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麻呂さんの投稿された作品が616件見つかりました。

 
  • 奈央と出会えたから。<56>

    朝9時から、夕方5時までは、近所の小さな弁当屋でのパートー。その後、一旦帰宅して、あたしと一緒に食事をし、夜9時から深夜2時まではスナックで働くー。スナックから帰宅し、床に就くのは午前3時半ー。朝は6時に起床するというハードな生活を送っていたー。弁当屋から帰宅して、スナックへ出勤するまでの約3時間という短い時間が、あたしと母の唯一の楽しい一時だったー。こんなハードな生活を続けている母を見て育った
    麻呂 さん作 [785]
  • 奈央と出会えたから。<55>

    夏休みも終わって始業式の朝ー。北海道の夏休みは短いー。なんでだろ‥???大体、7月24日が終業式で、8月19日に始業式だなんてー。1カ月無いじゃんよー。本州の夏休みって、1カ月以上あるっていうしー。羨ましいなー。あたしは休みボケの残る体を無理に奮い立たせて、布団の中から出ようとしたー。『奈央〜?!起きてる?!遅刻するわよ!!』キッチンから母の声がしたー。『はぁい。もう起きてるよぉ‥。』今日からま
    麻呂 さん作 [809]
  • 奈央と出会えたから。<54>

    『北岡君。線香花火やっていい?!』そう言ったあたしの横で、北岡が、『おう。』と返事をしたー。花火の点火用に立てた一本のローソクに二人で同時に線香花火を近づけたー。ーパチ‥パチパチ‥パチパチパチパチ‥‥ー勢い良く弾ける二つの線香花火ー。ーパチパチパチパチ‥‥パチパチ‥パチ‥ー最初は勢い良く弾けていた花火が、次第にその勢いが弱まって行くー。『北岡君‥。あたしの、もう終わっちゃうよぉ‥。』あたしがそう
    麻呂 さん作 [780]
  • 奈央と出会えたから。<53>

    『暗くなったら花火やろうぜ。』そう言って、北岡は両手いっぱいの花火をあたしに見せたー。『もう、後5日で夏休みも終わりじゃん?!夏休み最後の思い出によ?!』北岡はそう言うと、昨日と同じく、あたしの隣のブランコに腰を掛けたー。『北岡君。どうしたの?!花火なんて!!』そう言ったあたしの声は、自分でも分かる位、弾んでいたー。まさか今日は北岡が来る筈が無いと思っていたけど、会いたいと思っていたからーその思
    麻呂 さん作 [768]
  • 奈央と出会えたから。<52>

    次の日の夕方も、あたしはその公園に居たー。そして、また一人で絵を描いていたー。昨日、北岡と過ごした少しの時間が、今日になってみると、なんだか夢の中の出来事の様でー。あたしはスケッチブックを開いて確認したんだー。“きのした なおのかお”北岡が描いてくれたあたしの似顔絵ー。思わずその絵を胸の中にぎゅっと抱き締めていたー。そして思い出していたー。昨日、北岡が見せた悲しそうな横顔をー。その映像が、あたし
    麻呂 さん作 [766]
  • 奈央と出会えたから。<51>

    『何でもねぇよ‥。』そう言って、北岡はブランコを漕ぎ始めたー。北岡は何を言いたかったのかな‥。“知ってるよ‥。”もしかして‥。さっき話したあたしが母子家庭だって言ったコト?!『木下。もう暗いし危ねーから、俺が家まで送ってやるよ。ほらっ‥。』北岡はそう言うと、あたしに右手を差し出したー。凄い強引‥‥。見た目はクールで、ぶっきらぼうで、何考えているのか分からない様に見えたけどー本当は情熱的で優しくて
    麻呂 さん作 [821]
  • 奈央と出会えたから。<50>

    『ぷっっ‥‥。』思わずあたしは吹き出したー。『おっ?!笑ったな?!ひっでぇー。』そこに描かれていたのはーあたしの似顔絵だったー。『あはははは‥。』あたしはおかしくて笑ってしまったー。何日ぶりだろうー。こんなにお腹の底から笑ったのはー。笑っているあたしのそばで、北岡は少し照れていた様で‥ポリポリ頭を掻いていたー。“きのした なお のかお”そう書いた字体や筆跡が、どことなく北岡の悪ガキぶりを表してい
    麻呂 さん作 [804]
  • 奈央と出会えたから。<49>

    入学以来、いつも学校を休みがちで、滅多に顔を出さない北岡だったから、殆ど話した事無かったし、何と言っても怖いと言うイメージがあったからー。あたしにとって北岡は、ずっと近寄り難い存在だったんだー。『木下‥。絵上手いんだな‥。』スケッチブックから目を離す事も無く、北岡が言ったー。『あは。ありがとう。』あたしは嬉しかったー。未だかつて、自分の絵を人に見せた事など無かったし、見せるつもりも無かったからー
    麻呂 さん作 [811]
  • 奈央と出会えたから。<48>

    『あれ?!木下じゃん?!』突然あたしの背後から声がしたー。どこかで聞き覚えのある声ー。クルッと振り返ったあたしー。『よっ!!』そう言って片手を挙げ、ニコッと笑って立っていたのは‥。同じクラスの、北岡 聖人だったー。『北岡君?!』あたしはとっさにスケッチブックを隠したー。『んー‥。たまたま通り掛かったら木下が居たからよ。木下こんな所で一人で何してるの?!』北岡は、かなり明るめに染めた無造作ヘアーを
    麻呂 さん作 [789]
  • 奈央と出会えたから。<47>

    夏休みも終盤に差し掛かったある日の夕方ー。あたしは、近くの公園のベンチに腰掛けていたー。ブランコとシーソー、高さ2メートル位の滑り台しかない、何の変哲も無い質素な風景の、この公園も、あたしにとっては一番心が落ち着く場所だったー。小さい頃からここへ来るのが大好きだったんだー。母に叱られた時ー。義理の父親に乱暴された時ー。クラスメイトからイジメを受けた時ー。辛い時、いつも一人で此処へ来てたんだー。夏
    麻呂 さん作 [795]
 
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