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ヤルンヴィドの番犬 さんの投稿された作品が180件見つかりました。

 
  • 神のパシリ エピローグ前編

    全ては終わった。いや、始まったのかも知れない。誰もいなくなった街に乱立する、墓の山。三人で、少しずつ築いている。亡きがらは、魂の入れ物でしかない。だが、丁重に葬るのは、死の小間使いにできるわずかな現世への関与だ。魂を喰われ、輪廻から外されてしまった存在。止められなかった、ゼルの弱さが生んだ犠牲者だ。「あらかた終わったね」キアが、汗を軽く拭う。「あぁ」「これから、どうするんだい?」「主の強制召喚が
    ディナー さん作 [437]
  • 神のパシリ 60

    ゼルは、刹那の隙に月の鉈を魂喰いの胸元へ突き立てた。音も無く刀身は魂喰いの躯を貫く。「ムダだ…ナンド、ドもイワセるん ジャ …ね」崩壊した魂喰いの言語に耳を貸さず、ゼルは力いっぱい鉈を押し、切っ先を地面へ突き刺した。のけ反る形で、魂喰いは押さえ付けられる。「…ほら…一番美味しい所はお前にやろう…レミーシュ」振り返り、ゼルはレミーシュを見つめた。その指には、黄銅の指輪がはめられている。時使いから貰
    ディナー さん作 [419]
  • 神のパシリ 59

    「…むかつくぜ。ただでさえ腹が減って…ハラがヘってイライラしてんだヨォ…」やたらノイズ混じりのだみ声で、魂喰いは躯を脈打たせた。もはや、魔物でしかない。「クぅ…タましイ…くゥ…オマえラ…全イん…せ世界 カか かエ てやるせ世 界変え テヤル世  界カエ るカ エテ やる世界変えテ 世界カエテやル世 界 世界世界カエ てヤ ル神死ね 紙 シ ネ神 死ネ カみしね ネ申 噛み死ね 神シネ壊す壊す壊す
    ディナー さん作 [456]
  • 神のパシリ 58

    誰もいないのか。息を、潜めているのか。かつて汚れた街と呼ばれた街は、汚れた人の欲が作り上げたものだった。今、それは静寂に支配されている。雨はあがり、街は渇き、それでも、命の燭を感じない。街は、死のうとしていた。何もない、汚れた…汚れていた、ロロ。そこに、一人の女。レミーシュだ。無垢な瞳は、かつて相棒と、父親がわりと慕った男の亡きがらを写し出している。「メッツェ…」涙が溢れた。これを、この所業を行
    ディナー さん作 [421]
  • 神のパシリ 57

    「人はな、誰しも欲を持つ。いや、人だけではない。全ての命には欲がある。神ですらな。欲と言うと聞こえは良くないが、それによって得られる力があるのも確かじゃ。叶えるために、誰しも生きている。…生きる事すら、欲であると思える。だが、欲は強い。強いがゆえ、道を誤れば恐ろしい、おぞましい、醜いものと化してしまう。それを制御するもの、操るものとは…?……ここじゃ」ロゾは、自分の胸に手を当てた。「ここは欲と違
    ディナー さん作 [420]
  • 神のパシリ 56

    フェルゼルがロロにやってきた理由は、街の、ひいては世界の革命じゃ。あらゆる手段を用い、ロロに安定した平和をもたらし、神という絶対的存在から人間を独立させようと考えていたようじゃ。人間は神が創った道具、玩具でしかないと考える者は、数多くはないが確かに存在している。フェルゼルも、その一人だった。それを断ち切るための足掛かりが、ロロの支配だった。だが、彼は挫折する。彼は、病に冒されていた。不治の病じゃ
    ディナー さん作 [393]
  • ディナーの終宴

    皆さん、お疲れ様です。ディナーの日記です。さて、これを最後にディナーの晩餐を少し辞めたいと思います。事情は…お察し下さい。神のパシリを完成させたらその先を考えます。さて、少し駄文を。ネットは、楽しい反面危うさも秘めています。相手が不特定多数で、名前も、顔も、声色も、性別さえ分からない。本来、コミュニケーションとは、言葉や仕種、声や口調全てでするもの。文章による表現には限界があるのです。だから、誤
    ディナー さん作 [1,260]
  • 神のパシリ 55

    「…ほぅ」一部始終を聞き、ロゾはほくそ笑んだ。「やはり、言葉という代物は、現在で聞くのが最も力を感じるのぅ」ロゾは、優しくゼルの手を払い、鳩血色をした彼の瞳を覗く。「正直な話、神の存在やらはどうでもいい。私は、おぬしの覚悟の度量を聞きたかったのだ。良かろう。力を貸そう。おぬしの主のためではない。おぬし自身と、おぬしが思う者のためにな」ゼルは、片頬をひきつらせて、いつもの笑みを浮かべる。「だが、過
    ディナー さん作 [403]
  • 神のパシリ 54

    「お前も…いまいち理解が足らないようだ。お前が操れる『時』というものすら、生と死があり、始まりと終わりがあって初めてその存在に意味を持つものなのだ。過去があるのは、生が流れて、死が生を手繰り寄せているからだ。現在があるのは、始まりと終わりが命に流れを認識させているからだ。未来があるのは、限りある生が流れ行く先を照らし出すからだ。『時』という、神ですら操れない、操作を望まなかったものでさえ、始まり
    ディナー さん作 [410]
  • ディナーの晩餐 追悼を込めて

    皆さん、お疲れ様です。徒然なる日々を綴るディナーの日記です。突然ですが、訃報がありました。フジファブリックをご存知ですか?簡単に言えば、ポップでロック、キャッチーなバンドです。そのフロントマンにしてボーカル、ギターの志村さんが亡くなりました。二十九歳という、余りに若い死です。病名は不明。最後の本人ブログには、健康すぎるとのコメントがありました。知らない方も少なくないでしょう。でも、これだけは言え
    ディナー さん作 [958]
 
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