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アンネリダさんの投稿された作品が123件見つかりました。
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満たし月
暗闇のベールに針で穴を開けたように満たし月が途切れることのない閃光で私の輪郭を静かに地に落とす 艶やかさを失くし茂った樹々の陰に入ると夜半の太陽は私の影を濃闇に溶かした 私は標を失ったようによろめき 蠢き見えない明日に動悸を覚え掴みどころのないベールを風が吹き 捲れるのを待つだけだった… 煌け…今夜の満たし月のように陽が高く昇るのを待つのではなく自分の手で濃闇(ベール)を捲ろう 身体に
となりのトトりん さん作 [441] -
アルカロイド
屑を纏い身を捩じらせ 胸を掻きむしる 隙間から覗く曖昧な展示品(おもちゃ)は狂おしく…苦おしく…切々と願う君の手首 神に祈る両手は美しく艶やかに交錯している 冷たい風に捲き上げられた砂塵の声と 打たれる葉の悶えそして淡い血色の僕の中 打ち寄せる砂と幾億のモルモット 私を静かにさせるアルカロイドの結晶苦く…甘く…切なく… 広げる煉瓦の砂と幾億の奴隷達 私を高揚させる奇形の恋 具眼も持ち合わせて
となりのトトりん さん作 [518] -
待宵草の色彩
祈る声は拙くて 淡く霞がかった 白と 私の空は切なくて 壁の向こう側の 色彩が羨ましく感じた そこには憤りと呼応する呻きが犇めき合う埋樹に種を蒔く 羽をがれた蟲 種は幾つもの色彩を発し煌いてみせる 夏の空気は色とりどり変化して また屑宵を時煌つつ待ち続ける 陽が昇り朝が来れば 私の美は削がれてしまう そっと 遠くへ 宵の中の埋樹に咲く待宵草の色彩が
となりのトトりん さん作 [496] -
隠恋慕(かくれんぼう)
髪を持たない花に少しだけ 恋を愛情を注ごうと そっと奥に眠る匣(はこ)を開けた パイプオルガンの鍵盤のように軽くギザギザで 狂めいた葉の揺れはミルクを流した 花は陰を歩き 私から逃げようとする 花と私の隠連坊… 午前零時の鐘は巻きついた鎖を解くように 耳の奥で静かに木霊した 持つ事を知らなかった恋恋情(こいれんじょう) 朱と緑の幕が風で揺れる それは穏やかに揺れる
となりのトトりん さん作 [464] -
寂しがり屋の貴女のために
私が貴女を殺してあげる いつも美しくありたがっていた貴女を…私が最も美しく綺麗なままの貴女を殺してホルマリン漬けにしてあげるから貴女は言っていましたね 「きっと歳をとったらお互い忘れてしまうのだろうね」 私は年老いても貴女を忘れないよホルマリン漬けの貴女を眺めながらいつも思い出してあげる いつも私がすぐそばにいてあげる歪んでしまった愛の形だとしても罪の意識にどれだけ苛まれたとしてもたとえ「生きる
となりのトトりん さん作 [469] -
いつの日か家族でまた家族になれますように
母はいつでも貴方のことを想っています。 天国でいつか一緒に手をつなぐ時二人はまた結ばれるのですね。 その時は神様、どうか迷わぬように二人を逢わせてください。 廊下にある父の遺影を見れないとき、私は一生懸命がんばってますか? 今の自分を創ったのは昔の私だから嘆いてはいけないですね。 今を生きるから嘘をついてはいけないですね。 自分が本当に生きているかどうか自分に嘘はつけないです
となりのトトりん さん作 [433] -
この風に乗って
空は憂鬱そうに広がり、海に出た頃には雨になった。島へと渡る船は少しずつ、その速度を増した。島と港の中間になると灰にも似た父の骨を海へ向かい撒いた。亡くなってすぐに散骨できるわけもなく季節は冬から初夏へと移り変わっていた骨は一種、煙のように宙を舞い飛んでいく船のスクリューに作られた白い波は、その粉を次々と飲み込み最後には花束も海の中へ引き込んだ 『定年になったら、二人でゆっくりと世界を周ろう』珈琲
となりのトトりん さん作 [457] -
猫
そんなに重い荷物を背負ってどこ行くの?「海の底」ザブンと落ちてくるくる回った 気が狂った小さなマネキンに追い回されて眠るベットの上 疲れた僕と笑うマネキンある時 僕はあばらの折れた臭い猫 愛しさだけじゃ生きられないの…耳をちょこちょこ動かして 『私を愛して』 『大切にして』 そんなに重い荷物を背負ってどこ行くの? 「海の底」ザブンと沈んで苦しいよ10時5分になったから もう起きなきゃザブンと落ち
となりのトトりん さん作 [444] -
永遠に結ばれるように
貴方を殺めて私も死のう永遠に二人 結ばれるように… この世界が輪廻の鎖に繋がれているのなら生まれ変わっても来世で逢いたい あの丘に建つ小さな白い小屋でずっと待っているから たとえ 老いてもボロボロの布を纏っても 貴方を待ち続けます貴方を殺めて私も死のう永遠に二人 結ばれるように…この世界で結ばれるのならいつの日か離れなくなることを信じて 死が二人を別ちても終末の音が鳴り響いても 天の御国があるの
となりのトトりん さん作 [427] -
if
子供がぬいぐるみに飽きて要らなくなるように必ず貴女も私が要らなくなるから必要だなんて言わないで… いつか捨ててしまうモノなら今すぐ捨ててよ私が自分で歩けるのなら居なくなりたいけど鎖が絡むように何もできないんだだからもしできるなら今すぐ私を離して… そのうち私は古くなって首が千切れて綿が出てしまうよそうなったら誰も 私を必要としてくれなくなるでしょ?それだと私は独りになるから…だから貴女が本当に私
となりのトトりん さん作 [451]