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麻呂さんの投稿された作品が616件見つかりました。

 
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<58>

    『そうだね、ユキちゃん早く元気になって、学校行こうね。みんなユキちゃんが早く学校に来てくれるのを楽しみにしているよ。』そう言った僕は、ユキちゃんの枕元に吊してある千羽鶴に気付いた。それをじっと見ていたら、何故か目頭が熱くなるのを感じた。こんな小さな子が頑張っているのを見ていたら、僕の日常の苦悩なんて、全然問題じゃないと思った。そんな事を考えていたら、また涙が出そうになるから、『ごめんね。ちょっと
    麻呂 さん作 [373]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<57>

    * * * * * *病室に入ると、ユキちゃんは、ベッドの上で、何やら紙に書いていた。熱中しているのか、僕達が病室へ入っても、こちらから話しかけるまで全く気が付かない様子だった。『ユキちゃん、こんにちはぁ〜。』そう言ったエリカちゃんの声に気付き、下を向いていたユキちゃんは顔を上げ、僕達の方に視線を向けた。『未來兄ちゃんと、エリカお姉ちゃん!!』ユキちゃんは、凄く嬉しいといった感じで、声を弾ませて
    麻呂 さん作 [370]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<56>

    * * * * * *ユキちゃんのお見舞いに行く当日までに、数日前の出来事が、まるで夢でも見ていたかの様に、あっさりと僕の目の前を通り過ぎて行った。彼女と会うのも、あの夜以来だった。あの夜の事を、彼女はどう受け止めているだろう。単なる人恋しさ?!お互いの寂しさを紛らわせる為?!少なくとも、あの夜の僕達は、お互いに激しく求め合っていた。まるで―\r何かの呪縛から解き放たれた解放感から、封印された引
    麻呂 さん作 [371]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<55>

    女のコの肌が、こんなに柔らかかったなんて――『未來‥もしかして‥‥初めて‥?!』彼女が、凄く至近距離にいる。上から見下ろされた僕は、ぎこちない手つきで彼女を自分に引き寄せた。初めてかと聞かれてどうする?!違うよなんて答えてどうする?!実際、女のコとこうして肌を触れ合うのは、僕にとっては初めての時以来なのだから。『ごめっ‥‥。僕、慣れてなくて‥‥。』誰とでも寝れるヤツが、僕には分からない。だって、
    麻呂 さん作 [469]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<54>

    『店を出たら、やっぱ暑いね。今日、札幌は32度もあるんだってさ。』『うん。お店の中はクーラーが効いてて快適だったから、外へ出たら余計に暑く感じるわよね。』『でもさ、北海道は本州の人に言わせると、“涼しい”んだって。大阪辺りなんか、40度近くあるんじゃないかな。』『え〜っっ?!うそ???マジで?!』そんなたわい無い話をしながら、僕達はゆっくりと夜の札幌の街を歩いていた。行き先も分からぬまま―\rた
    麻呂 さん作 [384]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<53>

    * * * * * *それから―\r食事を終えた僕達は店を出た。店にいる間、僕はずっと彼女の話を聞いてあげた。普通、こういう時、“ちんちくりんのハゲオヤジ”は、超悪者扱いを受けるべきなのだが、何故か、この時の話の流れは、そうならなかった。“ちんちくりんのハゲオヤジ”は“独身男”であった。妻に先立たれ、父親は過去に病気で他界しており、母親も現在闘病中なのだという。その母親の看病疲れと仕事疲れで、心
    麻呂 さん作 [362]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<52>

    『ねぇ、未來?!』『なに?!』『さっきは何を言おうとしたの?!』彼女は、また僕の目をじっと見つめた。テーブルを挟んで向かい合っている僕の目には、彼女の瞳だけが映っている。あれだけ、意を決して、言おうとしていた言葉が、また僕の胸の中に逃げ込んでしまった。『ううん。何を言おうとしたか忘れちゃった。忘れる位だから、別に大した事じゃないんだ。』言えなかった――やっぱり僕は、意気地無し――でも、何故か変な
    麻呂 さん作 [350]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<51>

    『えっ‥‥???』一瞬、トキが止まったかの様に、僕と彼女は見つめ合ってしまった。彼女は驚いている僕の顔を、ただ、黙って見つめているだけだった。まるで、今の一言に対しての僕の出方を窺っているかの様だ。『こちら、海老のバジル風味でございます。』僕達と変わらない年代に見えるウエイトレスは、少し申し訳なさそうに、テーブルの上に料理を置いた。『びっくりした?!』先に彼女の方から口を開いた。『うん。少し。』
    麻呂 さん作 [353]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<50>

    それでいいのか?!―\r本当に?!それで?!―\r心の中で自問自答してみる。やっぱりよくない!!次の瞬間、僕の口から、僕の必死の心の中の叫びが飛び出そうとしていた―\r『エリカちゃん―』『未來あのね―』―また同時に声が重なった。思わず顔を見合わせてしまった。『あは‥‥。この前と同じだね?!』『うん。エリカちゃんからどうぞお先に!!』そしてまた、お互いに譲り合い―\r『未來こそ‥‥。どうぞお先に!
    麻呂 さん作 [407]
  • 僕は君の未来を永遠(トワ)に。<49>

    彼女と先週行った、カジュアルイタリアンの店で食事をする事にした。どうやら、ここの店の気取らないアットホームな雰囲気が、僕達の程好く親しい友人関係にはピッタリらしい。『未來、ごめんね。なんか、無理に言って付き合わせちゃったかな?』店員に案内された席に着くなり、彼女にそう言われた僕。だから焦ってとっさにこう答えたんだ。『そんな事ないよ。僕もユキちゃんの手術が大成功だったと聞いて、凄く嬉しかったし‥。
    麻呂 さん作 [377]
 
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