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澤野数奈 さんの投稿された作品が3件見つかりました。
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花葬(3)
「いるわけねーじゃん。」そう。本当に。「じゃ、好きな子は??」タイキが身を乗り出して俺に聞いた。「いない。」ていうか今は興味がない。「ユーキちゃんは??」マキが聞く。ユキこと笠間悠紀は俺の高校のときの同級生で、今は県外の大学で心理学を学んでいる。異性ながら友人の中で1番気が合い、よくお互い相談したりされたりで、たぶん親友と呼べる数少ない存在だろう。マキがユーキの名前を出した理由は、冬休みに久々に
澤野数奈 さん作 [140] -
花葬(2)
1月10日 18:33学食の窓際の隅の正方形のテーブルの席。ちょうど4人がけのそこは最近俺達のお気に入りになっている。というか、テスト期間はいつもここで夕飯を食べている。「あー、彼女欲しいー!!」腕を上に伸ばしながら、叫ぶように言うのはタイキこと宇佐川大樹。決してモテないわけじゃない。男の俺から見てもタイキの顔立ちは整っていて、カッコイイと思える。彼女ができない理由として、この大学の環境があげ
澤野数奈 さん作 [126] -
花葬
ヨシノへ今年も桜が咲き始めた。校門の桜並木は相変わらず綺麗だ。お前はこの桜を見ているのだろうか?1月17日 20:11「じゃーな。」友達のタイキ、シュン、マキと図書館の前で別れを告げ、雪のぱらつく通り慣れた薄明かりの帰路、あいつらとテスト勉強を終えた俺はいつものように辿っていた。大学の図書館から写真屋を越えて、車が一台がやっと通れる幅の身長より少し高いコンクリートの壁に挟まれた道を5分くらい歩く
澤野数奈 さん作 [219]
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