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じゅりあ さんの投稿された作品が208件見つかりました。
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たれまに〜Anniversary〜(11)
「とにかく!そんなんダメだからっ」靴に履き替えると、松本に背を向けた。ザァーッ…やり取りしてる間に結構降って来ちゃったよ!透明ガラスの向こうを見つめてあんぐり…。だって傘持って来てない。そんな私に感付いたのか後ろから近づく影。「ほいっ!」松本はビニール傘を私の背中に押しつけた。「え!?い、いーよ」明らか使えって言ってるんだけど…「松本が濡れるじゃん」私は逆に押し返した。けど、「いーからっ」そう言
じゅりあ さん作 [317] -
たれまに〜Anniversary〜(10)
プルルルル…その場ですぐにかけ直せなかったから、放課後になってからかけた。「もしもし!?」―ただ今、電話に出る事が出来ません。発信音の後に…アナウンスが流れて電源ボタンを押す。(…出ない。完璧、すれ違いだ…)肩を落とすと窓の外に目をやる。(やっぱ先、帰ったのかな…?)外は薄暗くて雨が降り始めていた。強く降らないうちに帰ろうと教室を後にしたら、靴箱の前で知っている顔に出くわした。「何やってんの?そ
じゅりあ さん作 [215] -
たれまに〜Anniversary〜(9)
「あれから誰かにバカにされねぇように変わったつもりだ。今のおれならおまえの事も守ってやれると思う」そう言うと座り込んでいた私を抱き締めた。「ちょっ…!!」離れようとする私を更に強く抱き締めると、「おれなら泣かせねぇ…」そっと呟いた。そんな事言われたら、抵抗出来ないじゃん…。「せ…せこ」やっと口に出来たのがこの言葉。「今、私弱いんだって…そゆ事ゆー…?」力の入った腕が少し緩くなって、「んなもん、知
じゅりあ さん作 [232] -
たれまに〜Anniversary〜(6)
「わかった!も…いいっ!!」声を張り上げた私は一方的に電話を切った。そして―夜は明ける。あの後再び携帯が鳴る事はなくて、私は重たい瞼を隠すように登校した。「うわっ!!ひでー顔!」そう言ったのは松本 充。「うるさいなぁっ」よりによって見られた!ってか何で朝からうちの教室に??「何でいんの?とか思ってんな?」ぐ…。顔に出てた??「彩に会いに来た訳じゃねーぞ?残念!」松本がニッと笑う。「べ、別にっ!残
じゅりあ さん作 [190] -
たれまに〜Anniversary〜(5)
『お前、何で電話して来ないの?』あ、あら…ちょっとお怒り?「だって…」『まさか、あの問題…未だに解けてないのか?』う…。「うん…」小さな声で頷く私。『まったくお前は…』ため息混じり和也。けどすぐに優しいトーンになる。『俺がいないとホントにダメだな』「そーだよ。和也いないと解けるもんも解けないよっ」嘆いたフリをする私に、『じゃあ又、そっち行くから』って言ってくれた。最近あんまり構って貰えてなかった
じゅりあ さん作 [184] -
たれまに〜Anniversary〜(4)
『何か、昔のアンタを思いだすわね』一ヵ月ぶりくらいに、まこっちゃんと電話。今日の出来事を話した。中学入ってすぐ和也に一目惚れして、気合い入れて告白した。その時に、彼女いるしって断られたんだ。んで、『じゃあ別れて下さい!』って言っちゃったんだよね。どうしても付き合って欲しくて必死だったな。あの頃は若かった(笑)…デジャヴ感じたのはそのせいかぁ。「でも…、じゃあ別れてってよく考えたら無理な話だよね(
じゅりあ さん作 [213] -
たれまに〜Anniversary〜(3)
―翌日―「おれと付き合って!」きゃー!告白!?目の前にいるのはもちろん和也ではない。顔は知ってるけど名前までは知らない、クラスの男子とよくつるんでるのを見かけるだけ。まさかとは思ってたけど本当に告白だとは!嬉しいけど、何か軽そうな感じだし、好きなタイプではないな。それよりなにより…「私、彼氏がいるんだ。だから…」「じゃ、別れて?」…は?何だかデジャヴ。「いやいや、無理だし」目の前の彼は首の後ろを
じゅりあ さん作 [211] -
たれまに〜Anniversary〜(2)
あぁ、遊びに行きたい。(最近、まこっちゃんとも会ってないしな〜)まこっちゃんと言うのは私の中学からの友達。高校は離れてしまったけど。(あの頃は良かったなぁ…。和也も今みたいに厳しくなかったし)……気付いたら眠ってた。「ああっ!!」問題用紙にヨダレがー!!慌ててパタパタ乾かす。何て事なの?(涙)PM11時過ぎ。結構長い時間寝てた。皆ご飯食べちゃったんだろなぁ。にいやんの部屋でさえ電気消えてるし。和
じゅりあ さん作 [205] -
たれまに〜Anniversary〜(1)
持田彩、16歳。大和第三高校一年です☆今年で付き合って3年目になる一個上の彼の名は、真鍋和也。タレ目にハスキーボイスが特徴!もうじきそんな私達の記念日が近づいてる訳だけど…。「違う!そこはそうじゃないだろ!?」問題用紙と睨めっこしている私に怒鳴りつける和也。多分、忘れてる…。記念日の「き」の字すら覚えてないんじゃなかろうか…。「もーやだっ!」投げ出す私。「やだじゃねーよ!誰の為に教えに来てやって
じゅりあ さん作 [236] -
この愛の結末10
「はい、これ」昼休憩、食後に三浦さんから紙袋に入ったそれを受け取った。少し覗くと洋服らしき物が見えて…「わ、見てもいいですか?」「どうぞ。気に入ると良いけど…」中身を手に取り広げてみた。「…可愛いっ!」花柄のワンピースだ。「妹が着てた物だけど良かったらどうぞ」「え!良いんですかぁ?」「うん」「ありがとうございます♪妹さんにもよろしく伝えて下さい!」三浦さんは少し間を空けて、こくん、と頷いた。どー
じゅりあ さん作 [258]