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花神ミライ さんの投稿された作品が152件見つかりました。

 
  • もしも明日が2-9

    「藤阪、早稲田は来るのか?」火葉が聞いた。若菜は高い木の上に腰掛け遠くを見たまま答える。「わからないわ。でも、来るんじゃないかしら。彼はそういう人よ。」火葉は夜空を見上げた。三日月が青白く輝いている。この分なら月明かりは期待しない方がいいかも知れない。「…来たわ。」若菜が静かに言った。彼女の見つめる闇を火葉も一緒になって見つめる。すると漆黒の中からライフルと小銃を装備した早稲田が現れた。「…若菜
    花神ミライ さん作 [256]
  • もしも明日が2-8

    風の強い屋上。ギィと音をたてて屋上のドアが開いた。早稲田が振り返るとそこには見慣れた姿があった。「若菜…」「早稲田、来たくないなら来なくていいわ。アナタの『眼』があれば安心だけど危ないことだし、それはやっぱり強要出来ないもの。けどもし、私に力を貸してくれるなら、金曜の深夜、公園前に集合よ。」じゃあね、と一度微笑むと若菜は屋上を出ていった。「んだよ…要するに来いってことじゃねぇか。」ぼやく早稲田の
    花神ミライ さん作 [308]
  • もしも明日が2-7

    火葉を追い出した後、若菜は早く動く心臓を抑えるように胸を押さえた。まさか、写真のことを問われるとは予想外だったのだ。「まだ私も…立ち直れてない……」写真を胸に溢れる涙を止められない。彼らの前で平静を装うことは出来ても一人になると弱かった。「緋狩《ひかる》…っ」彼女にとって少年の存在は大きかった。未だ消えることのない後悔と無力感と空白が小さな嗚咽と共に涙となって溢れた。本鈴を告げるチャイムが鳴り響
    花神ミライ さん作 [241]
  • もしも明日が2-6

    「…やっぱり、早稲田なしじゃちょっとキツいかも知れないわ。」若菜が言った。「火葉くんに使えるのはその高い戦闘能力だけなのよね?ならやはり早稲田の『眼』がないと不利かもしれないわ。」「藤阪は?」「私?私は『音』よ。聴力なんて、聞こうと思えばこの距離にいる火葉くんの心音だって聞けちゃうんだから。」若菜が誇らしそうに胸を張る。「相手の心音から位置を割り出すことは?」「出来るわ。でも、特定には至らない。
    花神ミライ さん作 [247]
  • もしも明日が2-5

    コンコン…控え目なノックの音。「開いてるわよー」軽く言ってやるとカラカラとドアが開かれた。「あら、火葉くん。もう『お仕事』なの?」若菜には誰が訪ねて来たのかはわかっていた。「あ、ああ。」「そう、獲物は?」「こいつだよ。」資料を見せると若菜は顔をしかめた。「まるでカメレオンね。厄介だわ。」はぁ、と溜め息をついたあと若菜は今度は何やら思案顔になりぶつぶつ言い始めた。若菜が何か案を考える間、火葉はぐる
    花神ミライ さん作 [223]
  • もしも明日が

    火葉が一人どんよりしながら教室に戻ると白井が駆け寄ってきた。「手塚!大丈夫か?」「ああ。」「早稲田はさ、異能力者なんだ。だから藤阪と同じようにクラスじゃ浮いてるしあいつ自身も俺達と関わろうとしないんだ。」それは、『異能力者だから』なのだろうか。「……そっか。」「ああ。だから…」「悪い。ちょっと電話きてるわ。」グッドなタイミングでかかってきた着信。ディスプレイを確認して通話ボタンを押す。「佐倉か。
    花神ミライ さん作 [306]
  • もしも私が2-3

    資料室から現れた彼女に招かれた火葉は今、彼女から事情聴取を受けていた。「なるほど、この怪我について怒って彼に喧嘩売ったって訳ね。」ちょん、と人差し指で指すのは頬についた絆創膏。三日前の戦いでかすった時につけられたものだった。「質問ー。」「はい、手塚火葉くん。」「俺、まだ君の名前を聞いてないんだけど。」「あぁ、忘れてたわ。」本当に忘れていたのだろう。しかし彼女の態度には反省の色が全く見られない。「
    花神ミライ さん作 [234]
  • もしも明日が2-2

    連れて来られたのは資料室の前。「早稲田…だっけ?俺に何か…「ふざけてんじゃねぇぞ。」突然胸ぐらを掴まれ息に詰まる。「調子乗ってんじゃねぇぞ『IC』。」「何を…」『IC』を知っている辺り、彼も異能力者なのだろうか。「惚けんな。若菜の顔に傷つけやがってっ!」胸ぐらを掴む手に更に力が加えられ、正直苦しい。「は…?」彼の言っていることが理解できない。火葉は『若菜』など知らないし、増して女の子(だと思う)
    花神ミライ さん作 [235]
  • もしも明日が2-1

    「おはよう手塚。」「ああ白井。おはよさん。」火葉が秋津高校にやってきて三日。新しい生活にも割りと慣れ始めたと思う。あの夜から杠とかいう少女には会っていない。杠というのが本名かすら分からない為当然といえば当然なのだが。「(まだ三日しかたってないしな。)」「手塚。」「ん?」呼ばれて白井の顔を見る。「(うしろ。)」口パクで後ろを見ろと促してくる白井に疑問を持ちながら振り返る。そこには見知らぬ(クラスメ
    花神ミライ さん作 [246]
  • もしも明日が1-6

    朝、今日は遅刻せずに登校した火葉に前の席に座っていた白井が話しかけてきた。白井は昨日質問攻めにしてきた中で割りと好感の持てる生徒であったと思う。「手塚、聞いたか?杉山先生がいきなり退職したって…」「杉山?」「ああそうか手塚はまだ知らないんだよな…」そう言って白井が杉山について話している間、火葉は全く別のことを考えていた。「(杉山って確か昨日捕まえた違法異能力者だよな…教師だったのか)」白井の話を
    花神ミライ さん作 [344]
 
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