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麻呂さんの投稿された作品が616件見つかりました。

 
  • 世界でひとつだけの物語。?

    『‥見せて‥‥。もっと見せて‥‥。あなたの顔。忘れない様に‥‥目に焼き付けておきたいの‥‥。』両手で彼の顔を引き寄せ、私は、瞳に記憶させた。そう、この人が彼よ。私の愛する彼よ。ちゃんと記憶しといてね。私のナイーブな瞳さん。『‥‥桃子。なんか恥ずかしいな。そんなにマジマジと見られたら。』『いいのっ。』あと一時間もしたら、私の目は見えなくなる。だからお願い。それまでずっと、こうしていて――『気持ちい
    麻呂 さん作 [440]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    『はい‥これ‥私からもプレゼント。』『え!?桃子からのプレゼント!?嬉しいな。』これは内緒だけど、妹に一緒に選んでもらったんだ。『おっ‥カッコイイ。ベルトだぁ。ありがとっ桃子!!』笑顔で子供みたいに無邪気になる彼。うふふ。もともと、おめめぱっちりで可愛い顔してるんだぁ。両手いっぱいのガーベラの花と、両手いっぱいのあなたの愛。いっぱいいっぱいもらったから、思わず涙があふれた。『どうして泣くの!?桃
    麻呂 さん作 [400]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    コンコンッ‥と部屋をノックする音。『フロントにね、一時預かって欲しいと、頼んでおいたんだよ。』彼は私に優しく微笑み、そっとドアを開けた。彼がフロントの人から受け取った物は、綺麗にラッピングされた、少し大きめの箱と、両手いっぱいの花束だった。『桃子。メリークリスマス!!はい。僕からのプレゼントだよ。』『ありがとう。嬉しい!!』大きな花束。その花束は、ピンクのガーベラに、かすみ草が添えてある、とても
    麻呂 さん作 [475]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    食事を終え、お店から出ると、見上げた空には満天の星。『わぁ‥‥綺麗‥‥‥。ねぇ、あの星は何て言うの!?』『あの星はオリオン座。冬の星座だよ。』『へぇ‥‥あれが。なんか‥‥感動‥‥‥。吸い込まれそう‥‥‥‥。』この広い宇宙の中にある私達の住む地球。その地球の中の日本という国で、彼と巡り合えた事は奇跡。『ほら。風邪ひくよ。そろそろチェックインする!?』『うん。』さり気なく、ふわりと掛けられたマフラー
    麻呂 さん作 [491]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    その日、彼は、私のわがままをたくさん聞いてくれた。目が見えないからという理由で、外出する事を避けていた私にとって、ボーリング場やカラオケなどの娯楽施設へ行く事さえも、生まれて初めての事だった。初めて投げたボーリングの球。初めて持ったマイク。見るもの全てが、私には新鮮だった。その後に観た映画は、アクション物。彼は、恋愛物が観たかったらしいけど、私が観たい物を優先してくれた。私が恋愛物よりも、アクシ
    麻呂 さん作 [450]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    空港のロビーで、彼と待ち合わせをしていた私は、緊張していた。一人で外出したのは生まれて初めてだったし、もちろん、一人で電車に乗ったのも初めてだった。目が見えるって、こんな世界だったんだ。ふと見渡した雑踏の中に、彼の姿を見た。『桃子。待った!?』嬉しくて、すぐに声が出ない。今、私の目の前にいるのは、まぎれもなく、私の大切な彼。心臓の鼓動が高鳴る。こんなクリアな視界で、初めて見る彼は、想像していた通
    麻呂 さん作 [508]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    イブの日の朝――それは、目覚めとほぼ同時だった。ベッドの中の私が気付いた事。何でこんなに天井が近いんだろう。え!?見える!?もしかして本当に見えてる!?思わずベッドから飛び起き、部屋の中を見回した。見える。見えてる。間違いなく私の目は見えている。夢が現実になった――こんな事って本当にあるの!?数日前の夢の内容を思い出した。“君の願い事を叶えてあげよう”神さまって本当にいたんだ。鏡に自分の姿を写し
    麻呂 さん作 [525]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    『お姉ちゃん。気分はどう!?』三つ違いの妹の桜子は、いつも私の心配をし、こうして部屋まで来てくれる。『うん。今日は少し気分がいいの。』『そう、よかった。ふふ‥イブに彼と会うんでしょ!?何着てくか決めた!?』『ううん。まだ決めてないよ。桜子ありがと。私、目が悪いからさ。』『え〜っっ!!だめだよ!!おしゃれしなくちゃ!!イブに会うんだからさ!!今から買い物に行くよ!!』『え‥ち、ちょっと‥桜子‥‥待
    麻呂 さん作 [457]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    クリスマスイブに彼と会う事を伝えると、母は、いつもの様に私の心配をした。彼とは、もう何度も会っているのに。杖がないと外を歩けず、家の中ですら、つまずいて歩く私が彼と会う時は、いつも彼が私の住んでいる街まで来てくれた。そんな誠実な彼の事を、母は良く思ってくれているはずなのに、私は、まだ一度も母に彼を紹介した事は無かった。別に、彼と私の心の絆を理解してもらえるかなんて、そんな事を悩んでいるからじゃな
    麻呂 さん作 [489]
  • 世界でひとつだけの物語。?

    イブに彼と会えると分かった、その日の夜。不思議な夢を見た。“君の願い事を叶えてあげよう”“え!?サンタさん!?”“君の願い通り、一度だけ、彼の顔を鮮明に見せてあげよう”“本当ですか!?”“ただし、それは一度だけ。クリスマスイブの一日だけになる。その後は、元の目の見えない君に戻るが、それでもいいかね!?”“は、はいっっ。お願いしますっっ”夢の中の私は、すごく積極的になれた。嬉しくて嬉しくて。だって
    麻呂 さん作 [669]
 
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