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あこん さんの投稿された作品が101件見つかりました。
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素敵な恋の見つけ方27
「由良は動かしやすい。」佳奈理は動かしにくい。俺の名は片桐篤。家でのんびりしてたのが災いして買い物を命じられた実家暮らしだ。考えごとをしてたんだがな。「で?何買うの?」何故かばったり会って、付いてくるのは宇崎由良先輩。ウサギの皮を被った鬼。ふと思い立ったのはそんなことだが、口に出せば皮を破り捨てるだろう。「ん?どーした片桐?」「いえ何も。」「で、何買うの?」「えっと、冷やし中華の材料ですね。」メ
あこん さん作 [172] -
素敵な恋の見つけ方26
「暫く匠は出ない。」暫くシリアス風味だから。俺の名は片桐篤。好きという気持ちを探求する者。「大袈裟か、これは。」心の声に、声を発して応える。が、嘘でもなく。俺はベッドに横たわり、田辺和真先輩の言っていた事を反芻していた。もう時刻は昼を過ぎている。…さっき母親に買い物頼まれたしな。しょうがない、出てくるか。いつまでも寝ている訳にもいかない。ぼんやりと思いを巡らせながら、俺は家を後にする。「おや片桐
あこん さん作 [179] -
らぶふぁんとむ7
「…ん。」恵一が窓から射した日の光によって目を覚ます。珠希の幽霊が恵一の家に来てから三日目の朝。月曜日である。「はーい、おはようございますですよ、恵一くん。」霊体である体に慣れてきた珠希がシャッ、とカーテンを開ける。「…俺以外の奴が見たらポルターガイストだよなぁ。」「いえ、恵一くんから見てもそうでしょう、幽霊の仕業なんですし。」なんだかんだで恵一は幽霊である珠希を受け入れていた。きっとそれは幽霊
あこん さん作 [184] -
らぶふぁんとむ6
珠希が同居する事になった翌日。日曜日。恵一は床に敷いた布団の中で目を覚ます。時刻は午前9時。(まだ寝てていい時間だな。)そう決めて、寝返りを打つと目の前に珠希の寝顔。何というデジャヴ。「だあぁぁぁ!?」「答えろ、なんでわざわざ同じ布団で寝る?」珠希をなんとか起こして正座させ、問詰める。幽霊を起こすには声を掛け続けるしかない。恵一は初めに珠希の頭をすり抜けて枕を叩いた事で実感した。「いや…それは、
あこん さん作 [184] -
素敵な恋の見つけ方25
「真面目路線一直線。」匠は全てを駄目にする。俺の名は片桐篤。異性への想いというものがわからなくなってきている。「由良と違って、その片思いの相手とはさ、もっと近付きたい、て願望があるんだよ。」自分の恋愛観を話してくれるのは田辺和真先輩。自分の想いを理解していて、他者の心を理解出来る、すごい人。「俺は、どうだったんでしょう…確かに好きだったけど、どういった好きだったか、今でも分からない。」今まで俺は
あこん さん作 [186] -
素敵な恋の見つけ方24
「ホラーやファンタジーに走らないように気を付けたい。」それがひとまずの目標。俺の名は片桐篤。孤独な夏休みを過ごす高一男子だ。「片桐、何か買うんじゃなかったのか?」この目付き悪過ぎる人は田辺和真。一年先輩で顔ほど悪い人ではない。妹にアイス買いに来てるくらいだし。「あ、アイスでも買おうかと。」少しぼうっとしていた俺は、田辺家の妹とは違い某棒アイスを買う。今時こんな丸刈りの少年もいないだろう。「お、そ
あこん さん作 [185] -
らぶふぁんとむ5
「ここって…。」歩道の向こうは崖になっていて、柵は腰の高さまでしかない。足下には知人達からであろう、様々な花束が置かれていた。宮田珠希の転落現場である。「葬式には出ないからな、せめて花くらい。」恵一は、さっき珠希に隠れて買った小さめの花束を取り出す。「えっと、ここに置いて欲しい?それとも直接欲しい?」「…持てないですし、置いて下さい。」「わかった。」しゃがみ込んで他の物と同様に置く。珠希は恵一以
あこん さん作 [210] -
らぶふぁんとむ4
恵一がディスプレイを確認すると、電話の主は親しいクラスメイトだった。「もし?」『あ、恵一かい?』これは恵一以外の誰のものでもない携帯電話だが。「なんだよ、孝太。」電話の主、日村孝太は真剣な声音で続ける。『隣りのクラスの宮田珠希さん、知ってるかい?』「…あ、あぁ。」珠希を見ると、窓を開けようと奮闘している所だった。窓枠を手がすり抜けてしまっているが。『…へぇ、恵一知ってるんだ。で、彼女が昨日転落死
あこん さん作 [191] -
素敵な恋の見つけ方23
「匠や由良が出ないだけであんな話になるとは。」テンポの悪いキャラばかりだと改めて思う。俺の名は片桐篤。少し大人になれた気がする高校一年生だ。『片桐、こちらはとても暑いぞ。』電話口の向こうで喜々として喋るのは今時のオタク久保匠。「さようですか。」『なんだ、生気のない声を出しおって。』「別に。」だるくて一日中ごろごろしてるだけだ。「ところで、何の用だよ?まだ戦時下じゃないのか?」『うむ、二日目はぶら
あこん さん作 [198] -
らぶふぁんとむ3
恵一はとりあえず、現状の確認をすることにした。目の前の珠希は幽霊。珠希は恵一に惚れている。死因は転落。今日は土曜日。「おぉ、土曜日だ。」「そうですね、全国的にサタデーです。」しばし、沈黙が続く。「…土曜に何かあるんですか小野瀬くん?」「いや、取り立てて何も無かった。」とりあえず空腹を覚えていた恵一は食事にすることにした。「ふむ、卵はこれで最後か。買い物に行かなくちゃな。」冷蔵庫から卵二個を掴んで
あこん さん作 [207]