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けん さんの投稿された作品が46件見つかりました。
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夢の想い(16)
「くそっ!」あのあと狐文と洋介で一通り探してみたが此葉の姿は見つからなかった。(すまぬ。儂が近くにおるべきじゃった)「…狐文のせいじゃねえよ。なんか感じねぇのか?」(先程から探ってはおるが…)「ちっ…地道に聞く事も出来やしねぇのに…どうすりゃいい…」「ん?誰かいてへんの?」イマイチ状況が掴めない狐弦糸に此葉のことを伝える。「なんや狐響牙のチビらが一緒におるんか。なら心配せんでもあっちから連絡くる
けん さん作 [377] -
夢の想い(15)
「(心で聞いてみよって言われてもなぁ…どうやるんだろ?)」「(探サナクテモ僕達ハイツモ傍ニイルヨ)」「(イルヨ)」「(その声は…いつもの夢の声?)」「(ウン。早ク逃ゲテ。)」「(えっ?なんで?戦うんでしょ?お父さんの仇討たないと)」「(ワカッテル。デモ僕達ハマダ戦エナインダ)」「(どうして…?)」「(僕達ハ君ヲ守ルタメニ力ヲ蓄エテイタンダ。ソノ力ガ強スギテコノ前ハ君ヲ狐ノ姿マデ戻シテシマッタ…。
けん さん作 [486] -
夢の想い(14)
踏み入れた瞬間洋介と此葉は背筋をぞわりと伝うかのような違和感に襲われる。「う…なんか嫌な感覚だな…」「気持ち悪いね…」此葉は思わず身をすくませる。辺りには不快な臭いが漂う。(死臭じゃな…。…二人とも気をしっかり持て、相手は獏じゃ。やつは夢を吸いその夢を吐き出して襲ってくるのじゃ。)言い終わると同時に地面が蠢き始める。そして現れたものは映画やゲームでよく目にするやつだ。「うぇ…ゾンビかよ…」「き…
けん さん作 [382] -
夢の想い(13)
校門の前でバイクの近くに腰を下ろす。今日は部活は無いと言っていたから特に何もなければそろそろ出てくるだろう。「ったく…」帰宅中の生徒達からの視線が痛いがしかたがない。不可抗力とはいえ此葉の裸を見てしまい強制的に送り迎えを命じられ渋々承諾した…。もとい…承諾するしかなかった。明後日にはじいさんの法事も終わることからせいぜい明日で送り迎えも終わることになる。「暇だ…。」バイクのミラーで自分の姿を見て
けん さん作 [408] -
夢の想い(12)
「「きゃ〜!」」「カッコイイ!」「イケメンだ〜っ!流石此葉が憧れ…」ガスッという衝撃で言葉を遮られる。「文ちゃーん。余計な事は言わないでいいし、そろそろ学校に向かわないとチャイムに間に合わないヨ?琴ちゃんもネ?」「うぉ!…目が据わってる…」思わず洋介も此葉の表情にびっくりする。もはや殺気とも言えるオーラを身につけた此葉を前に二人も、「そ…そうね…」「ち…遅刻はまずい…もんね…」と蛇に睨まれた蛙の
けん さん作 [369] -
夢の想い(11)
(あぁ…、遠野さん。君は女神だ、君以外の女など美しい月を彩る星にすらならない…。いや…むしろ美しい月を隠す雲のようなもの…雲すら勿体ない。同じクモでも奴らは蜘蛛だな…クククッ。回りの男どもは美しい花に群がる蝿のようなものだ、彼女の魅力に気付かない男は群がる蝿にすら劣る。彼女の魅力に気付いている男ども…惜しいかな、彼女の魅力に気付いたのは当然だが…残念ながら彼女は僕のもの。僕等の回りで祝福の音色を
けん さん作 [386] -
夢の想い(10)
「もー!遅刻しちゃう!」ドタドタドタッ「ふぅ…。朝からうるせぇ…。」見慣れない天井を見ながら朝のけたたましさに頭がゆっくりと覚醒していく。「やっぱ布団違うとなんか違和感あるな…」ぼやきながらも布団に横になったまま物思いにふける。「(妖狐に獏ね…オカルトみたいな話しだな…)」ふと気になり髪の毛を触ってみる。長さも色も普段と変わらない。耳も普通の耳だ。余計にただの変な夢だったのでは?と考えてしまう。
けん さん作 [426] -
夢の想い(9)
「そういえばさ…、なんで俺らが尾の力ってやつを身につけなきゃいけないんだ?」「私、元に戻れるの?」腰まで届きそうな長髪となった洋介と不自然な長さの牙を持った狐…もとい此葉が狐文に尋ねる。(ん?まだ言っておらなんだか?)「…、じいさんが九尾狐ってのの息子で九本の尾を探しててってのは聞いた。 …で、それで俺らがこうなったのはなんでだ?」(それは二つ理由があるの。此葉は朝起きたら戻ってるじゃろうから心
けん さん作 [402] -
夢の想い(8)
此葉のリュックから箱を取り出し狐文に渡す。(ふむ、禁呪かかかっておるようじゃの。解呪は苦手なんじゃが…)そう言うと狐文は箱を額にかざし何やらぶつぶつ唱え始める。(…………、………。)すると箱は狐文の手の上で霧散するかのように消えていった。手の平に残ったものは…「紐と…、勾玉?」紐というより釣り糸のようなものと手の平サイズの勾玉らしきものが2つ。そのどちらもうっすらと銀色に光り輝いてる。(ふうっ、
けん さん作 [425] -
夢の想い(7)
恐らく夢の中だろう。回りの風景は普段と変わらない…ただ、色がないだけ。全てが白と黒のモノトーンに包まれていた。漫画の世界ってこんなだろうな…。そんなことを考えながら洋介は歩いていた。横を歩いている此葉は殆ど回りを見ないで歩いていた。見てるのはただ横にいる長身に銀髪、おまけに狐の耳が生えている甥だ。この世界で2人が唯一色のあるものだった。「やっぱり…その格好…綺麗だよね。」しみじみと思ってしまう。
けん さん作 [405]