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かえで さんの投稿された作品が3件見つかりました。
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あきかぜ-3
彼は驚いて両手であたしを自分の口から剥がした。彼の真ん丸の目があたしをじっと見ている。でもあたしには嫌そうには見えなかった。「…どうしたんですか…??」「……したかった…から……… いや…?」いつものあたしではなかった。「いや、…いやでは…ないですけど…。」戸惑ってる彼がたまらなく可愛く思えて、いじめたくなった。一瞬彼氏が頭の中を過ぎったが、別にどうってことない。あたしは彼に抱き着いてまたキス
かえで さん作 [422] -
あきかぜ-2
どれくらいたっただろう。時計を見るとさっきから30分くらいたったかな…?「あ、おはようございます。」…え?あたしは聞き覚えのない声に一気に目が覚めた。ぼやけた目を擦ってよくみると彼ではなく、ずっと居留守を使って避けてきたガス会社の作業服を着た男がベッドの横で正座してこちらを見ていた。あたしは何が何だか状況がわからずとりあえず目をパチパチさせていた。「あ、えっと…覚えていらっしゃらないですか…?玄
かえで さん作 [173] -
あきかぜ
もう秋だななんだか切ない匂いがする。あたしは会社からの帰り道を歩きながら、夜の空気になぜか泣きそうな気持ちになっていた。秋は好きだ。暑くて寝れなかったり、虫がうじゃうじゃ出て来るうっとおしい夏を終わらせ優しく冷たい冬を持ってきてくれる。植物も赤や黄色に色づいて綺麗だし、秋服もあたしには無理がなく調度いいかんじがしていい。でもあたしを、秋は好きになってくれない。毎年秋になるとあたしは独りになる。ま
かえで さん作 [213]
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