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麻呂さんの投稿された作品が616件見つかりました。
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僕は君の未来を永遠(トワ)に。?
『あれ?!しょんべん小僧じゃん!!凄い奇遇だネ!!』先に彼女の方から口を開いた。そして、今の彼女の言葉で確信した―\rやはり、さっきオーディション会場で僕の事を“しょんべん小僧”と呼んだのは、この彼女に間違いは無く、全く以て、僕の聞き間違いでは無かったのだと言う事を。『僕、君と何処かで会った事あったっけ?!どうして僕の小学校の時のあだ名を知ってるの?!』僕の事を知っている彼女に対して失礼だとは思
麻呂 さん作 [405] -
僕は君の未来を永遠(トワ)に。?
* * * * * *テレビ局を出た僕は、再びバスに乗った。札幌駅前ターミナル行き――まだ時間が早かった―\r一時から始まったオーディションも途中で辞退してしまったし、折角此処まで来たのだから、久々に買い物でもして帰ろうと思ったのだ。バスの中は、とても落ち着く。僕の大好きな場所の一つだ。何故バスが好きなのかと聞かれたら、多分その質問に即答する事は出来ないが、仕事の疲れで滅入った気持ちを逆撫でされ
麻呂 さん作 [409] -
奈央と出会えたから。<147>
母は、あたしの事が心配で、仕事を早く上がらせてもらったに違いない―\r『お母さん‥ごめんなさい‥‥。あたし今朝は、お母さんに凄く酷い事を言ってしまって‥‥‥。あたし、どうかしてたんだ‥‥。お母さんが、聖人のコト、ただの不良みたいな言い方をしたから‥‥。聖人のコト、分かってくれてないと思ったら‥‥なんか、悲しくて‥‥凄く悲しくて‥‥‥。担任の渋川の言う事を信じて、あたしの事、信じてくれてないと思っ
麻呂 さん作 [644] -
奈央と出会えたから。<146>
* * * * * *聖人は、あたしを母の勤めるお弁当屋さんの直ぐ近くまで送ってくれ、あたしは一人でお弁当屋さんへ向かった―\rお母さん‥怒ってるかな‥‥。何て言おう‥‥。ただ一言―\r“ごめんなさい”って言えば済むコトなのに―\rその一言が―\rなかなか素直じゃない、あたしの口から旨く言えたなら―\rその後の言葉も、きっとスムーズに言えるだろうって―\rそんなコトを考えながら―\rあたしはゆっ
麻呂 さん作 [611] -
奈央と出会えたから。<145>
『俺のコト、そんなに心配してくれてたんだ‥‥。』聖人は、あたしの顔をゆっくりと覗き込んだ―\rその端正な顔立ちと、男の子なのにキメ細やかな綺麗な肌、そして―\r長い睫に―\rあたしは思わず見とれてしまう―\rこんなに明るい場所で、聖人の顔をまじまじと見たのは初めてかも‥‥‥。あたしは恥ずかしくなって、思わず視線を外してしまった。『心配してくれてサンキュ。でも俺、そんなにバカじゃないぜ。喘息の薬だ
麻呂 さん作 [637] -
奈央と出会えたから。<144>
* * * * * *『聖人。もう、ここでいいよ。ここからお母さんの働いているお弁当屋さん、直ぐ近くだから。』『そっか。分かった。ゴホッ‥ゴホッ‥‥。』『聖人‥風邪?!』『あぁ。俺、元々喘息持ちだし。』『あんまり無理しないでね。』『おぅ。サンキュ。じゃなっ!!』そう言ってあたしに背を向け歩き出した聖人に、『聖人!!』あたしは、つい呼び止めてしまったんだ。『どうした?!』直ぐ様、くるっと振り向いて
麻呂 さん作 [623] -
奈央と出会えたから。<143>
* * * * * *『聖人。今日は、ありがとう。髪を染めてもらったり、聖人特製の美味しいチャーハンまでご馳走になったり。』『おぅ。』たった一言だけ返って来た言葉が―\rたった一言だけなのに―\rあたしの心をキュンとさせる―\r『奈央。』『なぁに?!』『今度、俺とサトルが先輩に車に乗せてもらう時に、一度だけお前も誘うけど、大丈夫か?!』『本当に?!』聖人の口から、あまりにも意外な言葉が出て来たか
麻呂 さん作 [665] -
奈央と出会えたから。<142>
* * * * * *あたしは、バスルームに行き、聖人に借りたスウェットから制服に着替えた―\rふと携帯で時間を確認すると、リビングに差し込む日差しが、日中で最も強まる時間帯になっていた―\r『マジでもう帰んの?!早くね?!』『うん。今朝、ちょっとお母さんとケンカしちゃったから。気になっちゃって‥‥‥。』『だって、奈央の母さん、働いてんだろ?!まだ帰ってないじゃん。』カチ――煙草に火を点けながら
麻呂 さん作 [582] -
奈央と出会えたから。<141>
『聖人。あたし、今日はもう帰るね。』テーブルの上のボックスティッシュに手を伸ばし、あたしは、涙を拭いた―\r『何?!だから何で泣いてんの?!』聖人がさっきよりも少し強い口調で言った―\r『泣いてないよ!!あたしコンタクト。しかもハードだし、おまけにドライアイ。あっ!!アレルギーもあるかな。』とっさに思い付いた言葉が、すらすらと口から躍り出た―\rちょっと不自然過ぎたかな―\r今の言い訳―\r『そ
麻呂 さん作 [651] -
奈央と出会えたから。<140>
《奈央は、小さい頃から絵を書くのが好きだったじゃない。絵本作家になりたいって言ってた事もあったでしょう?!》今朝は感情的になってて気付かなかったけれど―\r母は、あたし自身でさえも言った事を忘れていた《絵本作家になりたい》っていう夢を―\r知っていてくれたんだ―\r覚えていてくれたんだ―\rあたしが―\rきっと、何気ない会話の中で話したのかもしれない、ソノ、夢の話を―\r母は―\rずっと―\rず
麻呂 さん作 [617]