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あこん さんの投稿された作品が101件見つかりました。

 
  • 危険からの逃れ方4(完?)

    やべぇ、マジやべぇ!体を揺らしながら由良先輩は俺に近付いてくる。「かーたーぎーりー、なんで、逃げんの?」最後はちょっと寂しそうに言う。「おねーさん傷ついちゃうぞ?」うぐ、可愛い。だが、ここでフラフラと近付いてみろ。まずワンツーは確実に食らう。下手すると階段下へボディスラムされるかもしれん。「…く」なんとか由良先輩から視線を外す。「ねぇねぇ片桐。ちょっとおいでってば」ゆっくりと、由良先輩が近付いて
    あこん さん作 [261]
  • 危険からの逃れ方3

    階段で出会うのが一番危険な気がする。まず逃げ場がない。そして足場が悪い。詰んだ、という奴だろう。「うっふっふっふ」あ、詰んだ。「ぎゃー!?」ちょうど上から降りてきた由良先輩と鉢合わせしてしまった。「なんかここまでやって中途半端なのも良くないと思ってさ、すごい捜しちゃったわよあたし」ぽんぽんと軽快に階段を降りる由良先輩に、俺はくるりと背を向けて階段を飛んで降りる。危ないから真似すんな。靭帯切れたり
    あこん さん作 [253]
  • 危険からの逃れ方2

    とにかく逃げる。新学期の朝だろうと関係無く廊下を走る。後ろを振り返れば由良先輩はゆっくりとした足取りで追って来る。なんで離せないのか意味が分からん。未来から来たTか、あんたは。「はっはっは、どこへ行こうと言うのかね」由良先輩が何やらのたまっているが気にはしていられない。なんとか自分の教室に辿り着いて扉を開こうとする。が、立て付けが悪いのか開いてくれない。「開いてーー!」悲痛な感じで叫んだら開いた
    あこん さん作 [220]
  • 危険からの逃れ方

    俺の名は片桐篤。突然ではあるがピンチである。「ゆ、由良先輩、待って!話し合おう!ってかなんでいきなり機嫌悪いんですか!」夏休みが明けて、学校に来てみたなら、本当に突然に、宇崎由良という一年上の先輩にど突かれた。最近はおとなしかったと言うのに。むしろ、なんか珍しくしおらしかったのに。「別に、これは八つ当たりな訳じゃないのよ」由良先輩はそれはそれは端正な顔を凶悪に歪めてみせる。可愛らしい造りのせいで
    あこん さん作 [338]
  • らぶふぁんとむ20.9

    恵一は椅子に座って十九、いや二十年前のノートを眺めていた。(そうか、もう二十年になるんだな。)彼女が訪れてから去るまで、去ってから今まで。どちらも濃くて充実した日々だと恵一は思う。ノートをしまって引き出しに鍵をかけた。「あ、恵一さん。」七月には二十歳になる珠美は、家にいる間は一生懸命料理の勉強をしている。三年前の恵一の発言を真にうけているらしい。つまり、料理が出来るようになったら結婚する。明言は
    あこん さん作 [289]
  • らぶふぁんとむ20.8

    インターホンが来客を告げる。「はいはい、と。」恵一が扉を開けると、そこには十五年前の亡霊がいた。「え…珠…。」「覚えてた!?」違った。彼女ではなかった。そこにいたのは、似ても似つかない、少女だった。「お久し振りです、恵一さん。」頭を下げた少女を、恵一はどこかで見ている気がした。「…お前珠美か!?」「遅いよ、恵一さん。」最後に会ったのは小学校卒業の頃か。それ以降は忙しくて帰郷もできなかった。「全然
    あこん さん作 [210]
  • らぶふぁんとむ20.7

    土曜の夜、仕事帰りの恵一の携帯が着信を報せる。「はい?」『あ、恵一?』「母さんか、なんだ?」『あんた明日休みよね?帰ってきなさい。』有無を言わせず、母は恵一に言った。日曜の朝。恵一は半眼で実家の前に立っていた。「あらお帰り。」「…折角の休みだってのに。」「いいじゃない、車ですぐだもの。」文句を言いながら恵一は家に上がる。「それに、今日あなたを呼んだのは私ではなくて。」「私だよ、お兄ちゃん。」台所
    あこん さん作 [202]
  • らぶふぁんとむ20.6

    『恵一ー、飲み会行かないのー?』電話の相手は孝太。大学仲間との飲みに誘われていたのだが、今日だけは無理だった。「すまん、今年の今日だけは。」四月の始め。珠美の小学校の入学式だ。「恵一、あんたに関係無いでしょう珠美ちゃんの入学式は。」母が呆れた目で恵一を見る。「そうもいかないだろ、ご馳走作る、て約束しちゃったんだから。」言いながら恵一は冷蔵庫を開ける。「どんだけだこの家は。なんで中年が二人住んでる
    あこん さん作 [208]
  • らぶふぁんとむ20.5

    「…暇だ。」恵一は大学の構内で呟く。もう五年も経っており、彼女の事は多少吹っ切れていた。それでも指輪は外さないが。「まぁ夏休みで講義も無いしね。」隣りを歩いていた孝太が言う。「そうなんだよ、しかもバイトも暫く入ってないし、暇でしょうがない。先輩から誘いとかないか、孝太?」「ないねー。そうだ、こういう時は里帰りでもしたら?」「…んー、ちょくちょく帰ってるからな、最近は。」「じゃあどうする?」「ん、
    あこん さん作 [340]
  • らぶふぁんとむ20.4

    朝の十時過ぎ、恵一は隣りの家の前にいた。久し振りな事もあって緊張するが、恵一は意を決してインターホンを鳴らす。『あ、恵ちゃん!?』そんな呼び方をするのは旧姓坂下牧江の他にはいない。「…わかる?久し振り。」『今出るねー。』出てきた牧江は、恵一の記憶よりも綺麗になっていて、言うならば大人になっていた。「いらっしゃい恵ちゃん。」「うん、久し振り、牧江姉ちゃん。」牧江の両親への挨拶も程々に、ソファに落ち
    あこん さん作 [209]
 
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