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じゅりあ さんの投稿された作品が208件見つかりました。
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もう恋はしない?
ガチャッ。ドアの開く音と同時に水嶋君がこちらを見た。何で家の前に?疑問はありながも、いざ本人を目の前にすると、言葉がすんなり出てこない。「あっ…」言い掛けた所で水嶋君が切り出した。「突然、訪ねて来たりしてゴメン」私は、ふるふると首を横に振った。「どうしても気になってさ」水嶋君の茶色い髪が揺れる。「俺、水城ちゃんに何かしちゃったんじゃないかと思って」待って…何か誤解してる??「何かって、な、何で?
じゅりあ さん作 [564] -
もう恋はしない?
当然、感の鋭い阿部やんは変に思ったのだろう。「今日、電話待ってるで」と、楽しげに言った。やっぱりか……ガクッ。『恋やな』電話越しに阿部やんが言うもんだから、赤い頬が更に熱くなる。「そんな、イキナリなっ!」あ、何か食べてんな、阿部やん。おそらくポテトチップか何かだろう。向こうでパリパリ言ってる。『珍しい事とちゃうやん。水城は今までそんな事言われた免疫がないから、初めて言われて一瞬にして恋に落ちた訳
じゅりあ さん作 [550] -
もう恋はしない?
「あ、ごめ…。笑いすぎちゃった」水嶋君は、黙って目を逸らさないでいる。「?」(何か、可笑しいかな?)自分の髪や頬を触ってみるけど特に変わった事はない。「水城ちゃん」「はい?」「水城ちゃんって、笑うとすっげぇ可愛い」は?「ななな、何言ってんの!?」真顔で言われて私の顔は沸騰したやかんの様な熱を持つ。(うわっ、やだ!絶対赤い)「ぶ、部活戻らないと!」その場にいても立ってもいられなくなった私は、赤くな
じゅりあ さん作 [569] -
もう恋はしない?
昼休み。私と阿部やんは裏庭の木陰の下にいた。「やっぱな〜。そうやないかと思っとってん!」苺ポッキーを加え、腕組みした状態で頷く阿部やん。「やっぱって、何で阿部やん知ってんの!?」「んなもん、あの娘見てたらわかるやん」私が首を傾げると無理矢理苺ポッキーを突っ込んでくる。「まぁ、私はええで」そう言って黒いロングヘアーをかきあげた。「何が?」「親友(あんた)がレズでも」「…はい?」「可愛らしい子やしな
じゅりあ さん作 [928] -
もう恋はしない?
休憩時間になると、ヘッドフォン少年、水嶋君の周りには人だかりが出来ていた。「皆、珍しもん好きやな〜」阿部やんがぼやく。あ、水嶋君と目が合った。手を振ってこっちに駆け寄ってくる。「昨日はどーも☆」いやいや、と首を横に振る。「まさか同じクラスとはね!」「ほんとにね(笑)」彼が手を差し伸べてくる。「改めてヨロシクね!水城ちゃん♪」み…ミズキチャン?(汗)珍しい呼び方されてびっくり。握手しようとした手が
じゅりあ さん作 [685] -
もう恋はしない?
一時間目が始まろうとする直前、担任の西岡が教室に入って来た。「何や、今日は早いな〜」隣の席で阿部やんがこそっと話し掛けてくる。「え〜、今日は転入生を紹介します〜」…転入生?その言葉を聞いて、昨日の少年を思い出していた。(へぇ、こんな時期なのに転校してくる人、結構いてるんだ)オバチャン先生、西岡が独特のしゃべり方で転入生とやらを教室に誘導している。「!?」入ってきた、彼を見てハッとした。「どうも、
じゅりあ さん作 [689] -
もう恋はしない?
「どうしたん?顔色悪いで。ファンに追っかけ回されたか?」登校して、真っ先に顔を合わせた阿部やん、こと阿部 沙野子に指摘されて首を横に振った。阿部やんとは、高校入ってからの付き合い。結構美人なクセしてサバサバした性格で、何より他の女子みたいに媚びたりしない。だから唯一の親友って所だ。そんな阿部やんの顔が急激に近づいて来る。「違うならなんや?」「いや、別に…」親友だからってさすがに言えないよ、伊原の
じゅりあ さん作 [652] -
もう恋はしない?
「いや〜助かりました。有難うございます☆」頭を掻きながら彼は言う。「で、何であんなとこにいたの?」「道に迷っちゃって☆」…迷ったってどうやったら木の枝に引っ掛かれるんだろ…。変な人。ま、いいけど。「次からは気を付けて…じゃ…」軽く会釈して立ち去ろうとしたその時、「待って!!」でっかい声で呼び止められた。「その制服、大和第三高校の制服っすよね?」三メートルほど離れた所で、それが何か?と言う表情を浮
じゅりあ さん作 [768]