携帯小説!(PC版)

トップページ >> オキシコンチン さんの一覧

オキシコンチン さんの投稿された作品が106件見つかりました。

 
  • 龍と狼62

    金と権力を手に入れた青年にとって、柳田は邪魔な存在ではないのか?柳田はたった二、三十分のやり取りの中で、次第に不安感を抱くようになってきた。彼の表情、言動、落ち着き払った雰囲気・・・。事実、柳田は出された紅茶を一度も口にしなかった。隣のアイリーンが美味しそうに飲んでいても、柳田は信用できなかった。結局は、どうでもいいような話に終始して、柳田とアイリーンは席を立った。柳田が青年に感じていた疑念は増
    武藤 岳 さん作 [368]
  • 龍と狼61

    しかし、スチュワート卿は、青年を心から愛し、信用していたし、青年も彼の期待に応えた。『環境が変われば、人格も変わるのか?』柳田には疑問だった。柳田はスチュワート家と、ある取引を交わした。それ以降、スチュワート家や青年との接触は制限されている。一年に一、二回、アイアンを、心理カウンセラーとして派遣する事くらいが関の山となった。だから、青年の変遷期を見ていない柳田には、青年の本質の変化には疑問を持ち
    武藤 岳 さん作 [331]
  • 龍と狼60

    しかし、彼に大きな転機が訪れる。彼が預けられていた、母方の親戚筋こそがスチュワート家の分家にあたった。新しい分家の住人になった青年が、本家へ挨拶に赴いた際、本家の当主、ヘンリー・スチュワート卿の目に止まったのである。当然、本家にも分家にも後継者がいたが、スチュワート卿は、当時の本家の後継者であるジェームズが、かなりの放蕩息子で、困り果てていた。そんな彼の前に現れた、この青年は、世代的にも息子に近
    武藤 岳 さん作 [319]
  • 龍と狼59

    「私に代わって、定期的にあなたの下へ訪ねていた、ウッド氏が先日のテロ事件に巻き込まれて、亡くなりました。」ウッド氏とは、スチュワート家へ出入りする際の、アイアンの偽名だった。青年は悲し気な表現になった。「とても、残念な事です。そこにいらっしゃる奥様も、さぞお辛い事でしようね。」柳田はこの質問に対する彼の反応をじっと観察していた。彼は、純粋なスチュワート家の人間ではない。十年前までは、日本人姓を持
    武藤 岳 さん作 [324]
  • 龍と狼58

    青年は、柳田のちょっとした躊躇を見逃さなかった。「以前とお変わりありませんか?と言いたいところですが、お疲れのご様子ですね。」「ええ、連日のテロのせいでね。」柳田は、くたびれたスーツをジロジロと見る青年の好奇な目線に耐えていた。「わざわざ遠い日本から、如何されたのですか?お仕事ですか?それとも・・また、お金が必要になりましたか?」隣にいたアイリーンが驚いた顔をした。“またお金が必要”この言葉に反
    武藤 岳 さん作 [331]
  • 龍と狼57

    彼は父方を日本人、母方をアメリカ人に持つハーフである。名前はケビン・スチュワート。世界の穀物市場を牛耳る、いわゆる五大メジャーの最上位、“スチュワート&ウルブス社(S&W社)”の創業家、スチュワート一族の若き後継者であり、各種多様に及ぶあまたのグループ企業を傘下に治めるS&W社の会長職を務める。彼の言動一つで、世界の穀物相場が大きく変動する程の影響力を持ち、一国の国家元首ですら、自国の穀物産業に
    武藤 岳 さん作 [376]
  • 龍と狼56

    柳田は、特に深い疑念という訳ではなかったが、何となく、今の執事とアイリーンのやり取りが不自然に映った。しかし、自分が“錆びた”と思い込んでしまった柳田には、杞憂でしかなかった。天井が高く、大理石の柱で造られた長い廊下を、初老の執事に先導されて、二人は大きく、奥行のある広い応接室に案内された。中世の城を彷彿させるような室内の真ん中に位置するソファーに、部屋の空気と全く調和しない、くたびれた濃紺のス
    武藤 岳 さん作 [326]
  • 龍と狼55

    柳田は、逆にアイアンを失ったアイリーンに哀悼の言葉をかけた。彼女は思った程、落ち込んではいなかった。アイアンとアイリーンの人となりを知りたくて、馴れ初めを聞いてみて、柳田は驚いた。彼女は元FBIの対テロ特殊捜査官だった。 アイアンが、コロンビアで負傷し、リタイアしてから間もない頃に、共通の知人の紹介で二人は出会ったそうだ。結婚後、彼女はFBIを退職して、柳田がアイアンに与えた“アルバイト”程度の
    武藤 岳 さん作 [312]
  • 龍と狼54

    それが、今回、アイアンの死によって、誰も彼をマークする人物がいなくなった為、自分自身で会う事を決意したのだった。アイリーンは、テロの警備体制の事を考慮して、柳田が到着する時間より、かなり前から到着ロビーで柳田を待っていた。アイリーンは、身長が180cmは軽く超えている長身で、体型もスリムで、モデルのような美貌だったが、諜報活動には不似合いな女性だった。歳は40歳代前半といったところで、柳田やアイ
    武藤 岳 さん作 [322]
  • 龍と狼53

    「ソン、もうやめて!お願いやから、人殺すの、もうやめて!」「ソルミ、後、もう一度だけだ。それで、全てが終わる。」「いやや!お兄ちゃんが死んで、ソンまで死んだら、私、どないしたらええんよ!」ソルミの涙ながらの訴えをソンスンは優しく受け流した。「ソルミ、必ず帰ってくる。だから、待っていてくれ」ソンスンと、チャンホは倉庫を出て、急いでタクシーを捕まえると、空港へと向かった。六.テロ直後の、物々しい警備
    武藤 岳 さん作 [341]
 
サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス