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?さんの投稿された作品が16件見つかりました。

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  • 【桜花〜Act.10-1 白浜】

    「ウサお腹空かないか?」庄司は台所から背を向けたまま話し掛けて来る。「うん,ちょっと」「何か買いに行こう」庄司はそう言うと,早足で寝室の方に着替えに向かった。私はまだボーっとしていて,ソファーに座ったまま動けなかった。「行こうウサ」足早に戻って来た庄司が,私の両脇を抱えてたたせてくれ,庄司の右手が私の左手首を掴んで,引っ張られるようにして連れて行かれた。「白浜に行こう」私を玄関まで引っ張って来ると
    ?さん作 [243]
  • 【桜花〜Act.9 緋色】

    「ー…」自分でも肩の力が抜けるのを感じ,この上ない安堵感に包まれた。−ワスレテイタキオク−私は再び目を瞑った。「安心していいんだ」まるで私に聞かせるような庄司の言葉で,庄司は私が起きていることに気付いているのだと察した。恥ずかしいのと,照れ臭いのとで居たたまれなかったが,庄司は全く気にしていないようだった。「肩に力入ってたから顔も強張ってたんだな」「…」最後にポンと弾みをつけ,庄司の手が離れた。時
    ?さん作 [261]
  • 【桜花〜Act.8 萌し】

    暫くして,ヒタヒタと足音が戻って来た。庄司が寝室から掛け物を持って来たようだ。「んしょっと…」庄司の声が漏れる。私は寝呆け眼で庄司の影を追った。「それっ」いきなり庄司が大雑把にタオルケットを投げ掛けた。「ん!」私は顎で裾をキャッチして体を埋めた。そのまま庄司の足音が遠退くのを待ったが,庄司の気配が消えたように静かになった。…ギシ…私の足元がズンと沈んで背後に人肌の温もりを感じた。庄司は私を後ろから
    ?さん作 [253]
  • 【桜花〜Act.7-3 ホワイトムスク】

    時計は2時を迎えようとしていた。「あ!"テヒ"予約すんの忘れたー…もう,ウサ待たせてると思って材料屋から直行したら忘れたんだぞ」どうしようもない言いがかりに少々腹はたったが,そもそも待ち合わせ時間も決めてなかったのだから,待ったも遅れたも言いようがない。「そらそら,困ったね…私も"テヒ"見たい!」「…だめだよー!家には入れないからー。」「見たらタクちゃんの車の中で寝て帰るよ」「は!車の中もだめだか
    ?さん作 [232]
  • 【桜花〜Act.7-2 ホワイトムスク】

    私の脳裏で卑屈な声が聞こえた。庄司はあの屈託ない笑顔で見つめて来る。「だから,絶対に本気で笑わせてやるから!お前の前を通り過ぎてった野郎も知らない。ひょっとしたら元旦那もな」庄司はククっと笑ってグラスを揺らした。「…知らないと思うよー。…わかっちゃったでしょ?私,別れる前から他の男の人とも関係を持ってたの…。」和人と別居し始めた11月末から,私は夜な夜な桐谷先生のスナックで飲み明かしていた。桐谷先
    ?さん作 [259]
  • 【桜花〜Act.7 ホワイトムスク】

    「幸太,行くよ」庄司は勢いよく焼酎を飲み干した。「じゃあな,東條。幸太,代行も頼む」「ああ,そう思ってさっき呼んどいたからもう着くだろ」「わかってるなー!助かるよ。外で吹かしながら待つわ」庄司は会計に席をたった。再びミナミさんと目が合った。「庄司君のことよろしくね」最初から最後まで突拍子もないことを言う人だと思った。そもそも私自身,庄司のことを好きなのかどうかわからない。庄司だって同じだろう。私た
    ?さん作 [251]
  • 【桜花〜Act.6-2 庄司卓也】

    「東條…」庄司は私の方を見ないまま,低い声を出した。自称?通称?ミナミ−本名東條早保は庄司と大将の同級生だそう。ミナミさんが来てからの庄司は明らかに機嫌が悪かった。「…間がわりぃ」庄司がボソッと私の耳元で呟くと,賺さずミナミさんがツッコミを入れた。「あれ〜?このふたりデキてんの〜?」「東條は旦那とどうなんだよ」「あたし〜?あたし"も"離婚しちゃおうと思ったんだけど〜,止められた。 」ミナミさんと庄
    ?さん作 [306]
  • 【桜花〜Act.6-1 庄司卓也】

    「ウサさんはいま,仕事何してるの?」「先月末まで看護師をしていました」「そうなんだー。ここにもお医者さんよく来るよー。」そう聞いてドキっとした。その先を知りたかったが"触れるな危険"と脳裏を掠めた。「いまは仕事…って言っても朝から晩まで実家の茶業所を手伝ってるだけなんだけど」私の実家は茶業所を営んでいる。従業員は近所の方々10名程と弟の樹だから気心も知れている。5年前のちょうどこの頃,私の母親は初
    ?さん作 [232]
  • 【桜花〜Act.5 エピソード】

    大将の店に着いた時には21時を回っていた。20時に泉町のバスターミナルに着いてから,なかなかタクシーを呼び止められなかった私は,諦めてかつての"通学路"を歩いて向かうことにした。学園通りの桜並木は毎年この時期になると,装飾を施され,イルミネーションの輝く幻想的な街路樹に生まれ変わる。結婚前まで勤めていた桐谷レディースクリニックは,学園通りからちょっと入った路地裏にある。「ここを歩いて通るのは3年振
    ?さん作 [251]
  • 【桜花〜Act.4 小栗和人】

    コンコン。「桐谷先生,ご無沙汰しております。」僕のノックの音に振り向きながら,ロマンスグレーの夏目漱石みたいな初老の医者は静かに言った。「おぉ,小栗か。…色々大変だったな。」桐谷レディースクリニックは有佐の元勤務先。院長の桐谷正好先生は有佐の元上司だ。「いや,僕は…"外木さん"こちらに…?」「あー…外木さんは定期検診を受けに2,3カ月に1回来てるよ。随分初期の乳癌だったし,外木さんも"できることな
    ?さん作 [217]
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