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ピーチピンク さんの投稿された作品が30件見つかりました。
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keep your smile 最終回
拓人が抱きしめながら静かに語った。「坂田、俺、坂田の事、小学校の頃からずっと好きだった。坂田に再会したとき本当はすっげー嬉しかったんだ…。声かけてきてくれた時、笑顔が眩しかった」「拓人君…」突然のことに美優が驚いた。「俺、実は学校辞めて美容師になることに決めたんだ…。先輩のところで見習いから始めようと思って…」「え…!」拓人の美優を抱きしめる腕がより一層強くなった。「坂田、もしよかったら一緒に暮
ピーチピンク さん作 [195] -
keep your smile 29
美優は俯いてぼんやりしていた。目と鼻が赤かった。拓人は公園内に入って行った。「坂田!」声をかけると美優が拓人の方を見た。「拓人君!」美優は座っていたブランコから思わず立ち上がった。拓人が近付いてきて、二人のシルエットが夕日に浮かび上がった。「なにかあったの?どうしたの?びっくりした」美優が思わず微笑みながら呟いた。(何かあったのはおまえだろ)拓人は堪らなくなり、美優を力強く抱きしめていた。「た、
ピーチピンク さん作 [169] -
keep your smile 28
そのバス停を降りたとき拓人は懐かしさでいっぱいになった。その町は拓人が育った町で、引越して行った当時と、そのまま変わらずに顕在している建物もあれば、新しい建物に変わったり、新しい店がオープンしてたり…。しばらく町の移り代わりを感じなから、美優の住む家に向かっていた。ある公園の横を差し掛かったところ、拓人はブランコに座ってる人がいるのが目に入ってきた。(美優…!?)俯いて座っていたのは美優だった。
ピーチピンク さん作 [143] -
keep your smile 27
拓人の足は、いつのまにか美優の住む町に向かっていた。以前、自分が住んでた町だ。バスの中で、今後の自分、今後の美優がどうなっていくのか考えていた。バスが駅のターミナルに到着した。美優の町を通ってるバスに乗り替えるため、そちら方面のバス停まで足早に歩いて行った。行き先のバス停の表と料金を確かめる。小さい頃、母とこのバス停をよく利用していた。表を見ながら、懐かしいバス停の地名を目にし、母との思い出を思
ピーチピンク さん作 [160] -
keep your smile 26
教室の前までくると、佳奈と瑠奈と久美がなにやら廊下で話しこんでいた。「えーっ、美優これからどうなっちゃうのー?」瑠奈が心配のあまり、声を荒げた。「なんか、定時制の高校へ行って働きたいみたい」佳奈が目に涙を溜めていた。たまたま、拓人が通りかかった時、その会話と光景を目にし、美優、定時制、という言葉に何の事だか、慌てて佳奈達に近付いていって、問いただした。「坂田がどうかしたの?!」「あ、拓人君、美優
ピーチピンク さん作 [124] -
keep your smile 25
職員室から出てきた拓人は担任と話し合いながら一応の見通しがたってきて、区切りがついた事に、その方向性にかける 道が自分にとって最善だと信じて疑わなかった。(この学校ともお別れか…)少しだけ感慨に耽っていたとき、急に美優の事を思い出した。(あ、あいつとも、また お別れか…)美優の事は気になってはいたものの、それよりもざわざわした自分自身の心の葛藤に毎日悩まされ、ようやく一つの方向性にたどり着き、急
ピーチピンク さん作 [181] -
keep your smile 24
「親御さんは何と?」「勝手にしろと…」放課後の職員室で担任の白川が目を白黒させながら、拓人の退学届けを手にしていた。「と、とりあえず、今度親御さんに学校にお越しいただいて3人で話そう…。早まらないで…」「来ないと思いますので、手続きして下さい」「しかし…」担任の白川は拓人の突然の申し出に困惑していた。「やりたい事というのは…」「それは…」しばらく拓人と白川の問答が続いていた。
ピーチピンク さん作 [169] -
keep your smile 23
…ZZZ…いつのまにか、美優はうとうとしていた…。トゥルルルル…トゥルルルル…固定電話の鳴る音で目が覚めた。(あれ、誰も出ない、しょうがないなぁ…)ベッドから起きあがり、自室から階段を降りて行った…。リビングにある固定電話の受話器を取ると思わぬところから電話があった。『あ、もしもし、坂田さんのお宅ですか?』「はい、そうですが…。」『坂田誠一さんのお宅ですか』「はい、うちの父ですが…」『板山警察署
ピーチピンク さん作 [169] -
keep your smile 22
美優は、自宅の部屋でベッドに突っ伏しながら、今日の拓人の言葉を考えていた。自分のしてる事が、おせっかいで迷惑なら、もう近付かないほうがいいのではないか?今後、これ以上の進展はなさそうだし、陰で拓人の幸せを祈ってるしかないのかも…、と考えていた。心の中で拓人が元気になったり、活き活きしたり、そうなる事を祈ってるしか、もう、力になる事も出来ないのかも…、と弱々しく感じていた。もう、拓人との事は終焉に
ピーチピンク さん作 [169] -
keep your smile 21
「…ただいま。どうしたんだ、こんなところで…」父親は何事かと怪訝そうな表情を浮かべていた。「この子、学校今日サボったのよ…。学校の先生から連絡がきて…。それからあなたも昨日の夜、ご帰宅しませんでしたよねぇ…また、例の女のとこかしらねぇ…」父親は一瞬、困った顔をしたが、直ぐさま拓人の問題に焦点を当て、切り抜けようとした。「拓人、何をやってんだ」父親は拓人に叱り付けた。拓人は応えず、苦虫を噛みつぶし
ピーチピンク さん作 [155]