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オキシコンチン さんの投稿された作品が106件見つかりました。
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龍と狼52
「世界規模で、同時にテロを行える奴等は、ただのテロ集団ではない。非常に統制のとれた連中だ。しかも、我が国の国防大臣やEUの行政責任者を、狙い撃ちのような、爆弾テロを遂行した事を考えれば、国軍並の戦力と情報収集能力を持ち合わせていると考えなければならない。どんな手を打ってでも、奴等は襲って来るよ」さすがは、軍幹部出身者、元韓国三軍(陸・海・空)の連合作戦総本部長だ。 自分のような、実働部隊とは違う
武藤 岳 さん作 [315] -
龍と狼51
『無茶苦茶だ!』ソンスンは心の中で叫んだ!影も形も判らない連中を、どうやって棟方と一緒にさせるのか?「近日中に・・・」ソンスンが動転している間に、相手の話は続いた。「私は、近々、先日のサンフランシスコでのテロ事件の追悼セレモニーに出席する為に、アメリカへ渡る事になる。その式典には、日本の彼も、アメリカの国家元帥も、いや、世界の指導者達が出席する」ソンスンはハッとした。「と、言う事は?」「ニホンオ
武藤 岳 さん作 [317] -
龍と狼50
「君の要求だが、実に驚きの内容だった。率直に言って、君の要求は呑めない。」ソンスンの表情が固くなった。「たとえ、フリーランスの人間であろうと、一国の最高責任者の抹殺を容認する事は、テロを支持する某国と変わりがない。」「お待ちください。」ソンスンは意見を述べようとした。「だがね・・・」しかし、相手は先を続けた。「まず、一つ、君に確認しておきたい。彼をこの世から消しても、直ぐに第二、第三の彼が現れる
武藤 岳 さん作 [378] -
龍と狼49
チャンホの携帯電話が鳴った。チャンホは、さっきまでとは明らかに違う、緊張した口調で相手と話し始めた。しばらく話をした後で、チャンホがソンスンに携帯電話を差し出した。「君に代わってもらいたい。」ソンスンは、意外な申し出に、抜いたナイフを背中に戻し、チャンホから携帯電話を受け取った。「もしもし・・・」聞こえてきた声は、更に意外な声だった。「あっ!」ソンスンは、思わず驚きの声をあげた。「私が誰なのか、
武藤 岳 さん作 [348] -
龍と狼48
「オオカミも、棟方も、どちらも祖国にとって害な奴等だろ?その始末を、あんた方は、手を汚さないで済むんだ。」チャンホは観念した素振りで、ソンスンに言った。「電話をさせてくれ」チャンホは携帯電話を取り出すと、すぐにアドレス帳を開いて電話を始めた。ソンスンは、このあまりにも突然な要求が、このまま、この場で危険分子として、ソルミと共にチャンホに抹殺され兼ねない危機感を感じ、タンクトップの背中に仕込んであ
武藤 岳 さん作 [365] -
龍と狼47
「二つ。俺が過去に犯した日本人殺害の罪を全て水に流し、国民としての権利を復帰させる事。」これも、チャンホは黙って首を縦に振った。「三つ・・・。俺に、日本の首相、棟方を殺らせろ。」黙って頷くだけだったチャンホは、あまりにも意外な要求に驚きを隠せなかった。「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」チャンホは動揺した。「何か問題でもあるのか?オオカミ退治をする前に、棟方を殺らせろと言ったんだ!あんた方にとっても
武藤 岳 さん作 [349] -
龍と狼46
「奴等が日本人でもか?」チャンホが挑発した。ソンスンはムッとした表情になった。「あんた達、NISは、KCIAの頃から、破壊工作や暗殺はお手の物じゃないか!何故、わさわざ“プライベーター”の俺を使おうとする?トカゲのしっぽ切りか?」チャンホは、仕方ないといった表情になった。「ウンジュが教えてくれた情報によると、連中の拠点はアメリカだ。まだ、それ以上は何も判っていないが、我々としては、連中の幹部、又
武藤 岳 さん作 [334] -
龍と狼45
泣き崩れるソルミを、ソンスンはゆっくり抱え上げて、イスに座らせた。チャンホは、ソンスンの方を向いて、静かに話し続けた。「彼は昨日、亡くなる直前に、私に連絡をしてきてくれました。あなた方と一緒に、連中と格闘した直後から彼は狙われ、連中の尾行を察知した彼は、孤軍奮闘、連中を確保して、私に連絡をするに至りましたが、その直後に連中の自爆の犠牲になりました。」ソルミの泣き声が大きくなった。「しかし、彼はと
武藤 岳 さん作 [326] -
龍と狼44
“本店の人間”!?NIS(韓国国家情報院)の人間!?ウンジュが帰宅しない事や昨日のテロ事件と関係ない訳がない!ソンスンは拳銃をソルミに渡して、入口を狙って構えさせ、シャッターを静かに上げた。そこには、黒のスーツ、紺色地に水色の水玉模様のネクタイを着けた三十代前半の、凛々しい顔つきの男が立っていた。ソルミが銃を構えて、自分を狙っている事に気付くと、平然と近付き、左手で銃を覆い被した。「私には、その
武藤 岳 さん作 [308] -
龍と狼43
ソルミはそわそわしながら、あちこち移動してみたり、座ってみたりと、全く落ち着かなかった。逆に、ソンスンは、閉ざされたシャッターの手前で、不審者が現れたら、いつでも発砲できるように、拳銃を握って立ったままでいた。昼過ぎに差し掛かった頃、シャッターをノックする、来客者が現れた。ウンジュの生還を願うソルミは、一目散にシャッターに駆け寄ったが、用心棒役のソンスンに制止された。そのまま、シャッターの新聞受
武藤 岳 さん作 [322]