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ピーチピンク さんの投稿された作品が30件見つかりました。
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keep your smile 10
次の日の朝、早速二人分のお弁当を用意していると、妹の華がキッチンにきて不思議そうに尋ねた。「それ誰のお弁当?」美優は返答に困ったが、正直に答えた。「クラスの好きな男の子 のお弁当だよ」「えっ、どんな人なの〜?彼氏って人?」「彼氏じゃないけど、カッコイイ人だよ」「片思いってヤツ?彼氏になるといいね!」妹がさらにツッコンで聞いてきた。「そうだね」美優ははにかみながら答えていた。妹に指摘され、改めて彼
ピーチピンク さん作 [370] -
keep your smile 9
その日の帰り美優は、大型ショッピングセンターに寄ってお弁当箱を選んでいた。もちろん拓人のお弁当箱だ。美優は、お弁当を自分で作って持参していたため、一人分作るのも二人分作るのも手間は同じだ。なにより拓人のために協力できることはしたかったし、拓人の喜ぶ顔が見たかった。久しぶりの再会で思うような反応は返ってこなかったものの、ここで自分の存在をアピールしたかった。心の奥底に、ずっと恋心を抱いていて、忘れ
ピーチピンク さん作 [351] -
keep your smile 8
「拓人君、両親が離婚してしばらく父親の実家に住んでたんだけど、その後父親が再婚して今は違う場所に住んでるみたい…」瑠奈が美優に説明した。(え!拓人君もご両親が離婚してるんだ…)美優は意外だった。(あたしと同じ境遇だったんだー)意外にも自分と同じ家庭環境で、美優は拓人にリアルに同情感を持った。と同時に親近感、連帯感とまではいかなかったが、同じ境遇の環境にいるものとして、拓人の心のうちを自分の事のよ
ピーチピンク さん作 [546] -
keep your smile 7
新学期になり、1年のとき仲のよかった佳奈やその友達の久美、なんとなく気があった瑠奈とお昼グループになってお弁当を食べるようになった。 相変わらず美優は、腑に落ちないながらも拓人を目で追っていた…。拓人に関して、最近気になってることがあった。お弁当を持参して食べているところを見たことがなかったのである。購買で購入したパンかカップ麺、弁当がほとんどだった。毎日拓人の姿を目で追ってるうちに、瑠奈がなん
ピーチピンク さん作 [614] -
keep your smile 6
美優は担任の話を聞きながら小学生の頃の拓人の事を思い出していた。あの頃、両親の仲が険悪で家庭がぎすぎすしていた。家庭に安らぎがなく、家にいても楽しくなかった。そんなとき、学校にいくと拓人が美優に屈託なく明るい笑顔でちょっかいを出してきた…。美優のテスト結果用紙をいつのまにか見られ、みんなの前で大きな声で公表されたり、スカートめくりのターゲットにされたり、かと思えばドッチボールで美優方向に投げられ
ピーチピンク さん作 [602] -
keep your smile 5
美優は意を決して話しかけることにした。「あ、あの〜、藤木君ですよね」怪訝そうに拓人が見上げた。「そうだけど…」「あたし、坂田、坂田美優だけど覚えてるかな…」美優の期待と緊張は最高潮に達していた。拓人は一瞬、間があったが表情ひとつかえず呟いた。「覚えてないな…」(え!!)美優は思わず絶句した。(なんで…?!オボエテナイ?今そう言った…?)美優は狐につままれてるようだった。「はいっ、みんな席に着いて
ピーチピンク さん作 [486] -
keep your smile 4
(2年C組…あ、ここだ…)黒板に出席番号と名前が書きだされ、机に番号札が貼ってあり、出席番号順に座るようにと指示があった。美優は教室のなかに入ると藤木拓人を捜し始めた。黒板の番号と座席を照らし合わせ、拓人の席に男子が座っていた。(あ、あの人が拓人君!)美優はまじまじと彼を見つめた…。6年の歳月が経ち、あの頃やんちゃで元気いっぱいだった印象は消え、落ちついた青年に成長していた。背も高くなり、顔はち
ピーチピンク さん作 [525] -
keep your smile
4月になり、美優の高校の普通科の2年生はクラス替えがあった。掲示板に新しいクラスメイトが張り出され、人だかりの中、やっと自分の名前を見つけた。(…C組かぁ、有紀ちゃんは何組だろう?佳奈は?みくは?)美優は1年の時に仲のよかった友達の名前を同じC組の中で探し始めた。(あっ…!藤木拓人?拓人君!?)美優はハッとした。藤木拓人の名前を見つけ、甘く切ないけどウキウキする感情が甦ってきた。小学校のころ好き
ピーチピンク さん作 [531] -
keep your smile 2
「お姉ちゃん、お父さんはいつ返ってくるの?早く帰ってきてほしいよ〜」「わからない。まだ、会社の転勤辞令が出てないみたい。またメールでお母さんのこと報告しとくね」泣いてる華を抱きしめながら自分たちのどうしようもない状況を呪った。…何故、あんな女と再婚したのか…、何故、自分たちが苦しまなくてはならないのか、父親の女を見る目のなさに愕然とした。美優と華の本当の母親は男と浮気をして家を出ていってしまった
ピーチピンク さん作 [464] -
keep your smile
高校の下校途中、自宅に向かいながら美優は憂鬱だった。まだ小学3年生の妹が心配だった。新しい母親がきてから父のいない昼間は妹が虐待されることがしばしばあるからだ。「ごめんなさい、ごめんなさい!許して〜」パシッ、パシッ「なんで言われたことやってないのっ」「ワァン、ごめんなさーい」玄関のドアを開けると、慌てて家の中に入り、リビングに向かった。「やめて!小さい子を殴るのはやめて!」美優は急いで妹の華を庇
ピーチピンク さん作 [467]