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紗弥佳 さんの投稿された作品が53件見つかりました。
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角砂糖が溶けていくように ????
私は帰り支度をしながらみずきに答えた。「うん。兄から伝言を頼まれててね。」みずきは、私が自分と同じ様な境遇になっていると思っていたらしい。「お兄さんからの伝言…か。藍田さんって色々な人が放っておかないのね。」みずきは天井に向けて大きくため息をついた。「翔もね、藍田さんが放っておけないんだって。ひとりにしておけないんだって。私だって翔において行かれたくないのに。わけわかんない。」みずきはそう言いな
紗弥佳 さん作 [347] -
角砂糖が溶けていくように ????
教室までの帰り道の階段、一段とばしで駆け上がって来た時は時間を感じなかったけれども、2年生の教室の並ぶ二階から三階、四階と登って屋上階までは意外に時間がかかることに気が付いた。あなたのクラスがある西側の端と私のクラスがある東側の端は、近いようで遠い。西側の端、2つの教室は高校から入学してきた生徒だけしか居ないから、同じ階だけれど近くて遠い場所。時間はいろいろな形で仕切られたり、流れていったりする
紗弥佳 さん作 [381] -
角砂糖が溶けていくように ???
「藍田さん…ね。今日は来てたけど、また屋上か図書室にいるか…かな。」「ありがとう。」あなたのクラスの人が同情したような表情をして教えてくれた。あなたを訪ねてくるのは自分の彼氏があなたに夢中になってしまった女の子ばかりだったから。放課後、あなたはどこかで本を読んでいるか、もう学校には居ないか。暑さが和らいで人々を活気付けたり、怠惰にさせるような夏の金色の日差しも少しずつセピア色に褪せ始めていた。「
紗弥佳 さん作 [369] -
名前負け。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる私にこの歌から「さやか」という音をとって「紗弥佳」と母が名付けてくれた。紗(薄絹)のように繊細で美しく弥(いや)が上に(ますます。より一層。)佳人のように綺麗で賢い女性に…という漢字にも願いが込められている。しかし、私は薄絹みたいに美しくない。佳人のように賢い上に綺麗な女性でもない。母は私に母を超える事を求めた。テストは満点を取らなければ微笑ん
紗弥佳 さん作 [448] -
角砂糖が溶けていくように???
食堂の食器返却口に食器をひとつひとつ返しながら考え事をしていたらスプーンを落としてしまった。やっぱり、友達が何を言おうと私はあなたと話してみようと決めた。あなたがよく居ると言われている図書室や屋上、そこに行ったからってあなたに会える訳ではない。日数が足りる態度に登校しているあなたの出欠を聞くにはあなたのクラスまでいかないと分からない。私や友達は小学校や中学校からずっとこの学校に通っていて、高校か
紗弥佳 さん作 [448] -
角砂糖が溶けていくように???
いつものお昼休み、いつもの友達と食堂でお昼ご飯。「お兄さんの頼みでも藍田さんと話すのはどうかな?大丈夫?」「みずきも翔くんの事で話に言ったら、相当やられて帰ってきたみたいだし。」「ほかの子もそうだよ。自分の彼氏が知らない間に藍田さんと会ってたとかで…結局別れたみたいだし。」「藍田さんには谷川くんっていういい彼氏が居るはずなのにね。」あなたが気のある素振りを見せた男の子たちは、みんなあなたの虜にな
紗弥佳 さん作 [370] -
Cube sugar report extra edition〜角砂糖通信・番外編〜
皆様、ごきげんよう♪紗弥佳です(^-^)昨夜、急に思い付きでPCの中か10代の頃に書き散らしていた詩を拾って投稿する、という暴挙にでました。読み返してみると、…10代だなぁと、今よりも遥かに青いなぁと。とがってたなぁと。色々な思いが交錯致しましたが、あの頃の私が描いたお話は未完成のものばかりなので詩だけでもどなたかにお読みいただければ、あの頃の私も喜ぶのではないかと思い投稿させていただきました。
紗弥佳 さん作 [387] -
シルエット(紗弥佳17歳ころの詩)
浮かんでは消えていくなんだろうそれは小さい頃の夢みたいううんもっと違う感じ消えてしまいそうなもの何か曖昧なものでも綺麗かもの忘れたくないものほど忘れてしまうあの花はどこに咲いていたっけ枯れてしまった事に気がつけない自分が居る一瞬のこと少し我慢すれば通り去っていってくれるからそこにいるのは君だった手をさしのべているのは君だった気づかない振りして通り過ぎている私がいた闇に吸い込まれていく夜に堕ちてい
紗弥佳 さん作 [326] -
無題(紗弥佳17歳の時の詩)
どうして黙っているの立ち止まって動かないまま闇に染まった空ばかり眺めているねどうして振り向いてくれないの視線は空を仰いだまま何を見ているのかさえ教えてくれないねぽつりと呟くきみがみたものきみがきいたものいつもそうひっそりと秘密でも言うみたいになんにもないねきみがそう言ったぼくが頷いたなにもないよぼくが言ったきみは頷いたそう何もないよこの空には星が見かけ倒しに綺麗に輝くけれどね夢を見ていられないこ
紗弥佳 さん作 [319] -
無題 (紗弥佳・19歳の詩)
煙とじゃれあう午前四時蒼く白く朝と夜の間に漂う紅の水が喉を潤す約束は無い唯君を想う私の一人芝居彷徨うほどに堕ちていくそうやって繰り返して近づいてみたり突き放してみたり何が欲しい何もいらない何が分かる何も分からない知ったかぶり可愛いものね哀しくていとおしい戯れだもの君が欲しいわけではなく君が分かるわけではなく君の影に抱かれていたいだけ影に焦がれているだけ
紗弥佳 さん作 [317]