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PO・M さんの投稿された作品が13件見つかりました。

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  • 1年前の彼女 後編

    死の運命を知りつつ、1年前の俺と今の俺、何が違う。今の俺に、死にゆく事を止める事のできない俺が、何をできるのだろう。神谷は、俺に会いに来た為にこの世から消えた。言えなかった。俺の気持ち、伝えられないまま…。神谷が俺をどう思っていてくれたのかは分からないけど、もし、今の俺にできる事があるのなら…。「俺…神谷の事が好きだったんだ」無意識のうちに言葉がこぼれていた。神谷は何も言わなかった。数秒の後に、
    PO・M さん作 [187]
  • 1年前の彼女 中編

    あの時、俺が神谷を呼び出したりしなければ、神谷が死んだりする事はなかったのに。そう、俺はずっと後悔していた。「神谷…なの?」「…うん」俺の脳裏に当時の思いが一瞬にして甦る。これは…あのケンカの後の電話だ。何がどうしてこんな事が起きているのかは分からないが、1年前のあの日の彼女が、今、俺の電話にかけている。翌日、事故に遭う事を知る事もなく…。俺の目に自然に涙が滲む。きみは、明日死ぬ。だが、それを今
    PO・M さん作 [181]
  • 1年前の彼女 前編

    「もしもし…。大場、聡くん…いますか…?」高校の同級生の一周忌の墓参りから帰り、アパートの部屋に着くなりかかってきたその電話の主の声に、俺は動揺を隠せなかった。それはつい先程、参ってきた墓に眠る筈の、神谷美奈の声だった。「俺だけど…」やっとの思いで答えるが、それだけの言葉を発するのが精一杯だった。そんな筈はない。彼女はとっくに、この世にはいない人なのだから。きっと声のよく似た別人なのだ。俺は自分
    PO・M さん作 [180]
  • 藍色の時間 10

    藍の言葉に俺が二の句を次げないでいると、藍は少し大きな声で言った。「私、一真には出会えて良かったって思ってる。でもね…嘘みたいに聞こえるけど、私、あの人が好きなの。これは本当…」俺はただ黙るしかなかった。言えない。何も、言う事ができなかった。「さよなら、一真…。もう、来ないで」それが、俺が聞いた最後の藍の言葉だった。幾らかの年月が流れた。俺は別れた彼女とも復縁し、大学を卒業した後、小さなデザイン
    PO・M さん作 [233]
  • 藍色の時間 9

    どうやら、自分が思っていたよりも事は大きいようだ。俺は書類記入を済ませ、受付で聞いた病室に向かった。ドアをノックする。「どうぞ」藍の声だ。俺はドアを開けた。「一真…?」ベッドに藍の姿があった。頭に包帯を巻き、顔にもガーゼなどが見られた。藍は、俺の顔を見ると、すぐに顔を背けた。「どうして、ここが…」「なんで、言わなかったんだよ」俺は少しばかりの怒りを込めて言った。「なんで言ってくれなかったんだよ。
    PO・M さん作 [192]
  • 藍色の時間 8

    中から出てきた学生らしい男が、俺に声をかけた。「阿藤さんに用ですか?」阿藤というのは、藍の夫の性だ。「阿藤さんとこは誰もいないですよ」「えっと…どこかに行ってるのでしょうか」本当は、藍がどこかを聞きたかったが、後の事を考えると藍の名前は出せなかった。「奥さんが救急車で病院に運ばれちゃったみたいですよ。旦那はその付き添いみたいで」「病院に…? なぜ?」思わず敬語を忘れた。「頭を打ったみたいで。ドメ
    PO・M さん作 [216]
  • 藍色の時間 7

    何かが……何かがまだ、終わらずに浮いたままの気がする。地に着いていない。何かが見えないままだ。だから、俺はいまだに藍を忘れられないのか。藍ともう一度一緒にいたい、と思ったのは本当だった。結婚している…藍はそう言ったけど。まだ、終わる気になれなかった。俺は高校の同級生などに片っ端から電話して、藍が結婚して居を構えている住所を聞き、その場所へ向かった。自分の行動に意味があるのか。そんな疑念も、やはり
    PO・M さん作 [201]
  • 藍色の時間 6

    ふつふつと、込み上げるものがあった。それは、以前に過ごした時間があるからかもしれない。だが、その藍から感じる空気を感じた時に抱いた感情は、その感情は紛れもない事実だった。藍と…もう一度会いたい。そんな気持ちが俺の中で芽生えていた。「今日は楽しかった」藍が言った。「よかった。今の一真にまた会えて」「藍…あのさ…」藍が席を立つ気だと感じて、俺は間髪入れずに言葉を繋げた。「また…会えないかな」藍は、俺
    PO・M さん作 [207]
  • 藍色の時間 5

    それから、堰を切ったように俺は、藍と会わなくなってからの事を話した。デザインの勉強で行き詰まった時の事、大学の友人の事、なかなか上手くいかない就職活動の事、それから……彼女と別れた事。俺は喋ってから、思わず手で口を押さえた。「悪い…なんで、こんな話したかな」藍は、特に表情を変えなかった。「ううん、別に。何も気にしないで。これまでの一真の事、聞けて良かった」藍が、言った。藍は…どう、思ったのだろう
    PO・M さん作 [199]
  • 藍色の時間 4

    「なんか…なんでか会わなくなっちゃったよね、私たち」そう言って、藍は席に着いた。藍とは高校の頃、同じデザインの授業を受けていて、知り合った。なにげなく受けてみたデザインの授業だったが、いざやってみると、はまってしまった。それは藍も同じだった。いつの間にか、俺と藍は意識的に通じるものを感じて、同じ時を過ごすようになっていた。まだ子供と大人の境目の…今思えば、かわいらしい純粋な幸福を感じている時だっ
    PO・M さん作 [200]
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