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あこん さんの投稿された作品が101件見つかりました。
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暇の潰し方11
残された紙には『はずれ』の他に、ヒントのようなものが書かれていた。日下部佳奈理が隠した、俺の和菓子詰め合わせの場所。そのヒントだ。『案外と近く』最初に貰った『普段見ない場所』というヒントと組み合わせて特定出来ないものかと考えるが、漠然としている。「これは、しらみつぶしにやってくしかないか。」「…そうね。」横から俺の手中の紙を覗き見ていた高崎美玖が頷く。その後、ゴミ箱の底だとか屋根裏だとか、とにか
あこん さん作 [244] -
暇の潰し方10
俺の和菓子を日下部佳奈理の魔の手から取り戻すべく、隠し場所のヒント『普段は見ない場所』の解読に挑む笠木広人と高崎美玖であった。「考えるフリして遠い目してるんじゃないわよ。」和菓子は元々俺の物、それを隠したのは日下部、全く関係ないのにこの暇潰しに参加するミク。そうか、俺からあんぱんを奪った罪滅ぼしなんだな?「ふふふ、宝探しなんて何年ぶりかしら。」いや、単に楽しんでるだけぽい。「で、ヒロ。わかった?
あこん さん作 [295] -
暇の潰し方9
「お前、律義だな。」放課後の教室、俺と高崎美玖は適当な机に腰掛けていた。「そりゃ、カナちゃんとはそれなりに仲いいし、遊んだこともなかったし。」日下部佳奈理の暇潰しに付き合わされるということは、大多数の人間に変人と認識されることだ。廊下のタイルの枚数を数えてたり、学校中の画鋲の総数を数える人間がいたら俺だってそう思う。「…ミク、お前は今修羅の道の寸前にいる。まだ帰れるぞ、引き返せ。」「…何?その私
あこん さん作 [248] -
暇の潰し方8
俺、笠木広人は退屈していた。高校に入って半月ほど経った頃だ。最初は慣れない環境だったのでそれなりに新鮮だったが、いつしか思っていた。同じ日々の繰り返しだ、と。そんなとき、日下部佳奈理が俺に話しかけてきたのだ。「ちなみにあの時は生クリームイチゴパンを食っててな、それがうまいのなんの。」「脱線してんじゃないわよ。」机を挟んで向い側に座る幼馴染、高崎美玖があんぱんをかじりながら半眼になる。「って!俺の
あこん さん作 [311] -
暇の潰し方7
新聞部ですがいいですか?「新聞部が、私に何の用なの?」笠木広人くんの幼馴染で、日下部佳奈理さんの友人、高崎美玖さんですよね?「ええ、間違いないわ。」あの二人について取材をしたいのですが。「いや、クラスの新聞を作るわけじゃないのになんであの二人を?」ないんですよ、ネタが。「は、はぁ。」先月末くらいからですか、あのお二人がよく一緒に行動するようになったのは。「よく知ってますね。」校内であの二人の奇行
あこん さん作 [334] -
暇の潰し方6
ある日の昼休み。私は窓際の席で外の景色を見ていた。今日の放課後は何をして時間を潰そう。毎日、そんなことを考えている。最近は外にばかり出ていたから久々に学校内で暇を潰すのもいいかもしれない。窓の外から子供の声が聞こえた。小学校は午前授業だったのだろうか。「今日なにするー?」「かくれんぼー!」びびっときた。そう、思いついた。今日の暇潰しについて。「笠木くーん。」教室の中央に位置する自席に座って、クリ
あこん さん作 [338] -
暇の潰し方5
ある日の放課後。「ヒロー、カラオケ行くけど行かね?」俺こと笠木広人は、中学からの友人にこのように声を掛けられた。「…悪いな、今日は用事があるんだ。また誘ってくれ。」そして、このようにやんわりと断った。今日は日下部佳奈理に、教室に残っているよう言われたのである。…暇潰しの為に友達の誘いを断るってのも本末転倒だなぁ。それにしても日下部が遅い。そもそも同じ教室なのに放課後になってから一度も顔を見ていな
あこん さん作 [282] -
暇の潰し方4
インドア派の子供たちしかいない住宅地を通り抜け、公園探しを続ける俺と日下部。俺はもうどうでもよくなってたが。万歩計も今日のノルマ一万歩をとうにカウントしてるし。「この先は…小学校がある辺りだな。」母校ではないが。「なら間違いなく公園があるはずですね!」「…なぁ、本気で遊具で遊んでくつもりなのか?」恥ずかしいし、小さいだろうし勘弁して欲しいのだが。「むぅ、なら無人だった場合には遊ぶということで。」
あこん さん作 [284] -
暇の潰し方3
あぁ、なんでまたこんなことに。先日の石拾いから来る腰痛がやっと治まってきた頃、俺はまたも日下部佳奈理の暇潰しに付き合わされることとなった。次は近所の公園巡りをするんだそうだ。学校の半径2キロ。あれか、お前は暇なのか日下部。そうか、暇だったな。ともかく、日曜だというのに俺は朝から学校の前にいた。「おっはよー笠木くん。」日下部がやや遅れてやってくる。「さて、今回の徘徊の意義は?」「徘徊とはまた嫌な言
あこん さん作 [292] -
暇の潰し方2
俺は今、河原にしゃがみ込んで足元の小石達と睨み合いをしている。結局、来てしまった。いや、あれは拉致とでも言うべきか。帰りのHRが終わり、立ち上がった俺の首を、日下部はあろうことか流木を器用に使い絞めたのだ。そのままここまで引きずられて来た。「…空が青いぜ。」痺れ始めた脚を伸ばし、遠い目で空を見上げる。今日は曇りではあるが、俺には見えた。どこまでも青い空と、光り輝く太陽が。「笠木くん、これなんか近
あこん さん作 [404]