込むと計画のプロセスを頭の中で何度もシ
    なつ さん作 [248]
  • 梟は二度鳴く(3)

    「それで用件は?」ミケーロは促した。するとチェーザレはすっと表情を変えた。それだけで場の空気は痛いほどに張りつめた。女たちの表情が強ばる。チェーザレはゆっくりとミケーロに歩み寄った。「今夜召集がかけられた。お前も来い」そうミケーロの耳元で小さくささやくと、ぱっと表情を戻し女の肩に腕を回した。「わかった」ミケーロがそう答えると、チェーザレは小さく微笑み、きびを返して去っていった。ミケーロはその後ろ
    なつ さん作 [271]
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