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meeco さんの投稿された作品が129件見つかりました。
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desteny?
「来てるわよ・・・。貧血みたいね、熱も無いみたいだし。」先生は、心配して保健室に来た淳にそう告げた。次の瞬間、淳はベットを仕切っている白いカーテンを開けた。私の姿を確認するか、しないかの瞬間に声を掛けた。「香里、具合どうなんだよ?貧血だって?柄じゃねぇじゃん、少しは良くなったか?」返す言葉を、瞬間に考えたが、出て来なかった。淳に顔を見せたく無くて、顔を背けて、寝た振りをした。淳が、掛け布団をめ
meeco さん作 [437] -
desteny?
五時限目―\r昼食も、喉を通らなかった。淳も、親友の茉莉子や他の友達も、私の前には現れ無くなった。保健体育の授業―\r体育館でバレーボール。隣で、男子もバレーボールをしていた。淳も隣に居た。頭は、相変わらず、真っ白だった。そう意識すれば、また昨日の事が、頭を霞めた。バレーボールのコートの端で、つったって居た。急に、目眩が襲って来た。足元に、しゃがみ込んでしまった。「香里、大丈夫?」茉
meeco さん作 [481] -
desteny?
翌日―\rやっとの思いで、学校に向かった。普通にしていれば、誰も何も気が付かない筈なのに、普通に出来そうにも無かった。校門の前で足がすくむ―\r自分自身を奮い立たせて、前へと、一歩一歩、歩く・・・。教室の前まで、辿り着く。教室の中は、ザワザワと騒がしかった。勇気を振り絞って、中に入り、自分の席に着いた。「香里、おはよう!!聞いたよ?淳と日帰り旅行に行くんだって〜?」親友の茉莉子は、隣の席から
meeco さん作 [475] -
desteny?
暫く神社の隅に、力失せて座り込んでいた。どれくらいの時間が経ったのだろう―\rさっきまで、降っていた雨は、すっかり止み、空は、夕焼けで紅く染まっていた。何とか残り半分の自宅までの帰路を歩いた。自宅までの道のりは、殆んど、覚えていない・・・。いつもの景色が違って見えた。普段の倍の時間を掛けて、やっと自宅まで帰り着いた。「ただいま・・・。」かすれた声で小さく呟く―\r返事は無かった。自宅には、誰も居
meeco さん作 [488] -
desteny?
私の初めてを簡単に奪って行った男達―\r痛かった、触られるだけで、嫌悪感が全身を襲う・・・。私の身体の中で、男性は動かなくなった。運転席の男性が、口を開いた。「中川、お前、シート汚すなよ?この車、借りもんなんだぜ。」私の中に居た男性は、あっけらかんと話し始めた。「解ってるよ。あっ・・・、血が出ちゃってるわ。この子、初めてだったんだな・・・。通りで、すんなり行かない筈だわ。」運転席の男性は続けた。
meeco さん作 [596] -
desteny?
「車から降ろして下さい!!」私は、力一杯叫んで、抵抗した。車の中には、二十歳前後の男性が四人乗っていた。運転席に一人、助手席に一人、後部座席に二人・・・。「大人しくしてな。痛い目に遭いたくねぇだろ?お兄さん達が、優し〜くしてやっからさぁ。」私の事を、車の中に引き擦り込んだ男性が、私の肩を抱いて、不気味な笑みを浮かべて言った。「なぁ、早く車出せって。ここは流石にヤバイって。」助手席の男性が、運転
meeco さん作 [574] -
desteny?
駅から自宅まで、急いで走っても、15分。夏の雨は、生温い。空気も生温い。途中で、歩幅は徐々に狭ばまって、濡れない様に急いで走る事を諦めた。駅から自宅までの帰路の丁度半分まで来た所に、カラスが鳴く、薄暗い、神社が有った。その横を通るのは、昼間でも、薄気味悪かった。そこだけは、少し早足で通り過ぎ様とした、その時―\r神社の横の狭い道に、一台のワンボックスカーが、エンジンを掛けたまま停まっていた。
meeco さん作 [582] -
desteny?
10年前―\r高校二年生の夏・・・。淳と付き合って、丁度、一年が経った。一緒に帰ったり、デートをしたり、毎日が楽しかった。プラトニックな付き合いが続いていたが、淳の事を心から好きだった・・・。初めての恋だった。そんなある日、淳が学校帰りに、突然、こう言った。「夏休みに日帰り旅行しねぇか?」私の両親は、とても厳格な両親で、門限にもうるさかった。それを気にして、淳は、日帰り旅行を提案してくれたの
meeco さん作 [755] -
desteny
あの日が無ければ・・・、あっちゃんとずっと一緒に居れたね。思い出すのは、いつも、あっちゃんの笑顔と温もり・・・。散りゆく桜を見る桜を見る度、思い出すの、あっちゃんの事を。でもね・・・。 あれから、4年―\rあっちゃんに報告出来るよ、私、今、幸せって・・・。あっちゃんに最後の報告。もう、私、後ろを向かない。前だけ向いて歩いて行くね。凛と大事な彼の為に。ありがとう、あっちゃん。私は、淳に最期の手紙を
meeco さん作 [682]