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えり さんの投稿された作品が58件見つかりました。
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依存 終
拝啓拓海様元気にしていますか?早いもので、あなたと離れて5年が経つのですね。2年前に結婚したと風の噂で聞きました。きっと幸せな家庭を築いているのでしょうね。私とは築けなかった… ごめんなさい、こんな事言いたかったわけじゃないの…あなたを失ってから色々な事を考えました。本当に考えたのよ(笑)何かに依存しないと生きていけなかった自分の弱さも、あなたの優しさに甘え続けていた事も、失って初めて気づくな
えり さん作 [657] -
依存?
「ごめん…」突然、拓海が話し始めた。「…俺、知ってたんだ…由紀が萩原さんと関係があるってこと…」「えっ!?」由紀は、突然の告白に返す言葉が見付からなかったが、拓海は、そのまま話を続けた。「由紀、時々話していただろ?友達が不倫で苦しんでるって、助けてあげたいけど、どうしていいかわからないって!あの話、友達の事じゃなくて自分の事だったんでしょ?」由紀は返す言葉がなかった。どうしてバレてしまったの…由
えり さん作 [514] -
依存?
拓海は一度由紀を抱き締めた後、目線をそらし薬箱のある場所に行った。ふたりの間に会話はなかった。ただ、由紀の腕には、複数の切傷があり、既に固まりかけている血がそこから流れ出していた。聡は、薬箱から消毒液を取り出した。「…ごめんね……さっきまでパソコンで仕事の続きしてて…気付いたら隣にあったカッターで…それで急に怖くなって部屋の中真っ暗にして…」由紀の声は震えていた。「まだ、お風呂入ってないよね?今
えり さん作 [539] -
依存?
聡と別れ、ひとりになった後、由紀はひどい嫌悪感に襲われていた。「また会ってしまった…」ふたりで居るときは全くない感情。むしろ、こんな時間がもう少し続けばいいのに…と思える時もある。「何だか気持ち悪い…」数分前に触れた自分の腕が許せなかった。ただただ気持ち悪いという感情だけが膨らんでいった。「お疲れ様です!」夕方5時頃事務所に着くと、聡は既に居た。所属している営業所は違うのだが、今日はたまたま用事
えり さん作 [442] -
依存?
「…そんな感じかな。」「そっか。そんな事があったんだ…でも、解決してよかったね!」トラブルが解決した事を自分の事のように喜んでくれる由紀を見て、聡はもう一度キスをした。「はい!ここまでね!!」由紀は小さい子供をなだめるように、再びのびてきた腕を押さえた。「やっぱりダメだったか…じゃあ今日は諦める…」少し淋しそうな顔を見せたが、再び仕事の話に戻った。由紀は嬉しかった。奥さんには出来ない話を私だけに
えり さん作 [464] -
依存?
真っ暗な部屋の中で、パソコンの画面だけが静かに光を放っていた。「ただいま…由紀、帰ってるの…?」駐車場には由紀の車が止まっていたのに、なんで真っ暗なんだ…?「由紀…?」ん?…「由紀!?」「なんだか、久しぶりだね。」「そうかもな…最近ちょっとトラブルもあって慌ただしかったからな…」「そうなの…」言葉を返した瞬間、聡は由紀に軽くキスをした。「だから、お詫びに今日はいっぱい愛してあげる!」聡の指先が近
えり さん作 [487] -
依存?
「ただいま…」夜11時をまわった頃、疲れた顔で拓海が帰ってきた。「おかえりなさい。今日もお疲れ様でした。」優しく微笑む由紀に、拓海はいつも癒され、そんな由紀をとても愛しく思っていた。更に驚いた事に、テーブルの上には晩御飯まで用意されていた。普通の家庭なら当たり前の光景かもしれないが…「これ、由紀が作ってくれたの…?」テーブルの上には、シチューとくるみパン、それからいかにも女の子が作ったと感じのす
えり さん作 [493] -
依存?
「今日、会えるかな?」由紀は、シンプルに一行だけメールした。なかなか返事がこない。といっても送信してから、まだ二分もたっていないのだが…待っている時間は長く感じるもので、遅い返事に今日は無理なのかな…と半分諦めていた。結局、予想通り?の返信があったのは一時間後の事だった。「ごめん!今日は夕方から打ち合わせ。また連絡するよ。」「わかった。お仕事頑張ってね!」シンプルなメールのやりとりが終わった後、
えり さん作 [654]