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麻呂さんの投稿された作品が616件見つかりました。
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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<46>
* * * * * *ユキちゃんの手術の日の朝――僕は目覚めた時からずっと落ち着かなかった。――とは言っても昨夜は、ほとんど寝ていない。ユキちゃんの事が気になって眠れなかったというのが本当の所だ。一人っ子で育った僕に、もしもユキちゃんみたいな可愛い妹がいたら、どんなに楽しい事だろう。そう思える程、僕はユキちゃんが愛おしく思えた。だから今日の手術は絶対成功して欲しい。幸い、腫瘍は比較的悪性度の低い
麻呂 さん作 [381] -
僕は君の未来を永遠(トワ)に。<45>
* * * * * *『未來。今日はありがとう。』彼女は一言そう呟き、僕を車で駅まで送ってくれた。『ユキちゃん。きっと手術、成功するよ。』『うん。あたしもそう思ってる。未來にもおまじないをしてもらったし。』そう言って彼女は笑った。『‥‥あんなのでよかったのかな。』ユキちゃんと別れた後で、僕は急に弱気になってしまった。『アハハ。ユキちゃん、ビックリして目をまん丸くしてたわよね。でも、あの“ひとりあ
麻呂 さん作 [614] -
奈央と出会えたから。<176>
『綺麗‥‥。今夜は積もりそうですね。ミズホさん。』あたしもミズホさんの横に立つ。『はいはい。女のコはロマンチスト。俺らにとっちゃ、バイクは乗れねえし。しばらくは、冬眠しとくか。なぁサトル?!』『‥‥ZZZzzz‥‥‥。』『マジかよ。酔っ払って寝てるぜ。』『信じらんない。一杯しか飲んでないのに?!』『でもサトル君が飲んでたのって、ノンアルコールのジュースの方ですよ?!』聖人とミズホさんとあたしは三
麻呂 さん作 [580] -
奈央と出会えたから。<175>
* * * * * *『かんぱぁ〜〜い!!』あたし達は、ジュースで乾杯をした。『これって、シャンパンじゃねぇよな。ジュースだよな?!』シャンパングラスを片手に聖人が言った。『当たり前じゃん。本物のシャンパンなんて高くて買えないわよ。』ピザを上品に口元へ運ぶミズホさん。『まぁな。んじゃあ、コレは何でしょう〜?!』そう言ってテーブルの下からゴソゴソ何かを取り出した聖人。取り出したのは、何と‥本物のシ
麻呂 さん作 [578] -
奈央と出会えたから。<174>
『聖人。あたしも書いていい?!』そう言って、あたしも願い事を書いた。『奈央。何て書いたの?!見せて。』『秘密。後で見てよ。恥ずかしいもん。』『ふぅん。分かった。んじゃ後で見るからな。』きっと叶うと思っていたよ。強く信じていられたら――この恋は、ずっとずっと永遠に続くって――ねぇ聖人。来年もまた、ホワイトクリスマスだったらいいね――《毎年一緒に過ごせますように♪ ☆奈央☆》《これから
麻呂 さん作 [564] -
奈央と出会えたから。<173>
ミズホさんは、とてもお洒落なヒトだ。プラス、とても可愛いヒト。あたしの同級生の中でも、ミズホさんに憧れてるコって、結構いたし。勿論、女の子ね。だから、どうして彼氏がいないのか、あたしはずっと不思議だった。だって男の子がほっとく訳ないよね。こんなに可愛いかったら。サトル君は、坊主頭がポリシーの個性的な男のコで。憎めないその明るいキャラで、いつも周りを笑わせてくれる、クラスのムードメーカー的存在。と
麻呂 さん作 [588] -
僕は君の未来を永遠(トワ)に。<44>
ふと、ユキちゃんに視線を移すと――何か珍しい生き物でも見る様な目つきで、僕をじ〜っと見つめていた。そして一言――『お兄ちゃん‥‥。大丈夫?!来週、ユキと一緒に頭の手術してもらう?!』ユキちゃんの僕へのその言葉に、エリカちゃんは、笑いを必死に堪えながら、手で口を押さえている。あくまでも、これは“笑い”をとる為ではなく、来週、手術を受けるユキちゃんを“勇気づける”為のおまじないなのだ。エリカちゃんは
麻呂 さん作 [366] -
僕は君の未来を永遠(トワ)に。<43>
『お兄ちゃん。ユキの頭の中にね、大きなオデキがあるんだって。でね、来週手術なんだって。』ニコニコしながら僕にそう話してくれたユキちゃんは、なんて明るくて強い子なんだろうと思った。その明るさは、この子の天性によるものなのか――それとも僕達大人に、わざと心配を掛けまいと、明るく振る舞っているのだろうか――『ユキちゃん大丈夫よ。手術をして、先生にそのオデキを取ってもらったら、また前みたいに学校に行ける
麻呂 さん作 [366] -
奈央と出会えたから。<172>
* * * * * *『聖人とサトルは、ツリーにオーナメントを飾ってね。その間にあたしと奈央ちゃんがテーブルの上をセッティングするから。』『ふぇ〜〜〜い。』ミズホさんの指示に素直に返事をする聖人と――『ケーキ早く食べたいな♪』気持ちがちょっぴり急ぎ過ぎのサトル君。『ミズホさん。シャンパングラスはコレを使ってください。』『あ、奈央ちゃんありがとう。凄くお洒落なグラスね。雰囲気出るぅ〜♪』ミズホさん
麻呂 さん作 [577] -
僕は君の未来を永遠(トワ)に。<42>
* * * * * *それから数日後――週末までは、それ程時間が経つのが遅くは感じられなかった――僕は、エリカちゃんと一緒に、その女の子の入院する病室を訪れていた。『えっと‥‥。502号室。相沢 ユキ。あったわ、未来ここよ。』病室内に入ると、その女の子、ユキちゃんが僕達の方を見て、嬉しそうに微笑んだ。『エリカお姉ちゃん!!』ユキちゃんは、ベッドから下りて、僕達の方に駆け寄って来た。『ユキちゃん。
麻呂 さん作 [400]