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もか さんの投稿された作品が177件見つかりました。

 
  • ばぁば 二話

    握った手。意外と小さいんだ…。両手で強く握る。2月のその日、祖母は苦しいはずなのに、笑っていた。酸素マスクの向うで何か言ってたけど、それを聞いたら涙が出るから聞かなかった。祖母には3人子供がいた。私の母と伯母と伯父。でも祖母の最後に誰も来なかった。来たのは隣近所の川島さんだけ…。口には出さないけど、祖母はどんなに心細かっただろう。祖母に引き取られて、私は祖母の家の近くの小学校に転校した。元々、内
    レオン さん作 [412]
  • ばぁば

    強く生きよう…。強くならなきゃ…。強くなるんだ…。人一倍泣き虫だった。そんな私が、あの日は泣きもせず毅然と振る舞っていた。2月の終り。寒い冬晴れの日に祖母が死んだ。小さい頃、両親が離婚して、私は母方の祖母に引き取られた。小さな田舎町。そこで祖母は小さな八百屋を営んでいた。祖父が亡くなって10年。祖母ば一人でこの店を切盛りしていた。「泣くんじゃないよ!」これが祖母の口癖だった。毎日、母が恋しくて泣
    レオン さん作 [446]
  • Dog's ママ 〜茶色い息子〜2

    その日バイトが終って家へ帰ると、そこには『奴』がいた。茶色く、モコモコのチッコイ生き物。側へ近寄るとブルブルっと震えて用意されたゲージの中へ隠れた。「この人怖いでちゅね〜」相方が変な赤ちゃん言葉で犬に話しかけるから、私は少し気持ち悪くなった。ふんっっ!!見てろ。私は昔から動物にモテるんだ。すぐなつくに決ってる!!!ゲージを覗き込み、出来る限りの優しい声で「ワンちゃん、おいで〜」ゲ
    レオン さん作 [418]
  • Dog's ママ 〜茶色い息子〜

    その言葉を聞いて、子供の頃の悲しい思い出が蘇る…。「無理だろ!!」と言う前に相方は嬉しそうに「じゃ決まりな!」と勝手に決断を下してしまった。私は嫌だった…。『犬』を飼うなんて考えた事もなかった。「イヤイヤイヤ…。待ってよ。世話すんの大変だし、第一ココ、ペット無理じゃん。」私は思い浮ぶ限りの理由を並べて、この計画を阻止しようと試みる。何やら含み笑いで私を見る相方…。何か嫌な予感。「てか、ダメと
    レオン さん作 [448]
  • 快楽主義

    黒いピストル打っ放し憂鬱な壁を打ち崩すねぇどこまでいける?あの光まで届くかな?瓦礫に埋もれる欲望と崩れてしまったプライドと壊れてしまったラジカセを踏み付けながら進んでく快感さえもが今は敵暴れる銃器は捨てて来いこれはただの戦争さやるかやられるかruleは一つ誰もがハマるサバイバルゲーム
    レオン さん作 [475]
  • 女王論者

    小さな欠片を集めてはデタラメに繋いで形を求めてた見えない物は信じられないと手錠をかけて繋いでたどんなに愛してもどんなに繋いでも決して交わることはないいつか崩れて喚いて泣崩れるんだろう?それなら私はセッターふかして月夜の光を浴びて虚しさに浸ってたい闇に全て飲み込まれたらそれはそれで快感…愛に溺れもがき苦しめば女は強くなるもんさ…
    レオン さん作 [429]
  • 月あかり最終話

    バスが到着して、バスを降りて俺は呆然と指輪を眺めた。「ジイチャン…」何だか俺はジイチャンがもう逝ってしまった気がした。プッと車のクラクションが鳴り、弟の明が手招きしていた。車へ乗り込むと「兄ちゃん、ジイチャン死んじゃったよ。」「あぁ、やっぱり」俺は呟いて指輪をにぎった。病院に着くと、親戚のオジチャンやオバチャンがいて、オヤジやオフクロは少し涙目だった。「少し遅かったな」オヤジが
    レオン さん作 [508]
  • 月あかり?

    ジイチャンは籠いっぱいのトウモロコシを持って俺の方へ歩いてきた。優しい笑顔だった。「家帰って、トウモロコシ茹でて食うべな」「うん」何だか泣きそうになった。ジイチャンに言いたい事イッパイあった。ずっと連絡しないでゴメンとか、もっと優しくしてあげたかったとか、想いがあふれて涙が溢れていた。ジイチャンはそんな俺を見て、だまって俺の手を引いた。ゴツゴツして、大きく温かい手。こうしてると子供
    レオン さん作 [508]
  • 月あかり?

    「イテッ」グローブが見事顔面に当たり、俺はフラツイタ。子供は予想外の顔面命中に戸惑っていた。「オマエなぁ」グローブを拾いながら子供の顔を見ると、遠い日の記憶が蘇った。「雅也!!」子供の頃毎日一緒だった親友の雅也だ。でも3年前の夏、アイツはバイク事故で死んだ。それに何で子供なんだ?雅也はグローブを俺のてから取るとベェーっと舌をだしてかけて行った。何だか夢を見ている様だ。いや、これは
    レオン さん作 [517]
  • 月あかり?

    後を振り返ると、ヒゲ面のオッチャンが怖い顔で俺を見下ろしていた。「何すんだよ!おっさん」「何すんだだと?ガキが煙草吸って何言ってらぁ」オッチャンは俺の手から煙草を取り上げると地面に叩きつけた。ガキと言われてムカツイタ。もう28なのにガキ扱いされてたまるか!!オッチャンは手を俺に出して、残りの煙草を出せと言ってきた。 なるほど、このオッチャンこうやって煙草巻き上げてんだな?俺はオッチャンを
    レオン さん作 [532]
 
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